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はじまりの赤いハーブティー、終わりの薬膳スイーツ|理想を叶える自分おやつ#3

昔から薬膳とか漢方に憧れがありました。食材を綺麗に並べる心遣いや、花のように形づくる遊び心。料理本を読むのも好きで異国の麗しい食べものに心惹かれていきました。そんな見ているだけで華やかな気持ちになる食べものを、いつか私も作ってみたいと思っていました。

いろんな本を眺めていて、温かい白玉のスイーツが気になりました。赤いハーブティーに白玉を浮かべ、中央に黄色い果物を盛ると花っぽく見えるかなと思ったのです。

白玉をこねてひとつひとつ丸めていると、あっという間でした。手間のかかるおやつを作りたいときというのは無心になりたいときなのかもしれません。

白玉は黒ゴマあんを包むというサプライズつきです。詳しい作り方は、こちらを参考に↓


白玉を茹でながら赤いハーブティーを煮出して少し砂糖を加えました。ハイビスカスがけっこう酸っぱいので甘みを足したほうが白玉と食べるときは合うような気がします。


作り方

1.白玉を茹でる
2.小鍋に水と赤いハーブティーを入れ煮出す
  好みで砂糖を加える
3.白い皿に刻んだ黄色い果物を真ん中に置き、白玉をまわりに並べる
4.赤いハーブティーをゆっくり注ぐ

白玉をハーブティーで煮るとやわらかくなります。これはこれで食感が変わって美味しい。

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はじまりは赤いハーブティーでした。

働くきっかけとなったハーブティー。当時の私は『お茶』に、はまっていました。お茶の時間が好きで、そういうテーマの本ばかり読んでいました。

栄養と運動に関われる仕事を探していて運動施設を見つけました。HPに載っていたハーブティーが気になったのです。募集はしていなかったけど、働きたいと電話して履歴書を持って面接へ。短時間の勤務からのスタートでした。

働き出してすぐ、ブレンドを教えてもらうことができました。職場では生薬を煮出して提供していたのです。計量したり煮出したり、この仕事が私はとても好きでした。

やがて、この運動施設の夢はフィットネスに薬膳カフェを併設することだったと知ります。私も携わりたいと思うようになりました。

月日がたち、そんな話はしなくなりました。経営難で、それどころではなくなりました。



そして私は年内で勤めを終えます。

仕事をやり切ると決めました。

挨拶回りとか引き継ぎとか辞める準備を進めながら職を探しています。就活はお金と時間がかかることを思い出しました。この努力が報われないことが多いということも。忙しさに緊張して辛くなることがありました。けれど今は頑張らないといけない。

そんなときに気分転換となった、おやつ作りの時間でした。小さな達成感のような満足感のような。やりたいと思っていたことを実現できるというのは大切なことだと。

今回のおやつの元アイデアは3年前には既に試していてnoteの下書きにも残っていました。当時は市販のごまだんごを買って作っていました。投稿することはありませんでしたが、第1作目のnoteだったので記念として下書きに残っていたのです。

それから、なかなか一歩を踏み出せず。実際にnoteをはじめるのは1年以上も後のことでした。


ハーブティーで染めた大根のピクルス。
大根は角切りと千切りにしました。


赤いハーブティーを飲むだけでなく、料理やスイーツに使うのも好きでした。ピクルスを作ったり、八宝茶を真似してみたり、チャイにして飲んだり。綺麗に染まる赤は創造力を掻き立ててくれて、様々な料理になりました。

そんな気持ちを思い出して最後に薬膳スイーツを作ってみたのです。うまくいって良かった。働き始めた頃よりも、いろんな面でレベルアップできていると実感しました。

薬膳に全く興味が無い母と妹はフルーツポンチ。
サイダーとミントで爽やかでした。
これはこれで美味しかったです。



続けることの難しさを本当の意味で知りました。

何が必要だったんでしょうか。強さとか、したたかさとか。私は上手く立ち回れず、おもねることができなかった。去っていく人々を見送るのにも疲れていました。変わりゆく姿を見るのはもっと辛かった。

働く中でフィットネス業界の省人化が進み、その波に乗り切れませんでした。上司から医療人とは思えない心ない言葉を聞くたびに落ち込むのです。でも言った本人たちに自覚はありません。介護しながら働くことは全く理解されませんでした。


どうしてこうなったのか、どれだけ考えても分からない。居場所なんて自分の意思とは関係なく無くなるのだと。好きだった場所はすっかり変わってしまったけれど、自分からは離れられませんでした。


いろんなことがあって辛い思いをたくさんしたけれど、最後に残ったものは感謝の気持ちだったということにしたい。

すべての葛藤を飲み込んで終わらせるスイーツを作ったように思います。

悔やまないように。恨まないように。

また新しく、はじめるために。

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