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狙うライフルには宙返りのサービスを

脳の最上階角部屋に天邪鬼さんが住んでいる。

普段は顔を出さないがネガティブな場面で顔を出す。

例えばAさんが僕の悪口を言っていたとする。
普通なら距離を取るが、逆に近づいて気さくに声をかける。オーバー気味に相手をヨイショする。すると相手は僕の悪口を言ったことを後悔するだろう。それを無意識にやってしまう。天邪鬼さんはフラッと出てきて帰ってから存在を認識する。

嫌われたことに腹を立てるよりも、嫌ったことを後悔させてやろうと天邪鬼さんが顔を出す。

天邪鬼さんは僕のネガティブが大好きだ。落ち込む隙を与えずに僕の体を支配し動かす。

首を突っ込まない方が楽なことを面白そうやんで首を突っ込んで僕を疲弊させる。

ただのネガティブで終わらせない、ネガティブの中にも面白さはあるがモットーな天邪鬼さん。

そんな怖い存在が自分の中にいることを薄々気付いていたが気付かぬフリをしていた。

25歳を超えると半年に一度、the pillowsが無性に聴きたくなる周期が人間にはプログラムされている。

いつものように全曲シャッフルでpillowsを摂取していると空中レジスターが流れた。

何度も聴いてはいるが、あるフレーズが天邪鬼さんの存在と共鳴した。

[狙うライフルには宙返りのサービスを]

まさにこれだった。ネガティブが好物な変わった住民。
良いやつではないが憎めない存在。

神様が逃げた不完全な地球上には変な奴もいる。
何度か助けられたこともあるので義理人情で契約更新してあげた。

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