2021年11月の読書記録

 日に日に寒くなってきて、椎名林檎の誕生日を今年も無事お祝いできたなと思ったら今日はもう11月最後の日曜日である。先月に続いて今月読んだ本をまとめておこう。

①古川日出男『平家物語 犬王の巻』                                    来年この本を原作に、監督・湯浅政明×脚本・野木亜紀子とかいう私が1度でいいからみたいと思っていたタッグが手掛けた映画が公開される。これは原作を読まねばならぬと手に取った。猿楽の家に生まれた異形の子・犬王と、盲目の琵琶法師・友魚(ともな)の話。最後のシーンは読んでいて震えた。映画が今から楽しみである。

②小野寺史宜『とにもかくにもごはん』                            「こども食堂」の話。どことなく雰囲気が成田名璃子先生の『東京すみっこごはん』シリーズに似ている。暖かくて雰囲気が美味しいのだ。

③魚豊『チ。ー地球の運動についてー 第5集』                                今年一番ハマった漫画と言っても過言ではない。読みながら「バデーニが仕掛けた予防策ってこれのことか…?」などとドキドキさせられる。年末に最新刊が出るらしいので今のところそれを落ち着いて読めるように卒論鋭意執筆中。

④凪良ゆう『流浪の月』                                         読んでる間中ずっと苦しかった。でもページを捲る手を止められなくて余計苦しかった。「彼が本当に悪だったのかどうかは、彼と彼女にしかわからない」という一文は現代に必要な一文だと勝手に思っている。

⑤凪良ゆう『滅びの前のシャングリラ』                                2冊続けて同じ、しかも初めましての作者の本、を読むのは珍しいなと。普段ならまず1冊読んで感触を確かめてからもう1冊読むか考えるのだ。      結構ぐっさりきたのは、架空の出来事なはずなのに現実とリンクするような気がするからだろうか。

⑥松本千秋『38歳バツイチ独身女がマッチングアプリをやってみたヤバい結果日記』                                              前作をドラマを観て購入していたので続編が出ると知ってから即購入決定。今回も最高にぶっ飛んでて好き。「先生」、面白すぎる。

⑦はらだ有紗『ダメじゃないんじゃないんじゃない』                        たまたまTwitterで流れてきて興味がわいたので購入。購入までの吟味1秒。荻上チキさんとヨシタケシンスケさんの『みらいめがね』に続きいいタイミングで読んだなと思っている。「ダメじゃないんじゃない?」のマインド、この世の中を渡り歩くのにすごく大事。

⑧熊谷晋一郎『リハビリの夜』                                    たまあに「帯」で買っちゃう。良いのか悪いかは別問題、そういう冒険はダメじゃないんじゃない?                                         医学書って一生縁のないジャンルだと思っていたけれど、これは思ったより読むのに苦戦しなかった。2回目は色々調べながら読んでみたい。 

⑨ブレイディみかこ『ワイルドサイドをほっつき歩け ハマータウンのおっさんたち』                                           『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』を読んだならこれも読むべき。英国の国民事情が、2年くらいの時差はあれど感じられる気がする。読み物として普通に面白かった。

⑩森絵都『カラフル』                                       アマゾンプライムビデオで映画化されるって話を聞いたので、まあとりあえず読んどくか、位の気持ちで手に取る。ナタリーの記事で映画のあらすじ読んで普通に後悔した。タイトルから何からほとんど違うじゃない。これは「ダメじゃないんじゃない」とは言えない。原作読んだ方が映画観ませんようにとさえ思ってしまった。                                    とかいうネガキャンはおいといて、タイトルが上手い。これ以外のタイトルはありえないな。

⑪塩田武士『デルタの羊』                                     アニメ版「SHIROBAKO」を観てからだいぶ時間が経っているのだけれど、あれを観終わってからこれを読めて結果的にはよかったと思う。塩田先生の書く小説は毎度違うドキドキを味わえてくせになる。

⑫万城目学『ヒトコブラクダ層ぜっと 上・下巻』                          ずっと気になっていてようやく読めた。こんな壮大で、ロマンのあるフィクション、『ハリーポッター』シリーズぶりだ。最高。

⑬山田鐘人・アベツカサ『葬送のフリーレン 6巻』                          ラジオか何かで面白いと聞き、試しに買って本当に良かったぜ…な漫画の6巻。これは提案なのだが、フリーレンが勇者ヒンメルたちと旅をしていた頃の話をちゃんと読みたいのでぜひ描いていただきたい。

⑭村上春樹『女のいない男たち』                             中学生ぶりに彼の本を読んだ気がする。気が向いたし「ドライブ・マイ・カー」が映画化されたので。                                      正直難しい。だけど、読み終えたとき前書きに書かれていたことが何となくわかったような気がする。

⑮畠中恵・川津幸子『しゃばけごはん』                               私が小4で母に貸してもらって以来12年愛してやまない『しゃばけ』シリーズの20周年記念で料理本がついに!!!あの卵焼きや、やなりいなり、茶巾たまごの作り方が載っているまさに「美味しい」一冊。若だんなや妖たちはいつもこういうのを食べているのか…と美味しそうな写真に思わず涎が。

⑯畠中恵『またあおう』                                     『しゃばけ』シリーズ七年ぶりの外伝!いつもは年に1回しか長崎屋のみんなに会えないのでけれど今年は2回会えるという贅沢仕様。20周年おめでとうございます。                                      いつか長崎屋の離れでの宴に参加したいなと読み終えるたびにそう思う。それが叶ったあかつきには、たくさんの金平糖やら大福やらをお土産にしよう。

今月読んだのは以上。来月は『王様ランキング』『チ。ー地球の運動についてー』の新刊や『あさきゆめみし』の新装版といった感じでマンガが豊作の予感。読みたい本もいくつかあるのだが、卒論と相談。年末には解放されているはず…。               

知識をつけたり心を豊かにするために使います。家族に美味しいもの買って帰省するためにも使います。