友だちの数が脳の大きさを作るってそんなことあるんですか?『Friends なぜ私たちは友だちをつくるのか』著ロビン・ダンパー


脳の大きさが友人の数をきめるのか、友人が脳の大きさを作るのかという問題を考えたことはないだろう。

脳をスキャンできるようになって約30年ほどしかたっておらず、まだまだ未知な領域が脳であるが、おもしろい実験では友人によって脳に変化がもたらされていることが数多くの研究からわかったのだ。

これまではIQが大切だった。と言われてきた学生、大人たちにとっては悲しいお話をしっているのではないだろうか?IQが高くても社会では通用しないということがなぜなのか、最近ではIQではなく、EQ(感情をうまく扱う能力)も長けていなくてはいけないことが科学的根拠をもとにわかった。

ここは社会にでて痛感している方もおおいだろう。

しかし本書ではお互いを「友だち」と理解している関係と何人とかかわっているかで脳の大きさに違いがあるという部分的ではあるが、相関関係がみつかっているのだ。

昔のドラマやアニメでも不良、ヤンキーは仲間が多く、人情がある。天才は眼鏡で見下してしまう。この違いも仲間、友達、家族との仲などあらゆることがつながっていることがわかる。

なによりも恐ろしいのが、大人になってから、友だちが大切だから、ヒトとのつながりが大切だから、と大人になってから気づいたとしても簡単には脳の変化はみられないことだった。頑張って友だち作りをしたとしてもそれは些細なもので脳の変化には20年間かかるとみられていることも押さえておかなければいけない。

「もう遅いじゃん」と思ってしまうひともいるかもしれないが、現代社会においてコミュニケーションにも貧富の差がどんどんでてきているという話しもある。それはお互いを信頼できなくなってしまった情報社会とヒトとのつながりを必要だと感じないことからもみられているだろう。

この「もう遅いじゃん」と思ってしまったということは他にもそう思ってしまっている方が多いということ。つまり、今から行動すれば友だちは作れるし、徐々に脳も更新されていくというのである。

EQが高いかどうか、IQが高いかどうか、これ自体も考えたくないが、サルも人も友好関係、家族関係からも影響があることに驚きを隠せなくなる。人生について考えたくなる1冊だ。


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