見出し画像

旅と日常とは何かを考える最高の本

今月に少ないが、おボーナスが支給される。
妻になにか欲しいものある?と聞くと「旅行に行きたい」と言われた。

「旅行か〜いいね」と返したが[旅行ってなんだ?良い旅行ってなんだ?]と考えだした。こうなったら止まらない。自分なりの答えが分かるまで止まらない。

そこで一冊の本を読んだ。

0メートルの旅 岡田悠

著者はみんな一度は憧れるオモコロライターの方である。文が面白い。サラサラ読める。でも読み終えると何か自分の中に残る良い本だ。本が苦手な人に特にオススメする。

僕が刺さった部分は2点
①旅の真の目的は回帰にある
②旅は創るものである

①旅の真の目的は回帰にある
旅行から帰ると「いや〜やっぱ家が1番」と言いたくなる。旅は疲れる。でもそれが真の目的と著者は言う。

[旅とは、定まった日常を引き剥がして、どこか違う瞬間へと自分を連れていくこと。そしてより鮮明になった日常へと、また回帰していく]

すごい分かる。僕はこれを日常に侵食されると言う。少し離れると家族のありがたみを感じるみたいなアレ。近すぎると当たり前になって引っ付いてしまう。僕もあえて1人の時間を作って妻や家族のことを振り返る時間を設けている。勝手に転職した妄想しては今の会社サンキューなと思ってまた日常に戻る。引き剥がすことによって帰路に感謝の気持ちが湧く。それが旅なのかと感じた。

②旅は創るものである。
数は少ないが今まで思い出深い旅行ってなんだろうって考えた。妻が栞を作ってくれた博多食べ尽くし旅行、近くに飲食店がなくてコンビニで豪遊した三重旅行、ハウスダストになるほど汚いホテルだった友達との旅行などだ。ここに良いホテルに泊まった、高い肉食べた思い出がパッと出てこないことに驚いた。

そっか、旅は造られたパッケージより、その時に創りあげるものなんだと本の内容に関心した。

旅をすると疲れるし金がかかるという印象が無くなった。
創り上げるものだから近所でもできるし通勤の道をいつもの違う道を行くだけで自分次第でそれすら旅になる。著者はそんな意味を込めて[0メートルの旅]というタイトルにしたのだろう。

どこか行きたくなる気にさせてくれる良い本だ。
失敗してもいい、日常からの逸脱と回帰のための旅と思うと旅のハードルも気持ちもかなり変わると感じた。

最後にこの本の好きな言葉で終わる。

何が起こるかよりも、どう受け入れるかにあった。
どこに行くかよりも、どう接するかにあった。 
何を消費するかではなく、何を創るかにあった。

この記事が参加している募集

読書感想文

わたしの本棚

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?