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そのサッカーを疑え!

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2022年6月の記事一覧

日本代表はこのままでは持続しない。協会及び森保監督は、選手にどれほど感謝の念を抱いているだろうか

日本代表はこのままでは持続しない。協会及び森保監督は、選手にどれほど感謝の念を抱いているだろうか

 Jリーグと日本代表、訴求力が高いのはどちらと問えば後者だ。日本のサッカー界は、日本代表を中心に回っている。両者の関係は徐々に詰まってきているとはいえ、4年に1度開催されるW杯を中心に動いていることは確かである。

 他国よりもその度合いは強い。本場欧州は必ずしもそうではない。チャンピオンズリーグを頂点とするクラブサッカーありきで成立している。欧州は都市国家を中心に発達を遂げてきたが、現代の欧州サ

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守備的MFの構成を多彩にしなければサッカーは持続しない。いま大島僚太に注目したい理由

守備的MFの構成を多彩にしなければサッカーは持続しない。いま大島僚太に注目したい理由

 去る土曜日。横浜F・マリノスが柏レイソルに4-0で勝利した試合を横浜国際日産スタジアムで観戦した後、等々力競技場に移動。川崎フロンターレがジュビロ磐田に1-1で引き分ける試合を観戦した。首位横浜FMとそれを勝ち点1の差で追う3位川崎。両者は成績的には競った関係に見える。鹿島アントラーズとともに3強を形成しているように見えるが、どちらのサッカーが魅力的に見えるかと言えば、横浜FMになる。2つのスタ

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「久保建英」に学べ。慎重さが求められる少年選手の報じ方

「久保建英」に学べ。慎重さが求められる少年選手の報じ方

 久保建英が正念場を迎えている。今季途中、マジョルカの監督にハビエル・アギーレが就任したとき、その出場機会は増すと思われた。日本代表監督を半年間、務めた経験があるアギーレに、スペインでよく見かける日本人選手への偏見はないはずだ。久保にとって歓迎すべき監督であるかと思われた。

 ところがアギーレ就任以降、久保の先発は8戦中わずか2試合に終わる。ルイス・ガルシア・プラザ前監督時代より出場機会を大きく

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古典的サッカーか。日本戦で露呈した本命ブラジルと10番ネイマールの問題点

古典的サッカーか。日本戦で露呈した本命ブラジルと10番ネイマールの問題点

 ブラジル代表に0-1。日本は来るカタールW杯で優勝候補の本命に挙げられているFIFAランキング1位の強豪を、PKによる1失点に抑えた。これを善戦と見るか。

 スコア的には善戦だが、内容的には振るわなかった。惜しいチャンスはゼロではなかったが、決定的なチャンスはゼロだった。惜しいチャンスにしても、「惜しい度」をABCに分類すると、最低ランクのCが2、3度あったに過ぎない。耐え忍ぶことはできたが、

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