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いざ大塚へ

大塚へ

映画「演者」の上映日の前に映画祭の雰囲気と会場を見ておきたいと昨日書いたのだけれど、思ったが最後、次の日の映画祭初日に足を運ぶという。
まったく自分でもなんというかなんというか。

大塚と言えば自分の中ではホープ軒なのだけれど、現在、コロナ禍で営業していない。まぁ、店の形態を思えば歩道に乗り出すような店だし難しいのかもしれない。だから久々に北大塚ラーメンに行ったのだけれど、相変わらずの常識を外れたチャーシューの量に一人ニヤケてしまった。
食べねば上映中に盛大に腹が鳴る。

大塚は池袋に住んでいた頃に何度も何度も足を運んだ町。
今はもう大塚の小劇場と言えば萬劇場なのだけれど、あの頃の僕にとっては大塚と言えばは大塚ジェルスホールだった。閉館しちゃったんだよなぁって大塚に行くたびに思う。
萬劇場でも公演をしたから、大塚と言えば僕にとっては北口。

シネマハウス大塚へ

初めて行く映画館。地図を見てあの辺ねとわかったつもりがなんと一回見逃して前の道を通り過ぎてしまった。
北口を出てロータリーの向こうまで行くと、有名なおにぎりやさんの「ぼんご」が見えてくる。その辺のにぎやかな道を進むとすぐにセブンイレブンがあるからそこを左にひたすら進む。
道の途中で左側にさっき書いた小劇場の萬劇場がある。そのまま通り過ぎるとすぐに左側に学校の校門が出てきて、その向かい側にある自動販売機のあるビルの一階にある。入口が少し奥まっているからつい見逃して直進してしまった。

ポスターが並ぶロビー

上映作品のポスターがびっしりと貼ってあった。
海外映画祭用に急遽作成したポスターが映画祭のポスターの隣にあった。
セルビア会場で配布された冊子が無料配布されていてその立派さに驚いた。

タイミングの良い時に中に入って着席する。
ちょうど舞台挨拶が始まったタイミングだった。
ああ、なるほど、こういう感じかというのがわかる。
何度も舞台に立ってきた経験は実はこういう時にすっと舞台側の景色に切り替えられる。
マイクの感じとかさ。目線の高さとかさ。MCの方も知ることが出来た。

そのまま初日の最後の作品を鑑賞。
スクリーンの感じ、音響のバランス、自分なりにチェックする。
映画祭だし調整したり注文したりはしないけれどチェックはする。
観た作品がパノラマサイズの映像だったから、そこまでのチェックは出来なかったけれど、スクリーンは思ったよりもずっと大きく感じた。

もちろん運営の方にも挨拶が出来た。

セルビアの方がいた

客席にセルビアの方がいた。
舞台挨拶でセルビアのことを客席から話したりする場面があった。
僕はセルビアの文化をあまり知らない。当たり前のことだけれど。
旧ユーゴスラビアの内戦のことや、コソボ問題はもちろん知っている。
でも生活レベルの文化というものはほとんど知らないままだ。
そしてそれはきっとセルビアに住むセルビアの皆様もそうだろう。

セルビアでの上映がどんな感じだったのかなと再び思った。
そしてその会場にいる日本人はこんな感じだったのかもなと思った。
映画は簡単に国境を越えていくのだと改めて思った。

何も知らない同士でも。
映画や音楽やスポーツは共通の何かを見つけることが出来る。
今、世界で起きている拒絶の反対側に位置している許容だ。
文化とはそれ自体がすでにメッセージだ。

映画祭は続く

明日からも映画祭は続く。
思ったよりも疲れていて、すいている電車でうつらうつらした。
夢の中で僕はベオグラードにいたような気がした。

よき映画祭となりますように。
ほんの少しだけでも力になれますように。
そう思いながら猫の目のような月を見た。


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