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予算編成という公務員の仕事の一つをやってみた振り返り(島根県庁)


昨年4月の人事異動で予算要求担当になりました

自治体の新年度(4月~3月)の予算は、その前の年の秋から冬にかけ、6か月かけ、当初予算として編成されます。そして、一年かけて、それが実行されていきます。
また、年度の途中で追加で必要となる事柄については、補正予算という形で必要な予算が手当されます。 

昨年4月の人事異動で、島根県庁の商工労働部という部局の予算編成担当課長補佐になりました。今年度の前半の半年は「今年度の補正予算」、後半の半年は「翌年度の当初予算」のとりまとめ担当(要求側)をつとめたので、やってみて気がついたことを書いてみます。

なお、自治体では、事業を効果的に実施し改善することよりも、予算要求の方が大事にされる傾向があり、その点はあまりよくないと感じています。

自治体の予算要求における役割分担と流れ

1 事業を実施する80くらいの課(事業課)ごとに予算案を作成します。
2 各部局毎(約15)に予算案が取りまとめられ、財政課という課に提出されます。
3 財政課は要求された予算案を審査します。また、全ての予算案を取りまとめます。財政課は、県庁全体の予算編成の事務的な責任も持ちます。
4 予算を含む、県の仕事の全ての責任者は県知事です。知事から予め指示が出ることもありますし、予算案AとBのどちらが良い、と知事が判断するケースも多いです’。知事が了解したら最終的な予算案になります。
5 編成された予算案は県議会に諮られ、県議会の議員さん達に議論され、そこで承認されると成立します(財政課(と各課)が対応)。
6 予算案が議会に提案された時点でその情報は公開されるので、マスコミにより報道され「今後、こんな取組が行われる」と県民に伝わります。(財政課(と各課)が対応)

1年間やってみて、一番感じたこと

・やる前に考えていたより、ずっと知事との距離が近い形で予算編成作業がされていると実感しました。
・財政課だけが知事と協議するのではなく、各課が直接知事と協議する機会があわせて年に10回以上あり(商工労働部の場合)、ダイレクトに知事の考えが反映される予算が組まれる仕組みとなっていると感じます。
・逆に言うと、各課の考えをダイレクトに知事に伝え、予算化を実現することを可能とする仕組みになっています。
・そうはいっても、事業課と知事との間でしっかり機能しているのが財政課であり、その役割は多岐にわたっています。
・例えば、議会対応も、マスコミ向け資料の公表も、いずれも主たる役割は財政課が果たしていて、全体の司令塔的な役割を担っているのは、単純にすごいなと感じます。スケジュールがタイトで時に綱渡りの予算編成作業を決して破綻させないことを含めて、そう感じます。

今後、予算要求の仕組みなど、具体的な内容を書いていきます

・今回の投稿では、予算作業をやってみて感じたことを、一点だけ書きましたが、今後、予算要求の各段階や各場面で感じたことを、もう少し掘り下げて、分析をしつつ、書いてみようと思います。
・そういう内容なので、他の自治体の公務員の方に読んでもらい、自分の自治体と比較してもらったりして、何かを感じてもらえると嬉しいです。
・その後、8つの記事を書きました。一つ、貼り付けて置きます。

追加情報:目指すは、福岡市役所の今村寛さん

・福岡市役所の公務員に今村寛さんという方がいらっしゃって、ウェブでも様々な情報発信をされています。楽しく読めて、参考になる内容です。
 そういう方に少しでも近づけたらな、と思います。

今村さんのnoteを貼り付けて置きます。


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