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2021年11月の記事一覧

南野を左ウイングで使う日本代表監督。「0トップ」で使うリバプール監督

南野を左ウイングで使う日本代表監督。「0トップ」で使うリバプール監督

 チャンピオンズリーグ(CL)第5週。日本代表で10番を背負いながら、ここ数試合、途中交代で早々とベンチに下がる機会が続く南野拓実は、このポルトとのホーム戦に先発出場を飾った。すでに首位通過を決めていているリバプールにとって、この試合は消化試合同然の一戦ながら、出場機会に恵まれない南野には、自己アピールの場として大きな意味を持つ試合となっていた。

 ポジションは、モハメド・サラー(右)、サデォ・

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選手のキャラに任せた出たとこ勝負の攻撃。三笘投入で浮き彫りになった森保采配の本質

選手のキャラに任せた出たとこ勝負の攻撃。三笘投入で浮き彫りになった森保采配の本質

 敗戦、あるいは引き分けで、森保監督の解任もあると言われたオマーン戦(11月16日・マスカット)。日本は後半36分、伊東純也が挙げた決勝ゴールで1-0の勝利を飾った。こう言ってはなんだが、伊東はゴール前でプッシュしただけ。得点をお膳立てしたのは、後半の頭から交代出場した三笘薫だった。

 切羽詰まった一戦で、いきなりで大きな仕事をやってのけたことになるが、この程度の活躍は、当初から想像できたことも

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森保監督が鬼木采配から学んで欲しいこと

森保監督が鬼木采配から学んで欲しいこと

 11月3日(文化の日)にJ1リーグ優勝を決めた川崎フロンターレ。その4日後の日曜日に行われたサガン鳥栖とのアウェー戦には、前戦(浦和戦)からスタメンを6人入れ替えて臨んだ。結果は1-3。今季2敗目を喫した。しかし、そこにこそ川崎の強さの秘訣を見た気がした。

 川崎の優勝は残り試合に全部負けても揺るがないとはいえ、日本のスポーツ界には最後まで手を抜くべきでないという考え方が根強く存在することも事

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各ポジションをカバーする概念。いまだ日本サッカーに浸透せず

各ポジションをカバーする概念。いまだ日本サッカーに浸透せず

 名古屋グランパスとセレッソ大阪が対戦したルヴァンカップ決勝。結果は2-0で名古屋に軍配が挙がった。しかし、支配率が高かったのはC大阪(63%)。持たされていたと言うよりゲームをコントロールしていた印象だ。後ろで守ろうとした名古屋に対し、C大阪は相手陣内でプレーしようとした。

 よって目はおのずとC大阪の展開力に注視させられることになった。布陣は4-4-2。なにより浮き彫りになったのは、左から、

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