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そのサッカーを疑え!

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#アジアカップ

森保監督だけではない。アジアカップの敗因は元選手、多くの日本人指導者が見過ごす問題点にあり(その2)

森保監督だけではない。アジアカップの敗因は元選手、多くの日本人指導者が見過ごす問題点にあり(その2)

 香川がマンチェスター・ユナイテッドで満足な活躍できなかった理由について、ファーガソンの後任にあたるモイーズ監督との、相性の悪さを口にする人が多い。しかし、香川がポジションをカバーする概念を持ち合わせていないことは入団当初から明白だった。サイドを離れ、気がつけば内寄りで構えるその癖は、高い位置でボールを奪おうとする欧州サッカーに入ると、好ましくないものとして際立って映ったものだ。

 テレビ解説者

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森保監督だけではない。アジアカップの敗因は元選手、多くの日本人指導者が見過ごす問題点にあり(その1)

森保監督だけではない。アジアカップの敗因は元選手、多くの日本人指導者が見過ごす問題点にあり(その1)

 アジアカップでベスト8に沈んだ森保ジャパン。森保監督は解任した方がいいと考える。協会によりよい新監督を探す力があるか、そこもまた心配される点だが、それはともかく、監督を変えた方がいいと考える一番の理由はそのイラク戦の采配にある。

 南野拓実を左ウイングとして先発させたことだ。

 浅野拓磨、久保建英、伊東純也、そして南野。スタメン表に名を連ねたアタッカー4人の顔ぶれを見たとき、筆者はてっきり1

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想定外の不振に苦しむ日本代表。ポスト森保。探す人もいなければ、新監督候補もいない?

想定外の不振に苦しむ日本代表。ポスト森保。探す人もいなければ、新監督候補もいない?

 日本がアジアカップのグループリーグで敗れたのは、初めて本大会に出場した1988年以来、36年ぶりの出来事だ。1-2でイラクに敗れた第2戦はまさしく事件に相当した。

 4-2で勝利した1戦目のベトナム戦、3-1で勝利した3戦目のインドネシア戦ともに相手の健闘を讃える必要はあるが、日本のデキは3戦連続して低調だった。重要なのはバランスで「アジアは甘くない」と言って、苦戦を外的要因に求めすぎるのはよ

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日本代表、アジアカップ初戦で再認識したカタールW杯以降の成長点

日本代表、アジアカップ初戦で再認識したカタールW杯以降の成長点

 アジアカップ初戦、対ベトナム戦の日本は、いいのか悪いのか評価の難しいサッカーをした。多数派はその4-2の勝利を苦戦とする声だ。トルシエ・マジックに原因ありと、現ベトナム監督=元日本代表監督を持ち上げた。しかしベトナムのサッカーは本当によかったのか。

 日本とベトナムは、2019年アジアカップ準々決勝で1-0、2022年カタールW杯アジア最終予選では、アウェー戦1-0、ホーム戦1-1と過去3戦、

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アジアカップ。グループリーグ突破のオッズは1.01倍。絶対的本命・日本に求められる優勝の飾り方

アジアカップ。グループリーグ突破のオッズは1.01倍。絶対的本命・日本に求められる優勝の飾り方

 昨日、アジアカップが開幕した。しかし本日行われる日本の初戦、対ベトナム戦はテレビ放送がない。3戦目のインドネシア戦、決勝トーナメント1回戦も同様。視聴環境はDAZNに限られる。

 ユーロ、コパ・アメリカ等と同格のれっきとした大陸王座決定戦だ。代表チームのイベントとしてはW杯に次ぐ格式を誇る大会である。驚くべき事態である。従来の概念に基づけば事件と言えるかもしれない。しかしベトナム戦、インドネシ

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アジアカップを経て、期待したくなる選手を減らした森保Jの皮肉

アジアカップを経て、期待したくなる選手を減らした森保Jの皮肉

 カタールに番狂わせを許し準優勝。アジアカップで残念な終わり方をした日本代表だが、サッカーは結果がすべてではない。アジアカップは公式戦ながらW杯ではない。今回からコンフェデレーションズ杯出場という「副賞」もなくなり、それに伴い優勝の重みも薄れたと言える。その他に成果を見いだすことができれば「負けるが勝ち」とうそぶいてもバチは当たらないが、森保ジャパンは残念ながら準優勝という結果を上回る成果を見いだ

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カタールに勝てば過去8大会で5度目のV!? アジアカップ決勝前日に抱いた違和感

カタールに勝てば過去8大会で5度目のV!? アジアカップ決勝前日に抱いた違和感

 この原稿は決勝戦の前日に書いているので、当然、カタールとの決勝戦の結果は知る由もないが、2011年大会以来、2大会ぶり通算5度目のアジアカップ優勝に大きく近づいていることだけは確かなようだ。

 優勝しないより優勝する方が嬉しいに決まっているが、カタールに勝って優勝では物足りなさが残ることも事実。その面積は秋田県とほぼ同じで、人口も約260万人で京都府と拮抗している。カタールは戦いにくい相手かも

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クーペル采配と比較すれば。金足農業か? 日本式部活動を見るような森保J

クーペル采配と比較すれば。金足農業か? 日本式部活動を見るような森保J

 いい監督とは何か。定義は人それぞれだが、いい代表監督とは、になると意味合いはだいぶ変わってくる。次回のW杯は2022年11月なので、これから3年と10ヶ月もある。毎シーズンが勝負のJリーグ監督との一番の違いだ。途中で解任される可能性もないわけではないが、付き合いは長くなることが、はじめから予想されている。

 その長さに耐えられる監督。つまり、人を飽きさせない監督。なるほどと、こちらのサッカー観

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