会社辞めますねん。

いろいろとポリシーをもって勤めていた会社を秋で辞めることにした。

コロナ下で仕事が不安定になる中で、所得が減ったり仕事場が潰れている飲食関係や接客関係の方に比べれば、弊社は調子が良かった。

夏の決算も前年比を上回っていたし、(これはコロナでSHIPがズレにズレまくり春物がない!!となっていた取引先が、旧正月前にSHIPしてあった弊社の商品を奪い合って下さったことも寄与しているが)以前では弊社ではやったことない枚数の商品も手掛けた。(5万枚)

1万枚ぐらいの商品ならちょこちょこやるようになったのはこの会社に勤めてよかったなと思ったし、以前の職場で30枚とか100枚とかをちょこちょこオーダーしていた私にとってはとっても自信になった。このお盆明けに入ってくるのはトータルで何枚だろうか。田舎に小さい家が建つぐらいの仕入金額になる商品を作った私は「もういいや」と思ってしまった。

こんなタイミングで。

作った商品を営業がバシバシ売ってきて、よければちゃんとリアクションがもらえたことも、敏腕バイヤーさんに仕事っぷりをほめてもらったこともうれしかった。けれどもういいやと思った。やりがい搾取ではないけれどこれだけの売り上げを増やせるものを作っても所得は大して変わらないし、何よりも私は先頭に立って仕事をするのがとても向いていない。プレッシャーもたくさんあった。リモートワークにならないクソクソアナログな社風も合わないなと思った。私たち衣食住で言えば優先度が一番低いアパレルは、通勤率をほかの業種に譲るべきだとずっと思っていた。私の自宅は海外の荷物は配達区域だし、お家も環境が整っていた。なのに社長が紙媒体でないと仕事を認識できないタイプなので緊急事態宣言でも週5日通勤した。(電車通勤は嫌だったのでチャリ通を今も続けている)何よりもコロナ下での社長の言動にも腑に落ちないことが多すぎて不信感。追い打ちをかけるように、蝶よ花よと育てていた新卒が社長の言動を苦にして辞めた。

私がえんやこら、と一番苦手分野の「育てる」ということに取り組んでいたのに台無しにされたことも、新卒ちゃんの代わりを採用する気もないことにむかついたので、退職を申し出た。また採用に金をかければいいと思った。

唯一の救いは、退職した新卒ちゃんが「服は好きなので、アパレルの仕事は続けます」と連絡をくれたことだった。私は彼女にイロハは教えた。私と違ってコツコツ取り組むタイプなのを尊敬していた。(私はパワープレイでなんとかするウサギと亀のウサギタイプなので彼女の性質がとってもうらやましかった)

いろいろモヤモヤしていたら、あっという間に前職のパワハラで患った適応障害がこんにちわ。眠れない日曜日と起きられない朝が続いた。時々自分のバランスを確認しに行くクリニックで休職3か月を言われてしまった。休職制度も就業規則もろくにない零細企業である。めんどくさいので期間を区切って退職しますと社長に告げた。

友達から聞いた、お金を借りに来る「友達」が増えたこともそうなんだけど、今回のこの未曽有の事態は人の本質をよく見せてくれる機会だなあと、とてもよく思った。色々と目を瞑ってきた会社への不信感があふれ出して退職を決めてしまった。きっと簡単に転職先も見つからない。9万枚を発注して燃え尽きている私は当分、ZOZOや楽天にあふれる安いだけの服は作りたくない。どうせセールで安くなって残ったら某社に二束三文で引き取ってもらうんでしょう。どこがサスティナブルだよ。会社のビジネスモデルに将来性もないなあと思ってしまった。

まあとりあえず辞めてみます。どうなるかわからないんですけどね。(おまけに家賃を上げてずっと思い描いていた部屋に引っ越すことにした大バカ者である)

ついていきたいと思える仕事を、経営者さんはしてください。それが経営者の仕事です。


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