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そのサッカーを疑え!

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2023年10月の記事一覧

常識を疑え。3バック=5バックは本当に「守備固め」に相応しい作戦か。成功体験しかない森保Jを心配する

常識を疑え。3バック=5バックは本当に「守備固め」に相応しい作戦か。成功体験しかない森保Jを心配する

「4-3-3、4-2-3-1、3バックを相手や状況によって賢く使い分けていく」とは、最近の会見で森保一監督が述べたコメントだ。だがこの3つの布陣の関係は並列ではない。4-3-3と4-2-3-1は親戚関係にあるが、「3バック」はそうとは言いがたい。

 3バックも4バック同様、いくつか種類がある。攻撃的なものもあれば守備的なものもある。それを森保監督は十把一絡げに3バックと表現する。

 これは森保

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絶対に負けそうもない“無風区”を戦う日本代表と森保監督に求められる姿勢

絶対に負けそうもない“無風区”を戦う日本代表と森保監督に求められる姿勢

 2026年W杯までたっぷり2年半あるというのに、日本代表は半ば完成された状態にある。1トップを任すことができる選手が現れれば、いつでもW杯本大会に臨める状態にある。

 選手はザクザクいる。日本サッカー史上、選手層は最も厚い。一方で来年1月に開催されるアジアカップは、ベンチ入りのメンバーがコロナ禍以前の23人に戻るので、選考は難航しそうである。

 最悪でもベスト4は行けるとされる中、どんなメン

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サッカーのデータに決定的に不足する2つの要素。半世紀も前から研究されている事象はなぜ表に出ないのか

サッカーのデータに決定的に不足する2つの要素。半世紀も前から研究されている事象はなぜ表に出ないのか

 サッカーは主観のスポーツである。選手の善し悪しを示す確かな個人データは得点数ぐらいだ。監督が変われば確実にスタメンは変わる。その産物として他の競技より選手の移籍、監督交代が多く発生する。

 とはいえデータの総量は増えている。ボール支配率、選手の走行距離、図入りで示される布陣などは2002年日韓共催W杯前後から徐々に浸透。パスの数とその成功率、ロングボールの頻度やクロスの数、実際のフォーメーショ

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ダメージは世界一か。欧州組を消耗させる非今日的な日本代表強化策

ダメージは世界一か。欧州組を消耗させる非今日的な日本代表強化策

 カナダ戦(13日)、チュニジア戦(17日)に臨む日本代表メンバーから三笘薫が外れた。欧州カップ戦に出場しているいわばエリート級を、重要度の低い試合に毎度、招集するのはナンセンス。2026年W杯本大会でベスト8を狙おうとした時、有効な代表強化とは言えない。とりわけブライトンで出ずっぱりの三笘は安易に招集するべきではないと記した直後の話だった。

 不参加の理由は体調不良。サッカー協会からの通知には

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