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そのサッカーを疑え!

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2021年4月の記事一覧

川崎が独走するJリーグを、日本サッカー界はもっと心配した方がいい

川崎が独走するJリーグを、日本サッカー界はもっと心配した方がいい

 J1リーグで首位を行く川崎フロンターレと、それを3ポイント差で追う2位名古屋グランパスの一戦が、昨日(4月29日・金曜日)豊田スタジアムで行われた。

 結果は0-4。注目された首位攻防戦は、ホーム名古屋の大敗劇に終わった。勝ち点差は6ポイントに広がり、J1リーグは昨季に続き、川崎の独走状態に入ろうとしている。

 来る5月4日に早くも行われる、川崎対名古屋の折り返しの試合で、川崎が再度、勝利す

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前田大然が備えるスピードより効果的な武器

前田大然が備えるスピードより効果的な武器

 日本代表のセンターフォワード(CF)と言われて真っ先に想起するのは大迫勇也だ。この選手がいないと日本代表は始まらない。最も必要とされている選手かもしれない。しかし、所属クラブ(ベルダー・ブレーメン)での評価はそれほどでもない。なにより出場機会に恵まれていない。今季トータルで676分。今年に入って先発したのもわずか2試合だ。後半14分まで出場した先日のドルトムント戦(4月18日の)が、一番長い出場

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久保建英。「フィジカル面の改善」より重要なチェックポイント。目指すはチャナティップ

久保建英。「フィジカル面の改善」より重要なチェックポイント。目指すはチャナティップ

 フィジカル。サッカー界で最近、頻繁に使用されている外来語を挙げるならば、この言葉が一番ではないか。とりわけ好んで使用しているのはテレビに出てくる解説者。指導者講習会等で普通に使われているのだろう。実況アナ氏も、それにつられるように一緒になってフィジカルを使う。影響力の強い人が発すれば、流行が広がるのは当然だ。ネットの記事でも頻繁に見かける。見出しやタイトルにまで使われる。フィジカルを見聞きしない

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鳥栖と大分。それぞれの3バックの相違点

鳥栖と大分。それぞれの3バックの相違点

 首位を快調に走る川崎フロンターレ。そのサッカーから漂う雰囲気が、2、3シーズン前までと、だいぶ変わっていることに改めて気付かされる。かつては、マイボール時に重心を置いた、パスを繋いで相手を翻弄するパスサッカーだった。そのスタイルを保ちながら、相手ボール時の対応を格段に厳しくしたのが、現在の姿だ。

 ボールを奪われるや、相手のボール保持者に間髪入れず襲いかかる。可能な限り早く奪取しようとする。攻

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