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そのサッカーを疑え!

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2023年3月の記事一覧

コロンビア戦の終盤。中盤をダイヤモンド型に移行した森保采配に抱く根本的な疑問

コロンビア戦の終盤。中盤をダイヤモンド型に移行した森保采配に抱く根本的な疑問

 洗練されたサッカーとは言い難い粗野な戦いぶりを披露しながら敗れたコロンビア戦。後半16分、ラファエル・サントス・ボレのバイシクルシュートで1-2と逆転されると、森保一監督は後半33分、守田英正に代え浅野拓磨を投入した。同時に布陣を4-2-3-1から中盤ダイヤモンド型の4-4-2に変化させる戦術的交代である。

 森保監督は変更のあらましを書いたメモをピッチに入る浅野を通じ、ゲームキャプテンの遠藤

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サイドバックにMF的な役割を課すサッカーがウルグアイ戦で不発に終わった理由

サイドバックにMF的な役割を課すサッカーがウルグアイ戦で不発に終わった理由

「サイドバックをいかに有効活用するか。第2期森保ジャパンの重要なテーマ」であるとは、3月15日発行のブログマガジンのタイトルだが、24日のウルグアイ戦では日本のベンチもそれに呼応するかのように、両SB(左・伊藤洋輝、右・菅原由勢)に従来とは異なる中盤的な役割を課していた。

 ジョゼップ・グアルディオラがバイエルン監督の時代に、右SBフィリップ・ラームをマイボールに転じるや大外ではなく、守備的MF

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日本代表メンバー発表会見で改めて露呈した森保監督の隠しきれない本質

日本代表メンバー発表会見で改めて露呈した森保監督の隠しきれない本質

 森保監督に限らず日本人監督の多くは哲学を語ろうとしない。哲学を持ち合わせていないのか。語りたくないだけなのか。サッカー監督に必要な要素だとの認識がないのか。理由は定かではないが、この点こそが外国人監督との1番の違いであると、これまで何度か述べてきた。

 言い換えるならば、それは色だ。他の監督と自分自身は大きく何が違うかという話である。それさえも曖昧にしたがる。「臨機応変」とは2018年7月、日

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ここ30年で最も進化した人口1千万人の小国ポルトガルから日本サッカーが学ぶこと

ここ30年で最も進化した人口1千万人の小国ポルトガルから日本サッカーが学ぶこと

 守田英正所属のスポルティングが、アーセナルに2-2で引き分けた試合。ヨーロッパリーグ(EL)決勝トーナメント1回戦のファーストレグの話だが、ポルトガルリーグの4位チームがプレミアリーグで首位を走るチームに対し、互角以上に渡り合う姿はとても立派なものに映った。

 ポルトガルとイングランド。それぞれのリーグの力関係をUEFAランクで表せば7位対1位となるが、代表チームの力関係では接近する。FIFA

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