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【創作小説】キミはだれより愛おしい

 俺の名前は日吉けい。18歳。この春に上京してきた大学一年生で、田舎の親からの仕送りとは別に遊ぶ金欲しさにアルバイトを始めた男だ。  勤め先は、まさかのバー。アルバイト初心者にはバーでの仕事なんて厳しいのではと思ったのだが、街中で俺を一目見て「いいビジュアルしてんね。俺の店で働いてみない?」と口説いてきた男性の誘いを断りきれずにあれよあれよと言う間に働くことになってしまったのだ。  俺をスカウトしてきたのは、俺より7歳年上の宮坂ゆうという名前の、少し長めの黒髪と顎髭が鬱陶しく

    • オタクの日常会話を眺めていたいジャンル不特定ふわふわオタクに送る9ineverse.comのすすめ

      こちらは ・現在のX垢がジャンル特化ではない ・もしくは元ジャンル特化垢だがみんながジャンル移動してTLの話題が豊富になった ・そんな話題がごちゃごちゃのTLを見ているのが好き ・Xからの移行を考えているが他SNSでフォローを構築するのが面倒 という方におすすめしたいなあという記事です フォローの構築不要 MisskeyではLTL(ローカルタイムライン)というタブで、そのサーバーに登録している全員の投稿を見ることができます。※LTLがないサーバーもあります。 そのため〝気

      • 【創作小説】しにたがりの男たち

         これはどこかの星のどこかの国の、しにたがりの四人の男たちの話である。  世界に身を委ねることをやめたくなったその男たちは、全員で力をあわてこの世界から抜け出すことを決意し、決行の日取りや手段について話し合うことにした。 「滅多に人がこない山奥でさ、崖からオープンカーで旅立つのとかどう?」 「ジェットコースターみたいにみんなで腕を上げたりなんかして?」 「いいじゃん」 「でもまずそのオープンカーがなくね?」 「なんなら免許もないけど」 「…………それはこれからどうにかするとし

        • 感想は箇条書きにすると伝えやすい

           私は漫画・小説問わず、最高の同人誌や作品を読むと感想を伝えたくなる人間です。  Twitterやpixivなどの機能であればいいねやひとことコメントで気軽に「よかった」という気持ちを伝えることができますが、「よかった」以上に伝えたいことがたくさんある場合もあります。  しかし感想を文章で書くという行為は人によってはなかなかに難しいもので、そもそも文章を整えるということが苦手であったり、毎ページ「可愛い」と思う要素があった場合に感想がすべて「可愛かったです」で終わってしまうの

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          少部数でB6コミックスのような小説同人誌をつくりたい

          ①元々は文庫サイズの同人誌を発行していた  私が発行する小説同人誌は基本的に完全新作ではなく、web再録(+加筆・書き下ろし)です。それまではA5やB5サイズの漫画同人誌ばかり発行していたのですが、「市販っぽい装丁の文庫小説同人誌がつくりたい」と思い立ち必要文字数を調べてみると、いい感じの厚さになるとされる文字数が既に手元にあったので、コミックモールさんで発行しました。 【コミックモール】 少部数で分厚い本を出したい人にとても優しい印刷所。カバーを「巻き」までやってくれる

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          【創作小説】土星の輪を徒歩で歩く

           とある日、私は透明で脆い膜を破り、世界へ踏み出した。  ずっと小さな箱庭の中できらきらした世界を眺めるだけの存在だった私だけれど、ふりしぼった勇気のおかげで、とうとうそちらの世界の仲間になることができたのだ。  私を彩っていたのはフリルがあしらわれた純白のワンピースと、ぴかぴかの赤いエナメルの靴。それからプラスチックの星屑たちと、着ているワンピースにそっくりな白のカーテン。  くる日もくる日も、朝から晩までただ外を眺めるだけだった退屈な毎日から抜け出して、私はうまれて初めて

          【創作小説】土星の輪を徒歩で歩く