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そのサッカーを疑え!

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2021年7月の記事一覧

五輪のサッカー中継。その解説者の一言は誰に向けられた指摘なのか。選手ではなく監督ですよね

五輪のサッカー中継。その解説者の一言は誰に向けられた指摘なのか。選手ではなく監督ですよね

 様々な競技が、次々と画面に登場する五輪のテレビ中継。お茶の間観戦していると、サッカーの特殊性に改めて気付かされる。

 五輪のテレビ中継はどの競技も、実況アナと元選手だった解説者のやりとりで進行する。ほぼ応援報道だ。NHKを含めて、中立の立場ではなく、日本側に一方的に肩入れするスタイルを取る。それが王道を行く中継スタイルとして定着している。

 サッカー中継も例外ではない。その昔はそれほどでもな

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男子サッカーの問題点。日本はなぜ10人のメキシコにボール支配を許したのか

男子サッカーの問題点。日本はなぜ10人のメキシコにボール支配を許したのか

 五輪サッカー。男子2試合(=南アフリカ戦、メキシコ戦)、女子2試合(カナダ戦、英国戦)を見た限りだが、両チームとも似た傾向を示している。

 1つはボール支配率だ。男子の南アは、感染者を出し、初戦の舞台に立てることが確定したのが開始わずか2時間前。準備不足、さらには「完全アウェー」のハンディを意識したのか、日本に対して、5バックで後方を固める守備的な作戦で臨んできた。

 終盤、布陣を4バックに

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欧州サッカーは変わるのか。守備的&身体能力重視型の台頭とイタリア、スペインが示したキラリと光る存在感

欧州サッカーは変わるのか。守備的&身体能力重視型の台頭とイタリア、スペインが示したキラリと光る存在感

 イタリアが延長PK戦の末にイングランドを下し、優勝を飾ったユーロ2020。イングランドのガレス・サウスゲート監督は、準決勝のデンマーク戦までの6試合、4バック(4-2-3-1と4-3-3)と3バック(3-4-3)を使い分けてきた。厳密に言えば、3バックを使用したのは、決勝トーナメント1回戦のドイツ戦のみだが、強豪国イタリアとの決勝戦には、使用率が低かった3バックでの臨むのではないかと、注目されて

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ユーロ準決勝デンマーク対イングランド戦。疑惑のPKから考察するVAR時代における「ホームの利」

ユーロ準決勝デンマーク対イングランド戦。疑惑のPKから考察するVAR時代における「ホームの利」

 ユーロ2020準決勝、イングランド対デンマーク戦の延長前半14分。イングランドのラーヒム・スターリングがエリア内で倒れ、PKの笛が吹かれた時、判定は覆るものと思っていた。ところが、VARによる検証を経ても、オランダ人のダニー・マッキーリー主審が下した判定は変わらなかった。このPKをハリー・ケインが決め、イングランドの決勝ゴールとした。

 このイングランド贔屓の笛。以前ならさほど違和感に襲われる

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