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そのサッカーを疑え!

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2020年10月の記事一覧

ウイング考。見てみたいのは、伊東純也(右)とマテウス(左)の両ウイング

ウイング考。見てみたいのは、伊東純也(右)とマテウス(左)の両ウイング

 10年前の日本サッカーには、サイド攻撃という概念が無いに等しかった。サイドバック(SB)の前方に、2人目のサイドアタッカーが存在しなかったので、サイド攻撃と言えば概ね、SBが単騎で攻め上がる状態を意味していた。

 長躯駆け上がった状態でクロスボールを上げれば、精度が鈍るのは当然。だが、世間はそんな事情にお構いなくSBに厳しい目を向けた。精度不足を必要以上に追及。攻め上がったその裏を、相手に突か

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それ、ハンドじゃない? いま改めて思うVARの必要性

それ、ハンドじゃない? いま改めて思うVARの必要性

 新型コロナが収束し、スポーツイベントが通常通り行われる日はいつ訪れるだろうか。第1節を終了した段階で中断となったJリーグが再開したのは7月4日。それから4ヶ月近く経過するが、それ以前の状態に戻って欲しいものもあれば、このまま残してきたいものもある。

 残しておきたいものをまず挙げるならば、応援の手拍子だ。集団的な応援ができなくなったことで生まれた産物である。

 ゴール裏に陣取るサポーターが集

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三笘、坂元などいまが旬なウインガーの可能性。「欧州組>国内組」に潜む盲点とは?

三笘、坂元などいまが旬なウインガーの可能性。「欧州組>国内組」に潜む盲点とは?

 今月行われたカメルーン戦とコートジボワール戦に続き、日本代表は来月もオーストリアでメキシコと戦う。メンバーも、初の試みとなった前回に続き、欧州組だけで編成される。

 前回は、岡崎慎司(ウエスカ)、長友佑都(マルセイユ)が怪我と病気で間際になって辞退。大迫勇也(ブレーメン)もカメルーン戦1試合の出場に限定されたが、2試合を滞りなく消化することができた。日本代表の親善試合を欧州域内で、欧州組に限っ

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カメルーンに内容で敗れた森保J。致命的に欠けているコンビネーションプレーとは

カメルーンに内容で敗れた森保J。致命的に欠けているコンビネーションプレーとは

 欧州組だけで編成した日本代表で臨む国際親善試合。オランダのユトレヒトで行われたその第1戦、対カメルーン戦は0-0の引き分けに終わった。カメルーンをどのレベルのチームと見なすかで評価は分かれるが、判定で勝ち負けを決めるならば、勝者はカメルーンになる。

 試合開始から後半のなかばまで日本はカメルーンに押されていた。ボール支配率は30%台だった。チャンスの数もそれに比例していた。

 だが前半、森保

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