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決算数値から見る清水エスパルスの足取り(その8) -2020~2023年度(後編)-

今回は、前回に引続き2020~2023年度にフォーカスします。 2024年1月開催のイベント「エスパルスを絶対J1に戻そう」にて、主催者の一人であるIAIの石田社長から「鈴木健一郎会長によるチーム介入」という言葉が飛び出しました。 実は、この手の情報が私にも3年前から複数のルートから届いていました。それを石田社長が覚悟して公にしたので事実なのだろうと思います。 チーム介入は、監督人事、選手獲得、選手起用に及んでいると聞いています。それを匂わす新聞記事も実は幾つか出ていました

    • 決算数値から見る清水エスパルスの足取り(その7) -2020~2023年度(前編)-

      毎回、長い話に付き合っていただき、ありがとうございます。 さて、今回は2020年度~2023年度に焦点を当てます。この期間は、山室社長に経営が託されてからの4年間です。 元銀行マンから千葉ロッテマリーンズ社長への転身という経歴を持ち、その経営手腕から「リアル半沢直樹」と称され、期待を一身に受けての登板。 就任後の財政面は非常に良好にも関わらず、チームの戦績は一向に上向かずそして遂に、、、そのクラブの裏側で何が起きていたのか。 1 2020~2023年度の出来事2020年度

      • 決算数値から見る清水エスパルスの足取り(その6) -2016~2019年度-

        今回は、2016年度~2019年度に焦点を当てます。この期間は、左伴前社長の時代です。その改革の足取りを追ってみます。 1 2016~2019年度の出来事前回で触れたとおり、2016年度でJ1昇格を果たしました。 2017年は、小林監督続投でJ1を戦いますが、最終節で残留を確定するという厳しいシーズンとなり、小林監督は退任することになってしまいました。 2018年は、久米一正氏がGMとしてエスパルスに復帰。ヨンソン氏を監督に招聘しての船出となりました。夏の移籍期間で久米G

        • 決算数値から見る清水エスパルスの足取り(その5) -2016年度-

          前回での予告とは異なりますが、今回はクラブ史上初のJ2リーグを戦った2016年度のみに焦点を絞ってみました。 初のJ2での戦いならではの困難が多々あった中で、公約どおりに1年での昇格を果たした裏側を覗いて行きたいと思います。 1 2016年度の出来事J2降格にも関わらず多くの選手を繋ぎ止めることに成功したエスパルスでしたが、降格したチームではあったので、戦えるチームへと育てながらの戦いでした。そのため、シーズン中盤までは所々で勝ち星を逃していました。 しかし、小林監督の下

        決算数値から見る清水エスパルスの足取り(その8) -2020~2023年度(後編)-

          決算数値から見る清水エスパルスの足取り(その4) -2011~2015年度-

          1 2011~2015年度の出来事クラブは、タイトルを狙うべく大きく舵を切り、ゴトビ監督に命運を託しました。 2010年オフで主力が一斉退団し、若い選手で構成されたチームでしたが、2012年度ではカップ戦準優勝という結果を残し、初期はリーグの中位に付け、このまま上向くだろうと期待を抱かせました。 しかし、2014年に急失速。2015年度には横浜Fマリノスの元社長の経歴を持つ左伴繁雄氏が社長に就任しするも遂にJ2降格となってしまいました。 クラブの思惑とは真逆の「悲劇」が待って

          決算数値から見る清水エスパルスの足取り(その4) -2011~2015年度-

          決算数値から見る清水エスパルスの足取り(その3) -2010年度-

          今回は、エスパルスの歴史においてもターニングポイントとなった2010年度を少し深掘りしてみます。 1 2010年度の出来事2010年度は、長谷川健太監督体制の終焉の年です。 好成績を残しつつもタイトル奪取に届かなかった長谷川監督を契約満了とし、外国人監督招聘に舵を切ろうと、シーズン終盤でクラブが動きました。 そのオフに主力選手が一斉に退団した「大脱走事件」が起きた年でした。 この年を境に、2012年のカップ戦準優勝はあったものの、2015年のクラブ史上初のJ2降格へと凋

          決算数値から見る清水エスパルスの足取り(その3) -2010年度-

          決算数値から見る清水エスパルスの足取り(その2) -2006~2010年度-

          1 資料説明前回に説明したように、リーグが公表するクラブ決算の資料からエスパルスの数値を抜粋し、以下のような資料に加工してみました。 前回説明した注目すべき科目を抜粋し、そこにエスパルスに起きた出来事、当時の監督、リーグ順位などの戦績を加えています。 これで、当時の財務状況と出来事、戦績などとの因果関係などがなんとなく見えて来ます。 2 2006~2010年度の出来事現在リーグが公表している過去のデータは2005年からになります。データ加工の都合により2006年からを取り

          決算数値から見る清水エスパルスの足取り(その2) -2006~2010年度-

          決算数値から見る清水エスパルスの足取り(その1) -はじめに-

          1 はじめに一般社団法人 エスパルスを愛する会が2024年1月13日に開催したイベント「エスパルスを絶対J1へ戻そう」の終盤で、当法人代表であり株式会社IAIの石田社長がエスパルス凋落の原因は、エスパルスの代表取締役会長であり親会社の鈴与株式会社社長の鈴木健一郎氏の「クラブ、チームへの介入」にあるという旨を語りました。 私にも同様の情報が複数のルートから以前から届いており、注意深くエスパルスに起きている出来事などを注視していました。 ところで、左伴繁雄社長時代のサポーズミ

          決算数値から見る清水エスパルスの足取り(その1) -はじめに-

          「ジュビロ磐田へのFIFA制裁」

          衝撃的なニュースがジュビロ磐田よりリリースがありました。今回は、この事件の裏側を探っていきます。 1.事件の概要事件は、21年に磐田に加入したファビアン・ゴンザレスは、タイリーグのクラブであるラチャブリと契約をしていた。 磐田は、当該選手とラチャブリとの契約関係が存在するのを知りつつも、当該選手を誘引してラチャブリとの契約解除させ、磐田が当該選手を獲得したとするもの。 2.制裁の内容・ゴンサレスの4ヶ月間の公式戦出場停止処分とラチャブリへの約5万ドルの賠償金支払命令 ・賠

          「ジュビロ磐田へのFIFA制裁」

          「清水 新スタジアム問題 その6」

          前回の後で、台風15号で静岡市が甚大な被害に見舞われ、物資支援やボランティア活動に従事。その間に川崎戦の参戦とあり、時間が経ってしまいました。申し訳ありません。 さて、今回は新スタジアム問題の「総まとめ」としたいと思います。 ただし、静岡市議会の令和4年9月定例会において、総括質問でスタジアム問題の質疑がされています。ここで市長の考えが出ているはずなので、この議事録を入手したところで、補足投稿をしたいと思っています。 (1)9月定例記者会見の市長発言「その5」で触れました

          「清水 新スタジアム問題 その6」

          「清水 新スタジアム問題 その5」

          今回は、エネオスさんが市との間で締結した基本合意で掲げたもう一つのテーマと、スタジアム構想との関係性など核心に迫って行きたいと思います。 (1)基本合意のもう一つのテーマ「その4」で触れましたが、エネオス遊休地は約20haもあります。そのうちの4haが次世代型エネルギー施設としての活用が決まっています。しかし、16haもの広大な残地の活用はまだ決まっていません。 この遊休地は港湾法の規制を受けているために、この残地の16ha部分を「次世代型エネルギーの利用を促進するエリア

          「清水 新スタジアム問題 その5」

          「清水 新スタジアム問題 その4」

          今回は、エネオス遊休地での次世代エネルギー施設関係の計画とそれに対する関連する市及び県の動き、そして、エネオスさんの狙いと市の思惑などを探っていきたいと思います。 (1)次世代エネルギー関連の動き「その2」で書きましたが、次世代エネルギー関連の動きをおさらいしましょう。 2020年7月16日  エネオス遊休地について、次世代型エネルギーの供給拠点ならびにネットワークの構築と、魅力的かつ持続可能な地域づくりに係る基本合意書が県とエネオスとの間で締結 2021 年7 月14

          「清水 新スタジアム問題 その4」

          「清水 新スタジアム問題 その3」

          今回は、新スタジアムの有力候補地と目されるエネオス遊休地に関係する法規制等について触れていきます。 今回の内容は、法令等が出てくるので、馴染みがない方には難しい部分があるかもしれません。また、少々長い話になるので、難しいなと思った方は最後の (6)まとめ で概要を把握していただければと思います。 (1)港湾法さて、こんな色塗りされた図を見たことがありますか? これは、都市計画図というもので、色塗りは用途地域の種別を示しています。こちらは、エネオス遊休地の箇所を抜粋したも

          「清水 新スタジアム問題 その3」

          「清水 新スタジアム問題 その2」

          今号では、新スタジアム関係の最近の動きについて再確認していきましょう。 この中の注目されている (1)エネオス遊休地に係る土地利用関係 の動きが重要なポイントです。ここを抑えておいてください。 (1)エネオス遊休地の土地利用関係2018年3月 清水港袖師地区のエネオスの清水製油所跡地(以後「エネオス遊休地」)で計画されていた液化天然ガス(LNG)火力発電所の建設について、住民、知事、市長の反対を受けての中止をエネオス(当時JXTG)が発表 2020年7月16日  スタジア

          「清水 新スタジアム問題 その2」

          「清水 新スタジアム問題 その1」

          8月29日 静岡市の定例記者会見にて田辺市長から懸案の新スタジアム問題について以下の主旨のコメントがありました。 「民間主導でやって欲しい。市はそれをどう下支えするかという問題だ。民有地であるならなおさら(民間主導でやるべき)だ。」 (会見の詳細は以下のYoutubeにて。動画中の44分付近から当該質疑回答があります。) これは、要するに「市が自ら建設はしない」ということを宣言したということです。大きな発言です。 永年の懸案だった新スタジアム問題が、本年度、市の中に「

          「清水 新スタジアム問題 その1」

          「笑顔」

          6分。アディショナルタイム(AT)が告げられた時、サッカーの神様はやはり悪戯が大好きだと思った。 前節の柏戦もAT6分。そのATで追いつかれ悔しい引き分け。神様は再び試練を与えたのだろうが、エスパルスはしっかりと乗り越えてみせた。 曺監督に鍛えられた京都サンガは、自慢の走力を武器に強いプレスを仕掛け、エスパルスが危うい場面がいくつもあった。J2を彷徨っていた時代とはまったく違うチームに変貌している。さすが曺監督。 しかし、その裏をかくような立田からの絶妙なロングフィード、

          「笑顔」