をのき

30代既婚 極貧時代の出来事や戯言をつらつらと

をのき

30代既婚 極貧時代の出来事や戯言をつらつらと

最近の記事

猫を轢き殺した話

今から10年以上前にまぁまぁブラックな会社で働いていた。 朝8時に出勤して17時に仕事を一旦区切り、18時に配達に行き22時に会社に戻りそこから東京の市場(農業の会社だった)に向かい納品して2時に帰宅する…みたいな毎日を繰り返していた。 その会社ではパートの送迎と言う業務(始業前)があり、朝出勤する途中にパートさんの家を周り迎えに行くのだが、その時の僕は常にいっぱいいっぱいで、少しのことにもイライラしてパートさんからの評判は決して良くなかった。 その日もいつも通り数名のパ

    • Tire Bandit あらすじ

      涙を流す人の元に現れたちまち笑顔に変えていくTire Banditと呼ばれるアル。 彼の目的は世界に散らばる神の力を封じた宝石「Hearts」を破壊すること。 神々の復讐、アルの復讐、人間の復讐。 復讐の連鎖が織り成すダークファンタジー。 第一話 涙泥棒 第二話 リュック 第三話 リュック2

      • Tire Bandit 第三話

        「しかしながら…谷に落ちたと言うのは考えにくいのですよ。まず谷にはきちんと柵を建てております。馬車がすれ違うにも十分な幅も確保されている。なにより、谷底へ落ちたというのなら、何かしら落ちた痕跡が残っていると思うのですが、それらしい物も見つかりません。」 「自殺…とか?」 アルは当てずっぽうに言ってみた。 「用事も荷物も残してか?それこそ有り得ねぇだろう。なぁ村長さんよ、とりあえずその谷ってのに案内しちゃくれねぇか?」 ゴーダは村長へ道案内を願い出た。 「えぇ勿論です。

        • Tear Bandit 第二話

          とある酒場。 ここには様々な職業の人間が集まり、酒を酌み交わし、情報を交換し、はては仕事の依頼が舞い込むなどギルドのような役割を果たしていた。 「トマトジュース1つ」 アルはカウンターに腰掛け、女性店主に注文をした。 「あら、アルくんおかえり。今回はどうだった?」 「おかげさまで、当たりでした。」 「あら、初めてじゃない?」 「えぇ、この酒場に通い始めて3ヶ月…やっとです。」 「そ、じゃぁよかったわね。お祝いしなきゃ、これはあたしからの奢りよ。」 店主はトマ

        猫を轢き殺した話

          Tear Bandit 第一話

          「お父さん、おはよう!お母さんはどこ?」 「おはようアル。お母さんは買い物に出かけているよ。」 ここはフェランシス王国のとある小さな村。 今年で5歳になる少年、ピース·アルバートは父と母と3人で仲良く、慎ましく生活していた。 「そっか、お父さん。山で遊んできてもいい?」 アルは村の外れにある小さな山で動物を観察したり、形のいい綺麗な石を見つけることが大好きだった。 「あぁ。言っておいで。お昼には戻るんだよ。」 父は快くアルを送り出した。 「わかった!行ってきます

          Tear Bandit 第一話

          『妖使〜あやかし〜』あらすじ

          古の時代より人は妖怪に襲われ拐かされ騙されるなどの被害に遭ってきた。 そんな中現れたのが妖怪を身体に飼い使役する一族「妖使(あやかし)」。 妖使は妖怪の力を操り妖怪から人を救ってきた。 そしてそれは令和の時代になっても同じ事だった。 妖使の米國御魂(よねくにみたま)は沢山の妖怪の気配が感じられるI県御身魂市(おみたまし)にやって来た。 御身魂市で繰り広げられる妖怪異能バトルファンタジー。 第一話 妖使 米國御魂 第二話 虎狼狸 第三話 もう一人の妖使

          『妖使〜あやかし〜』あらすじ

          『妖使〜あやかし〜』第三話

          「へっ平和島君も!?妖使?なの??どういう事??いつから??」 私は自体を飲み込めなかった。 タマちゃんが転校してくる前、少なくても同じクラスになって数ヶ月、平和島君にそんな素振りは1つも見えなかった。 「っていうか…タマちゃん以外にもいるんだ…妖怪と友達になれる人…」 「俺が特別って訳でもないからね。少なくとも日本に100人くらいはいるんじゃない?大体は家系によるモンだけど…」 「残念ながら僕はその家系じゃないけどね。たまたま僕だけが家族で唯一妖怪が見えたってだけ!」

          『妖使〜あやかし〜』第三話

          『妖使〜あやかし〜』第二話

          あの日の翌日、田山くんたちは普通に登校してきた。 タマちゃんががしゃどくろを仲間にした後すぐに田山君たちは目を覚まし、お化けを見た!と私たちにしきりに訴えていた。 余程怖かったらしく、六万坂から逃げるように帰って行った。 あれから3日ほど経ったが、タマちゃんはあの時のことが嘘かのように普通の高校生として学校に通っていた。 私は彼と席が隣なので普通に会話はするけど、妖怪の事とか鬼門の事とか、すごく気になってるけど中々聞けずにいた。 そんな時、タマちゃんが私に言った。

          『妖使〜あやかし〜』第二話

          『妖使〜あやかし〜』第一話

          ここは茨城県御身魂市。 この市には様々な曰くがある。 例えば市役所が建っている前の坂道には「六万坂」の名が付けられ、それはかつてこの坂で大きな合戦が起こり、六万を越える骸が眠っている事に由来している。 他にも河童の手が祀られた神社があったり、その河童の死体が流れ着いた湖があったり、何かと曰くのある場所がここにはあった。 私はこの街に住む高校2年生の若葉那智。私は今、通っている高校へ向かう為に六万坂の道を必死に自転車で渡っていた。 この六万坂、六万の骸が眠っていると言うだけ

          『妖使〜あやかし〜』第一話

          自転車を盗まれる話

          僕が通っていた高校は、お世辞にも治安が良いとは言えない学校だった。 まず僕は入学初日に靴を盗まれた。 入学祝いで買ってもらった新品をその日に盗まれた。 2ヶ月くらいすると今度は自転車を盗まれた。 1週間後に駐輪場に自分の自転車が停められていたので、鍵を壊して乗って帰るという、自分の自転車を盗み返すという謎の現象が起きるくらいには治安が悪かった。 というか自転車通学で自転車盗まれてないやつを見つけるのが困難なくらい自転車を盗まれることが当たり前だった。 駐輪場には自転車

          自転車を盗まれる話

          普通であることにこだわる僕5

          これまでの記事を読めば僕の家がまぁまぁ貧乏だと言うことは察することができたと思う。 さすがにテレビとかに出るレベルの貧乏では無いにせよ、家に帰ったら水道、電気、ガスのどれかが止まってることなんて普通だったし、近所の人からもらったじゃがいもだけで食べ繋いだ日もあった。 貧乏でも子供は育つ。 育つということは、体が大きくなるという事だ。 体が大きくなるってことは、服のサイズが合わなくなってくる。 新しいズボンを買って欲しい、と母親に頼んだら母親はタンスから色落ちしたジー

          普通であることにこだわる僕5

          おしりの穴から血が出た話

          10年くらい前、仕事中猛烈な腹痛に襲われた。 我慢できずにトイレに行った。 汚い話で申し訳ないが肛門にどうも硬い💩が詰まってる感じだった。 詰まってるといっても、ほんの少しふんばれば出てくる程度。 その硬い💩が穴からひねり出された次の瞬間 ブリュッ!!!!ビチビチビチビチィィ!!!と、とてつもない量の液状のものが出てきた。 「なんか変なもん食べたかな……」 なんて思いつつも、この頃の僕は酒に飲まれ、飲んで、飲んで、飲まれて、飲んで……と過度な飲酒を繰り返し〆に油ギト

          おしりの穴から血が出た話

          詐欺師に「人間として終わってる」と言われた話

          あれは僕がまだ結婚する前、25歳くらいの頃だろうか。 当時同棲していた彼女と別れ、新居に引越し仕事に遊びに追われていた時期だ。 その日仕事が終わった僕は家に帰り、洗濯機を回して、ご飯を炊いていた。 滅多にならないスマホに着信が入った。 知らない番号だ。 普通の人は知らない番号からの電話は取らないのかもしれないが、当時というか若い頃の僕は女の子と遊んでは関係を絶ち、知り合っては別れ、を繰り返していたので「もしかしたら女の子かも」というゲスも甚だしい思考回路で電話に出た

          詐欺師に「人間として終わってる」と言われた話

          奥さんになりきって書いた日記13

          付き合うか付き合わないか、今ガチ恋始めますみたいな場面で蕎麦買ってきたこの男。 あ、死ねばいいのに。 普通にそう思った。 車に乗り込んで、男は車を発進させた。 おい。 おい!!! 普通に運転してんじゃねぇよ! 告白しろよ!して来いよ!!! てめぇなに普通に帰ろうとしてんだよこのゴミカス!!!!ぶっ殺すぞ!!! 私の怒りのボルテージは最大だ。 つるぎのまいを3回くらい積んだ。 なんて事を考えてるうちに家に着いてしまった。 彼が車を停めた。 このまま車をおりて

          奥さんになりきって書いた日記13

          奥さんになりきって書いた日記12

          最悪だ。 もう戻れない。 ホテルに来てしまった。 田舎だからなのか、ものすごく古びたラブホテル。 口八丁に流されて、ここまで来てしまった。 シャワーを浴びようにも、ホテルの設備がイカれ過ぎててぬるま湯しか出てこない。 私の記憶はここで終わってる。 書くのが恥ずかしいとか、そういうのじゃなくて、とにかく早く終わって欲しい。 早く家に帰って寝たい。 それしか考えてなかった。 家に帰って、朝目が覚めて、そしたらこの男はどんな顔で私に会うんだろう。 この夜が明けて

          奥さんになりきって書いた日記12

          奥さんになりきって書いた日記11

          「ホテル行かない?」 真っ直ぐ、少年のような瞳で私を見つめて彼は言った。 この男、付き合ってもないのに私のことをラブホテルに連れ込むつもりだ。 幻滅した。 最低だ、この男。 本当に最低だ。 「絶対に行かない」 私はハッキリ断った。 この男はなんて言うんだろう。 そう思ったのもつかの間。 「え?なんで??」 鳩が豆鉄砲食らったような顔をしてた。 なんで行くと思ったのか。 私がそんなに軽い女に見えたの? 悲しくなってきた。 なんでこんな男のために悩ん

          奥さんになりきって書いた日記11