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「観察の練習」を読んで

本の詳細


観察の練習

菅俊一 著
NUMSBOOKS

2018.5.26読了

本を手に取った経緯

観察スケッチを始めてから一ヶ月ちょっとが経過した。
スケッチ量は40枚を超えて、ものに対する観察眼が少しは磨かれていると信じたい。
しかしながら、悪く言えば観察内容がマンネリ化しがちなのも事実である。
そこで、「観察」ということに対して、新たな着眼点を模索する目的でこの本を購入した。

感想

本を手に取った時にまず感じたのは、意外に小さいことと、「観察の練習」というタイトルがかっこいいということだった。この本はアマゾンで注文したが、商品ページではタイトルが少し読みづらかった。

しかしながら実際には、タイトルの周りだけ表面の質感が異なっていて読みやすかった。


また帯も蛍光色で、背景色のグレーとマッチしていていいと思った。

この本は、日常にありふれた56項目の景色を、8つの観点から観察していく構成になっている。
菅俊一さん自身がどのような視点で観察の練習を行なっているかを見ることができる。
どの項目も、「言われてみればそうだよな」と思うことが書かれていた。
観察スケッチで観察の練習はしているが、日常生活においては特に何もきにすることなく思考停止で生きてきたので、そんなことを四六時中考えながら生きている人もいるのかと驚いた。
人々がどういった世界の中で生きているのかをより深く理解することはデザインにとって重要なんだろうなと、なんとなく思った。

全編を通して読みやすい平易な文体で書かれていて、本文の文字サイズも大きめであるためサクサク読める。また本文は、取り扱っている項目ごとに色々な工夫が施されていて面白かった。
観察していくことへの入り口としては、とても入りやすい本になっているなーと感じた。

もっとも記憶に残った内容は、某ファーストフード店のハンバーガーの包み紙についての観察である。包み方によって上部に現れるメニュー名が異なる用に作られていて、1種類の紙で3種類のハンバーガーを包むことができる。自分も食べたことはなんどもあるが、そんなことは気づきもできなかった。

日常生活から観察の練習をしていくことの大切さを学んだ一冊だった。
頑張って観察していくよう心がけたい。

お金は本やクロッキー帳、ペンのインクに使いますので、面白いと感じたら支援していただけると嬉しいです。