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そのサッカーを疑え!

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2023年9月の記事一覧

日本人サッカー監督はなぜ「色」を貫けないのか。「森保化」したかに見える川崎・鬼木監督を心配する

日本人サッカー監督はなぜ「色」を貫けないのか。「森保化」したかに見える川崎・鬼木監督を心配する

 国立競技場に54243人の観衆を集めて行われた湘南ベルマーレ対川崎フロンターレ戦。

 この試合が両軍のホームスタジアムで行われていれば、スタンドは緑と青の2色に分かれていたはずである。第3者が介在する余地は1割も残されていないだろう。しかし舞台が国立競技場となると話は変わる。この一戦の場合は湘南3割(約16300人)、川崎2割(約10800人)、その他5割(約27000人)だった。つまり国立競

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レアル・ソシエダがサッカー的にブライトンに劣る理由。ラ・リーガがプレミアに抜かれた理由

レアル・ソシエダがサッカー的にブライトンに劣る理由。ラ・リーガがプレミアに抜かれた理由

 チャンピオンズリーグ(CL)開幕週。久保建英が所属するレアル・ソシエダはホーム「アノエタ」で、インテルと対戦した。開始4分、インテルDFアレッサンドロ・バストーニのミスを突き、左ウイングのアンデル・バレネチェアが先制。昨季のスペインリーグ4位チームは以降、終盤まで昨季のCL準優勝チームを向こうに回し、試合をいい感じで進めた。

 インテルが同点に追いついたのは後半42分。それはレアル・ソシエダが

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日本はもはや“平幕“ではない。5バックという“変化”ワザでは将来伸び悩む。観客も喜ばない。相撲に学べ

日本はもはや“平幕“ではない。5バックという“変化”ワザでは将来伸び悩む。観客も喜ばない。相撲に学べ

 日本がヴォルフスブルグでドイツに4-1で勝った一戦。こう言っては何だが、スタジアムに入った瞬間から、日本の善戦を予想することができた。フォルクスワーゲン・アレーナの収容人員は30000人で、実際に集まった観衆は24980人。日本戦への期待度はこの数字に表れていた。

 ドイツにしては小ぶりなスタジアムで行われたにもかかわらず、スタンドは埋まらなかった。ドイツは12日にフランスと親善試合を行ってい

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路線や方向性を論じない日本、南米か欧州か。個人か組織か。対立軸が鮮明だったかつてが懐かしい

路線や方向性を論じない日本、南米か欧州か。個人か組織か。対立軸が鮮明だったかつてが懐かしい

 ドイツ戦を9日に控えた日本代表だが、ドイツに日本はお世話になってきた過去がある。スペインでもなくイタリアでもない。フランスでもイングランドでもない。日本の現在はドイツ抜きには語れない。それを象徴する人物は1964年東京五輪で日本を指導者としてベスト8に導くなど、日本代表サッカーの発展を願いその礎を築いたデットマール・クラマーさんだ。別名、日本サッカー界の父。日本サッカー界初の外国人指導者にして、

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