私が小学校2年生の時、当時通っていたピアノ教室の先生が
私の書いた詩をかわいいノートに清書してプレゼントしてくれた。
当時はピアノの練習が嫌いで先生のところへ行くのも億劫だったから、それも嬉しかったのかどうだったのか忘れてしまった。
けれども二十年以上経った今、そのことを思い出してすごく嬉しい気持ちになった。
あの頃の私はちゃんとお礼を言っただろうか。
それがどうにも胸につっかえて、もう今すぐにでも「何年も経ってしまったけれど今、すごく嬉しい。ありがとう」と伝えたい。もし先生にまた会うことがあればだけど。

そして困ったことに、その詩のうちの一つが頭の中をぐるぐる回っている。最近ずっとだ。

「うちのトイレにへんなねこ
またいる　またいる　怒れば
にゃんにゃん　にゃんにゃん　泣きますよ」

こんな調子だ。小学生の私の、かわいい遊び。
これは学校のトイレに貼ってあったポスターに描かれた、怪獣とも猫とも説明がつかない変な生き物が気に食わなくて書き殴ったもの。
あらま、今も覚えているよあの生き物。案外大好きだったのか。

こんなことを突然に思い出して、もうずっと頭の中に居座ってるものだからここに吐き出してみた。
なぜって、毎日通っている会社の入り口に唐突に出現したぬいぐるみがもう気持ち悪くって気持ち悪くって、顔を顰めながら上司の顔を見るよりも先にぬいぐるみに「おはようございます（今日もいる、今日もいる・・・）」を言って出勤している。
ああ、私はあの頃と変わらないな、と懐かしくなりました。