言葉から読み取るもの
今、江國香織さんの『とるにたらないものもの』というエッセイ集を読んでいる。
ひとつひとつは見開きページと片ページで構成された、ごく短いものだけど
内容にいちいち共感したり、そんな経験がある江國さんを羨ましく思ったり、
自分にあった似たような過去を掘り起こしたりしているので、
読み進めるこころは忙しい。
途中まで読んだ中で、「ケーキ」というタイトルのものがあった。
冒頭の言葉が好きだ。
ケーキ、という言葉には、実物のケーキ以上の何かがある。
わたしはその何かが好きだ。
そうなんだよ。
「ケ」と音引きと「キ」で構成されたこの言葉は、たしかに魔法の言葉とも言える。
「ケーキ食べようよ」なんて、絶対良い誘いでしかない。
「食べる!」と即答案件だ。
ケーキをすくうフォークはやや華奢なほうがいいし、
トトロっていうあだ名を持っていたほどの大きな口に似合わないくらい、
小さくちいさくすくったミニマムなケーキをできるだけ長く頬張っていきたい。
パフェもなかなかいい。
クレープもいいかなと思ったけど、口でそのまま食べるカジュアルさがちょっと惜しい。
ケーキというスペシャルな響きは、やっぱりパフェくらいじゃないと太刀打ちできなそう。
最後の締めくくりも好きだ。
何が好きですか、と聞かれて、迷わず、ケーキと答えるような単純さで、
わたし生きたい
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