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ゴジラ-1.0

映画『ゴジラー1.0』を観てきた。まだ1回だけであるがちょっとだけ感想を書きたいと思う。ネタバレはしないように努力はするが、ちょっとした一言がネタバレになってしまう可能性も否めないので、これから観る、ネタバレは読みたくないと云う方はここで引き返してください。ちょっとスクロールしたら読んじゃったーなんてことがないように、ゴジラとは関係ない画像を幾つか貼っておきますのでよろしくお願い致します。

しらすのピザ
生ハム
和牛ステーキ
軟骨唐揚げ
ゴジラー1.0

ゴジラ-1.0』はゴジラマイナスワンと読む。難しい。マイナスイッテンゼロとかマイナスイッテンレイではない。大変に難しい。タイトルの読み方で引っ掛かって観るのを躊躇したくらいだ。『-1』ならともかく『-1.0』である。難しい。

ゴジラ70周年記念映画。ゴジラシリーズとしては37作目(日本制作の作品としては30作目)。やはり最初の『ゴジラ』こそが災害災厄として満点の存在である。2作目『ゴジラの逆襲』でのアンギラスとの戦闘シーンの凄まじさ、カラー作品となった『キングコング対ゴジラ』での氷山からのゴジラ登場の素晴らしさとコミカルな登場人物の面白さ、ちょっと飛んで『ゴジラ対ヘドラ』の時代性の反映など、ゴジラシリーズのことを話せばキリがない。僕は全ての怪獣の名前を覚えている。特徴や能力や弱点なども全部判る。ウルトラシリーズに比べると思い入れはやや少ないのだが、それでもゴジラ愛は人一倍あると思う。

9月にゴジラのことをnoteに書いたのだけれど、その時は実は『ゴジラー1.0』がこんなにもすぐに封切りになるとは知らなかった。なのでちょっとビックリしつつ最新のゴジラを観に行ったのであった。

さて、面白かったかどうか。最初にもうそれを書く。面白かった。きっとまだ何回も観るであろう。どこがどう面白かったかはネタバレになるので伏せるが、映像がとてもキレイ。海、空、大地。特に海はとてもキレイだ。優しさも恐ろしさ大らかさも残酷さも兼ね備える海。海と船。海とゴジラ。ああこれ以上はネタバレになるか。

どうしても気になったことを書く。ネタバレかも知れないけれど書く。この映画ではゴジラが既知の存在であって、それが更に巨大化し放射熱線を吐くようになったことについて、あまり多く語られることがない。『シン・ゴジラ』で有識者が束になってゴジラの正体を解明してゆくようなことはないのだ。なぜゴジラが日本にやって来るのか。東京を目指すのか。それも語られることはない(それは『シン〜』でも同じだけど)。戦後の日本、焼け野原から復興しつつある東京、そこにゴジラが来襲する意味。横須賀だって横浜だってターゲットになり得る。でも東京に来るのだ。

『ゴジラ』と三島由紀夫作「英霊の聲」を対比させて論じた赤坂憲雄先生(民俗学者)の文章を読んだことがある。先の戦争と天皇制は切り離しては考えられない。日本から遠く離れた戦地で無念の死を遂げた英霊達がゴジラとなって東京に帰って来たのだと云う内容である。東京に上陸して破壊の限りを尽くしたゴジラが、皇居にだけは手を出せずに、突然に海に戻る。「英霊の聲」では降霊された霊が自分の命を捧げたこの国のことを話した最後に「などてすめろぎは人となりたまいし」と云って去る。彼らが崇めた神はいなくなり、自分たちが神となってしまった。だからゴジラも海に帰ったのだ、と。ゴジラのことを考えた時にこんなにも腑に落ちる意見はないと思う。最初の『ゴジラ』公開されたのが1954年(昭和29年)。まだ戦争の色が濃く残っていた日本で、多くの人が『ゴジラ』を観て何を思ったのか。僕の両親のように戦争を経験した者も他界して少なくなり、生々しい戦争の色や匂いは失われつつある。でも戦争は絶えたのではない。もっと巨大な災厄として当然我々の眼前に現れないとも限らない。今でも世界では神を巡っての争いが絶えない。神とは。信仰とは。僕の中の問いはゴジラと共にずっとある。もう全然まとまらないのでこの位でやめておく。

知床のゴジラ岩2023

2023年10月31日、クレイジーケンバンドで北海道斜里郡斜里町の斜里町公民館ゆめホール知床にて公演が行われた。僕は延泊して知床のゴジラ岩に2年連続で会って来た。ずっと昔から、ゴジラが世に出る前から、このゴジラ岩はここに立っている。ゴジラも、このゴジラ岩も、姿勢が大変に良い。堂々としている。ゴジラが怪獣の王である要因の一つはこの姿勢の良さなのではないかと思う。ハリウッドのゴジラは恐竜っぽい前傾姿勢で(何度か観ただけなのでうろ覚えです)あまり王者の風格がない。やはりゴジラは日本のヤツが一番だと思う。

知床のゴジラ岩2023

また来年も会えたら良いな。ずっとその堂々たる姿勢でいてください。ずっと王者の威厳を示し続けてください。でもゴジラ岩、ちょっとカワイイ。

僕とゴジラ

最後にもう一つ。『ゴジラー1.0』に出演している役者さん達がみんな昭和の顔をしているので驚いた。セットよりも何よりも人が見事に昭和である。素晴らしいと思った。佐々木蔵之介さんと安藤サクラさんもヒジョーに昭和だった。『ゴジラー1.0』近々また観る。12月になったら『エクソシスト』も観る。怖そうねー。予告編だけでも怖い。でも観る。

末永くがんばりますのでご支援よろしくお願い致します♫