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セラピストを取り巻く環境をPEST分析してみる② Politics(政治)とEconomy(経済)

本日のマエオキ

梅雨に入りました。
雨は良い面も悪い面もありますよね。
#人も同じ

特にバイクに乗る通勤時は、ブルーになります。
#レイニーブルー

こんにちは。
OneSelFの佐藤です。

一方で、雨の日はよく眠れますよね。
そのおかげで私も今日寝坊しました。
#盛大な言い訳

雨の音や波の音は「ホワイトノイズ」と言われます。
この「ホワイトノイズ」は聴覚マスキングと呼ばれ、その他の環境音を遮る効果があります。
#ホワイトノイズ
#聴覚マスキング
#見知らぬ単語を見知らぬ単語で繋げる

これが睡眠中に聴覚が大脳皮質を刺激するのを和らげるため、覚醒しづらくなりよく眠れる、というメカニズムのようです。
#Williamson_1992

そして、ホワイトノイズが入院中の学生や幼児、成人における睡眠の質を改善させることもわかっているようです。
#Zeraati_2004
#Abolhasani_2006
#Pouya_2016

https://www.sid.ir/en/Journal/ViewPaper.aspx?ID=107776

ということで科学的に寝坊の裏付けができたところで、今日も始めていきましょう。
#科学の無駄遣い

前回のおさらい

前回の記事では、「セラピストを取り巻く外部環境を探って、その中で自分たちができることを明確にしていこう」ということで、PEST分析の概略を記していきました。

そして実際にPEST分析をやってみました。

©️Y.Sato_2022

今日はこれらを一つずつ分析してみようかと思います。

Politics(政治)

©️Y.Sato_2022

特にここでは医療、中でも整形外科リハビリテーション部門に寄って動向をみていきます。

-保険制度の改変・質的評価

病院やクリニックでリハビリテーションを行う際には「実施計画書」というものを策定して、現状の評価と今後の方針をまとめていきます。

これが患者さんへのインフォームドコンセントに繋がり、医療の質を担保する意味でも用いられています。

今年の診療報酬の改定で、その実施計画書にFIM(Functional Independence Measure:機能的自立度評価法)という日常生活での自立度を評価する項目が義務付けられました。

以前まではよくBI(Barthel Index)と呼ばれるものが活用されていました。
#こっちの方が簡便

このFIMとBIの違いは、FIMが「している日常生活」、BIが「できる日常生活」を評価していることで、簡潔に言えば、BIはできる「だろう」とセラピストが予測・判断することで評価するのに対し、FIMは実際に行なっているかどうかで評価する、より生活に近い評価となっています。

例えば、リハビリ室では階段訓練用の段差は登れるけども、家の階段は狭く段差が高いため登れない場合などもあります。その際にFIMとBIで評価が違ってくるというイメージです。

と言っても、僕自身、FIMを使った経験はほとんどありません。
#大学の先生 、ごめんなさい

この中身が大事かというより、この制度改正から何が汲み取れるかというと、よりリハビリテーションの質を見るようになる、ということです。

もしかすると将来的には、このFIMが改善されなければ、リハビリテーションの意義がないと判断されて、リハビリテーションを打ち切る、なんてこともあるかもなーと考えています。

そもそもリハビリテーションの意義を科学的に示すことは非常に難しくて、セラピストによって微妙にやり方に違いがありますし、本当にそのリハビリテーションが必要だったかどうかは、そのほとんどが解明されてないです。単発的な研究はあるんですけどね。

もちろんセラピストは必要だと思ってます。

ただ国としては、改善が認められないリハビリテーションに、お金を出しづらくなるのではないか、と予想したりしています。

そして、保険適応期間の厳格化によりいわゆるリハビリ難民、本当はリハビリしたい(した方がいい?)けどできない方々が増えるのではないかと思います。これはセラピストというより患者さんの立場のリスクですね。

-医療費の自己負担増

今回の改定では一部のある程度所得のある高齢者の医療費自己負担額が増加しました。

医療費の自己負担というのはこれまでにも引き上げや引き下げなどを繰り返しています。

健康保険制度では1984年1割、1997年2割、2003年3割と徐々に上がっていっています。

おそらく超高齢化社会が進むにつれて、この負担額は高まっていくものと予想されます。

となると受診控えなどで適正な診察を受けることができず、治療が遅延してしまうことも予想されます。

医療は進歩していても、その恩恵を受けにくくなる、というのは何とも言えないですね。

ただ機会に目を向けてみると、そもそも病気や怪我に悩まされないようにしようという予防意識が高まることも予想されます。

世界に目を向けてみると、医療保険制度が充実していないアメリカなどはフィットネスクラブの利用率が20%くらいあり、予防意識は高いといえるかもしれません。

一方で、医療保険制度のみで予防意識を判断することは難しく、医療費がほぼ無料(地域的な限りはある)のイギリスでは7%ほどで、日本の3%よりは高くなっています。と言ってもアメリカには及ばないですが、教育や環境面にも目を向ける必要はありそうです。

私も予防の研究をやっていたのでさまざまな意見があるのは承知していますが、予防意識が高まるのは概して良いことだと思います。

最近では運動することによって保険料を割引くシステムを導入している保険や動くことでお金がもらえる仮想通貨なんかもあり、色々な面から予防にアプローチしていますよね。

これからこの分野はもっと熱くなってきそうです。

-セラピストの供給過多

「理学療法士が多すぎる」
これはここ10-15年くらいで言われていることですが、私も就職した2012年に言われました。

最近の割合で見ると、現在、年間で大体40万人が就活しています。理学療法士の合格数は年間で1万人くらいです。
つまりは40人に1人は理学療法士です。
クラスに一人は理学療法士、そんな時代がやってきます。
#もちろん合格しても理学療法士にならない人も

よくここで引き合いに出されるのが、歯医者さんですが、歯科医院の数はコンビニをはるかに上回るほど多く、供給過多状態が続いていると言われています。ちなみに鍼灸・整骨院もコンビニの数より多いです。
#コンビニの数は面積でいうところの東京ドーム

そこで歯科医師数を調整する試みが長年行われています。

https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000071236.pdf

まだ理学療法士は需要があるので、すぐに飽和状態、なんてことはないですし、開業権がないので仮に独立しても国の医療費を圧迫なんてことにはなりません。

ですが、今後のことを踏まえるといつかは供給が需要を上回る時代がやってくるでしょうし、それはもう始まっているかもしれません。

この辺りは今後の動向を見守りたいなと思っております。

Economy(経済)

©️Y.Sato_2022

続いて経済です。
こちらはセラピストを含めた「健康」「運動」の要素を含んでいるものになります。

-円安・インフレーション・スタグフレーション

感染症や戦争の影響はもろにこの業界にも影響を与えています。
この過度な円安の流れは、そろそろ終結するとかしないとか。
#未来は誰にもわからない

今週には世銀がスタグフレーションが数年続く可能性を示唆しました。

#世界銀行
#世銀
#と略す

給料上がらず、物価が上がる。
これでは消費は増えませんよね。

そうなると当然のことですが、自分を磨きより良い状態を目指す自己投資よりも、衣食住への支出を優先するのは当然のことです。

給料上がらず、物価が上がる。
経営者には耳の痛い言葉でなんとかしたいところではあります。

一方でこうした課題の中から、何か新しい突破口が見つかることがあります。

スタッフの給与を上げるためにはどうするか。
かつユーザーにも満足してもらえる価格で提供するにはどうするか。

こうして頭を悩ませると、新しい発見がありそうです。

もう少々お待ちください。
やったります。

-健康に対する支出の減少

平成27年(2015年)の経産省からは、今後、健康にビジネスとして伸びる分野に「運動 ーヨガ・ピラティス・ストレッチ」というものがありました。

そして確かに2010年以降、スポーツクラブに対する支出は増え続けています。

しかし、2019年から2020年に起きたCOVID-19による経済活動の停滞は、もちろん、健康・フィットネス領域にも影響しました。

市場規模的には2014年前後に戻ったイメージですね。
そして2020年と2021年はほぼ変わらない、という現状です。

個人的には2022年には少し回復するのではないか、という見込みもありますが、こればかりはなんとも言えません。
#いつかは乗りたい_タイムマシーン

ちなみに2016年時点でスポーツクラブへの支出が最も高い市町村は神奈川県横浜市のようです。
人口比率の問題もあると思いますが、東京都区部は7位でした。
#健康意識

一方で面白いことに、感染症拡大前に比べて健康に対する意識が高まった人は半数近く(45.1%)にのぼっています。

#明治安田生命
#健康に関するアンケート
#2020

ここでも、スポーツクラブに関連する支出の低下は取り上げられていますが、一方で健康アプリなどへの支出が高まっていると記されています。

つまり、次の社会にもつながるところですが、人や環境との関わりの中で健康を維持していく意識から、個人個人が自身に合った健康法を取り入れていく、という方向にシフトしている様相です。
#集から個へ

これは決して悪いことではありません。
最終的に自身が輝くために必要なのは自身の力であることは間違いないので。

一つ注意したいのは、今のカラダづくりが自身のカラダに合っているかどうか、です。
最近、OneSelFで増えているのが、
「在宅ワークばかりなので、自身でYoutubeを見てトレーニングを始めて2年くらい経った。最初のうちは効果があったが、ここ最近は効果が感じられない。そして、今はトレーニングをしていると腰が痛くなる。正しいトレーニング方法が知りたい。」
というご要望です。

この自分でトレーニングをする機会が増えたのはめちゃめちゃ良いことですよね。
そして、どうせやるなら、ちゃんとやれればもっと良いです。

OneSelFでは、トレーニングを「受ける」から「身につける」へ、というコンセプトを掲げ、ご自身に合ったトレーニングを的確に遂行できるようにサポートしています。
#ちゃっかり宣伝

これは意図せず、時代に即してきたなと感じています。
トレーニングや運動は生活を良くするものであり、トレーニングをすることにより不幸になる人は出てほしくないですよね。

家トレ×ジムトレ
今後も一つポイントになりそうです。

ただ「健康に対する意識が高まった」ということは、単純に良いと言えることだと思います。

そして、昨年2021年の調査では、その健康意識が最も高いのは「60代以上の女性」、巣篭もりで最もストレスが高まっているのは「女性 特にお母さん」である、ということも見えてきています。

#お母さんには元気でいてほしい

健康とストレスには関連がありそうですね。
そして、ここに対しても僕達ができることはありそうです。

おわりに

今日はPESTのPとEに関して分析してみました。

現在のセラピストを取り巻く、政治と経済。
何か今後のヒントが隠されていそうですね。

これを読んでいただいている方の閃きに少しでもお役に立てていれば幸いです。

次回はSとTに関して分析してみたいと思います。

#略語ばかりでよくわからん

次回もどうぞよろしくお願いいたします。

OneSelF佐藤でした。


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