岡和田晃 (OKAWADA Akira)
記事一覧
向井豊昭「チカパシ祭り」を読んで
本稿は、岡和田晃が2023年度秋学期に東海大学文芸創作学科で開講した現代アイヌ文学/北海道文学論(日本語で書かれたアイヌ文学や「北海道」に関する文学を扱う内容、「文学精読」講義内)内で提出された期末レポートの最優秀作を、受講生当人の許諾を得て公開するものです。
対象作品の向井豊昭「チカパシ祭り」(1967)は幻戯書房のnoteで公開されています。
向井豊昭「チカパシ祭り」を読んで
小川
形而上詩「マルジナリアは囁く」(「壘」15号)※朗読あり
「壘」15号の形而上詩をご紹介します。
イアン・マクドナルド『時ありて』(下楠昌哉訳、早川書房)に触発された作品ですか、単体で成立するよう、形式への意識を働かせ技巧を高めるべく努めました。戦争の光景や記憶もモチーフにあります。
朗読はこちら。
主宰の荒巻義雄さんには、胸にもぐっと迫る、しかもなぜか物悲しい、と言っていただけました。
レノン=マッカートニー「宇宙のすべてに」試訳
Across the Universe
宇宙のすべてに
Lennon-McCartney
レノン=マッカートニー
Words are flowing out like endless rain into a paper cup
紙コップのなかに言葉が 終わらない雨のように滴り溢れて
They slither wildly as they slip away across the universe
オリジナル・ゲームポエム『シンとクジラの骨』
※本作は2023年4月30日配信の「FT新聞」No.3749で配信された作品です。
「私たちのコククジラがここに沈んだのは、冷たく静かで暗い海底に横たわって、"安らかに眠る"ためではない。死骸はこれから数十年も盛大に続く宴会の会場になるのだ。」
(ケイトリン・ドーティ 池田真紀子訳 新潮社 世界のすごいお葬式より)
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オリジナル・ゲー
The Death of Democracy
In response to the statement of Somaia Ramish and Nozomu Shibata, I have just written my first English poetry, a satire, in solidarity with the oppressed people.
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The Death of Democracy
Akira OKAWA
オリジナル・ゲームポエム『檸檬』
オリジナル・ゲームポエム『檸檬』 初出:「FT新聞」No.3235
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オリジナル・ゲームポエム『檸檬』
デザイン:あるかす 改訂:中村俊也、岡和田晃
プレイ人数:3人
Ver1.3
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〈はじめに〉
本作は岡和田晃が東海大学文芸創作学科で開講しているゲームデザイン論の、
詩人・田中さとみさんの特別講義&朗読
2021年4月28日、東海大学文芸創作学科の岡和田晃の幻想文学・SF論の講義内で、詩人の田中さとみさんをゲスト講師としてお招きし、朗読と対談を行いました。Twitterに発表していたものを、以下に採録します。
闇にたたずみ「風の音」を聞く――詩人・上林俊樹の再評価のために【付・著作リスト】
本noteでは、「壘」や「白亜紀」に寄稿した現代詩を採録し、あるいはゲームポエムの実作を掲載していますが、狭義の現代詩とゲームポエムを架橋する記事として、「フラジャイル」9号には「ゲームポエムへのいざない」を寄せました。主に現代詩の読者へ向けた「ゲームポエム」そのものへのやさしい紹介文で、「現代詩手帖」2019年12月の拙稿「現代詩よ、大いに遊べ!」と照応する内容です。これに対して、「グラフ旭川
もっとみるオリジナル・ゲームポエム『殿、粗相でござる』
オリジナル・ゲームポエム『殿、粗相でござる』
デザイン:出島将大、改訂:岡和田晃
Ver 1.2
※2021年10月21日の「FT新聞」No.3193で、ゲームポエム『殿、粗相でござる』が配信されました。「FT新聞」はゲームブックの専門出版社・FT書房の日刊メールマガジンです。
※FM湘南ナパサで2020年11月17日20:00-に放送された、東海大学広報メディア学科学生による生放送「こ
ルイーズ・グリュック「バイカウツギ」試訳
ルイーズ・グリュック
バイカウツギ
月の光じゃない、教えてあげる。
その花々が
庭で輝いているだけ。
花なんて大嫌い。
バイカウツギなんて大嫌い、わたしが性(セックス)を、
その人間(おとこ)の口が
わたしの口を塞ぐ、その人間(おとこ)の
カチコチになった身体(あそこ)を嫌いなように――
いつも届かない叫び、
低調で、辱めるような
結合の前戯――
精神(こころ)のうちで、今宵、
問いが投
形而上詩「ジェスターの鼻」(「茨城の文化」55号)
ジェスターの鼻
岡和田晃
アヤメ科の植物のひとつにジャーマン・アイリスという花がありました リンネ以降の分類学(タクソノミー)からすると そうありてあるのですが 彼女は華でありながら 原-植物としての茎根(リゾーム)を持ち オルフェウスの聲を聞くことができ しゅえる、しゅうええると 日輪と驟雨を摩滅させて 生まれ出る血のごとき虹に 自らのおぞましき願いを投影し 自己の内に眠るおびただしい邪悪を