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8月のアートプログラムの反省(後編)

これの続き、後編です。。。
今回も猛省します。。。



子どもクラス「かげ絵で『どきん』」(75分×2週)
1.概要
谷川俊太郎の詩「どきん」を読んで、そこに表現されているものを想像しながら、自分でお話の続きを考えて、それをかげ絵の人形劇を制作する。最後は作ったかげ絵をみんなで発表し合う。

<材料>(1人分)
〇詩
・谷川俊太郎「どきん」をプリントアウトしたもの

〇シアター
・厚めのトレーシングペーパー(A3)
・トレーシングペーパーの大きさに合わせてくり抜いた段ボール
・段ボールを組み立てるテープ
・シアターを装飾する色紙や絵の具など
・懐中電灯やランタン

〇影絵のキャラクターや背景
・黒画用紙
・色セロファン
・ストロー
・テープやのり

◎大まかな流れ
①「どきん」を読んでみよう
お話のなかに出てきているものは、なにかな?
「だれかがふりむいた!」あと、どうなったかな?お話の続きを考えてみよう。

②登場人物をつくろう
1)黒い画用紙で登場人物や背景を切り抜く。
はさみで穴を開けたところに、色セロファンを貼っても楽しい!

2)切り抜いたなかで、動かしたいものには、テープで割り箸に貼りつける。
背景など動かさないものは、自立させたり、テープで机に貼りつけたりする。

③シアターをつくろう
1)段ボールがくり抜いてあるところにトレーシングペーパーを貼る。


2)テープを使って、シアターの形になるように段ボールを組み立てる。はさみでシアターの形を工夫してみても楽しい!

3)色紙や絵の具を使って、シアターの周りを装飾する。

④登場人物を動かしてみよう
自分のつくったお話に合わせて、シアターのなかで登場人物を動かしてみよう。

⑤みんなで発表し合おう
自分のつくった影絵を動かして、みんなでお話を発表し合おう。



2.反省

わたしとしては、これがまぁ大コケしました。。。
ううう、結構丁寧に企画書も作ったのに…。こういうのって本当に机上の空論じゃ意味がなく、実際にやってみないと分からない。

・当初、段ボールでシアターをつくる予定だったが、厚紙で代用したため、シアターが自立せず、手で持っていないといけなくなった。
→影絵でどのように映るのか確認しながら制作する際に、不便。ただ、同じクラスの友だち同士で、順番こにシアターを持ってあげる様子も見られて、コミュニケーションのきっかけにはなっていた気がする。

・題材とした「お話」が子どもたちにハマらなかった。※もちろん、決して谷川俊太郎の詩が悪い訳ではない!!(笑)
→国語の授業のような「学校感」が出てしまい、少し堅苦しかったのかも。
学校の国語の授業のように、何週かにわたって、しっかり詩を読み込めたら面白い試みになるのかも?それから、大人向けのプログラムの場合、「今から自由に影絵を使った物語を作ってみてください!」といっても戸惑ってしまうので、予めこういった詩が提示されていることがいつの「取っ掛かり」になるかもしれない。けれど子どもの場合、わたしたちの想像以上に想像/創造力が豊かで、湧き上がった色んなイメージをすぐに形にしてしまう子も多いので、かえってその「取っ掛かり」が「障害物」になってしまうこともある。

・「最後に自分で作った影絵の物語をみんなで発表し合う」と言った途端にやる気を失くしてしまった。
→これも、どうしても「学校感」が出すぎてしまったかも。そもそも、アート教室に来る子は、そういった「みんなの前で発表する」といったことが苦手な子が多い気がする。

・参考作品を提示できなかったため、子どもたちにとって作るもののイメージがしづらくなってしまった。制作手順など口頭での説明になってしまい、子どもたちから「分からない!」「やだなぁ…」「できないよ!」という声が。。。
→少しわたしの心が折れた…笑
そこから、みんなのモチベーションを高めるところまで持って行くのがしんどい。ただ、「できない」ってすぐ口にする子は、何か自分のなかに劣等感や不安を抱えている場合がある。「子どもの駄々」と捉えるのではなく、こういったサインを見つけて、丁寧にサポートしていく必要があると思う。


反省点を活かして別のクラスでは、

①まず、「今日はこんなの作るよ~」と参考作品を提示する。(子どもたちから「わあ!面白そう!」といった声)
→参考作品といっても、とても簡単なもので、黒画用紙を切り取って影絵がどんなものなのか一発でイメージしてもらえるようにした。

②「今日は影絵を使ったお話を考えてみよう!」と提案する。(子どもたちから「やりたい!」といった声)
→詩の提示や最後の発表を提示しないようにした。

そしたら、75分間
跳んだり跳ねたりの大盛り上がり……笑

わざわざ「みんなで発表し合う」時間を設けなくても、子どもたち同士で自然と自分の考えたお話を披露し合ったり、コラボレーションして新しいお話を作り出したりしていた。こちらが作りすぎてしまうのも良くないのかもしれない。

同じ題材でも、「出し方」によって子どもたちの目の色がこんなにも変わってくるのかと、改めてびっくり。。


全体を通して、参考作品の重要性を思い知らされました。ここまでコケるのであれば、自腹でもいいから材料を購入して予め試作をすればよかった…。。。

それと、絵本や詩に頼り過ぎていた。はじめにプログラムに関連しそうなお話をただ朗読するだけでは、子どもたちの「やりたい」を引き出すことはできない。提示の仕方やタイミングをしっかりデザインしてシミュレーションする必要があると実感した。

サポートしてくださったら、世界が少しだけ良い感じになるかもしれません。でも今すぐっていうのは難しいです。とりあえず、わたしが元気になります。