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無一文スタートで東京でハープ弾き語りの旅をする昔の電波少年的Appear東京編!前編!

今回の路上ハープ弾き語りライブの旅【Appear】〜関東ちほー編〜は12月12日〜12月16日についてかきます。

ハープを弾きながら歌う演目の内容に変化はありませんが、今回の旅はルールを変えました。

そう前回の岡山、鳥取、高松、姫路と近畿地方+αをした時…既にお気付きの方もいらっしゃるかもしれない。

(こいつ…さすらいの旅とか言って毎日新幹線と特急で京都の家に帰って寝てない?)

その通りです。

のぞみに乗り、スーパーはくとに乗り、マリンライナーに乗り、毎日昼過ぎ出発して時刻表に追われながら旅をするスーパー乗り鉄の旅。さすらってなぞいない、常に計画通り時間通りに動くという…

ピンクレディーばりの分刻みのスケジュール、頭おかしすぎる…

高松のうどんは美味しかった!

自腹で弾丸旅行をして、ハープを旅先で弾いているだけだったのである。勿論出逢いもたくさんあり、素晴らしい思い出も残っている。

しかし、私の中のゴーストが囁いた。

(つまんねえ大人になっちまって)

音楽家はみんな路上ライブやればいい、吟遊詩人になりたいなんて言いながら私は何のリスクもなく少し遠出をして演奏してきただけ。勿論路上で演奏することに勇気を出しましたが、これは音楽家というよりは休日の余暇ではありませんか?

もっと音楽と旅と生活を一緒にして永遠に旅をしたい。

というわけで、今回からAppearはルールをかえようと思います。まずは京都から東京に向かう深夜バスを3650円で買いました。

12月12日の朝、ハープ入りのキャリーケースと220円(京都駅は定期外で乗り越し金がかかる)だけ持って家を出たのです。

サムソナイトに紫の子がぴったりはまる!

それから大変不本意ながら会社で9時間働き、京都駅で乗り越し分の220円払ったら、めでたく無一文になったわけです。

まず、私は20年間会社組織に所属せず、フリーランスで生きてきました。それが崩れたのはコロナ禍です。先も見えない闇の中でグランドハープを売り、1年耐え、2年耐え、いつ明けるかわからないコロナ禍で生活できない3年目に直面し、生まれて初めて正社員として就職しました。

私が会社に合わないんでしょう。コロナ禍で失ったハープ2台を買うまでは耐えると思っているんですが、まあ就職して2ヶ月目の健康診断で胃に穴は空いているわ、職場では浮いた存在で誰とも話が出来ないわ、社長にも上司にも何度も呼び出されてまあ、問題がある奴だと思われているのでしょう。

まあ、そんな感じで過ごしているなかで藝術家になりたいと思いが募り、2023年10月22日、休みの日に路上で歌えばいいのかと始めた音楽活動。

まあ会社のお給料で生活しながら、活動費を捻出すれば、ずっと音楽活動はできるんですけど。グランドハープ買うまでは働くつもりはあるんですけど。

さすらいのハープ弾きの旅って違うよなとなったので、今回は無一文スタートして私はハープ旅で食べていけるのか試してみることにしたのです。

ちなみに馬鹿なので12日の昼飯代を考えてませんでした。出発もしていないのに白湯で非常食の乾燥いちじくを食べ尽くすはめになりました。

今回の旅のアイテムはコチラ!

湯たんぽ
座布団2枚
ハープ
ハープの脚
ハープ調弦するやつ
投げ銭箱
楽譜忘れたので暗譜の曲しかやれません。

全部詰めて、9時間労働後に旅はスタート!

完全に無一文で到着した、京都駅。

夜9時半から、京都駅で演奏すること1時間…

投げ銭箱には千円札が一枚
50円玉が2枚、100円玉が3枚…

ありがとうドヴォルザーク!
ありがとうございます!
聞いてくださった全ての方に愛を。

1400円もらった…ので
今日はじめてのごはんを食べられます…!

暖かい場所で、温かいお茶とごはん! 美味しかったです。

450円の親子丼と迷ったあげく、530円の牛すき丼にしました。 誰か知らない人が、私の歌とハープに立ち止まり聴いてくれて、それに対してお金くれて、ご飯食べるって幸せすぎるよな!音楽家って楽しいし、嬉しいし、人生最高じゃないでしょうか!

京都駅をまだ出ていないのに、泣きそうになってきました。


無事夜行バスにも乗れました。

投げ銭1400−牛すき丼530円=残金870円

さて12月16日は京都に戻り仕事なので それがタイムリミット ! 無事京都に帰ってきて会社員のペルソナを被れるのでしょうか。 帰りの交通費はまだない。

7時に東京につきました…とても寒い

いやあ寝付けなくて3時ぐらいまで起きてました。湯たんぽの効果も一晩で、もはや重い水筒…。

投げ銭残額870円−朝マック430円=残額440円

さて今回の旅、本当は宿代を稼ぐか野宿するかが1番コンセプトに相応しいのですが、拠点がございます…。なんだかすみません。

私の音楽活動を応援してくださる三味線小唄のYねえさんが「和室空けて鍵もあげる☺️✨織る葉ちゃんの東京での拠点にしていいよ」と先月言ってくださって…それもあって計画した東京遠征なのです。

残金440円也。地下鉄に乗るか否かで調べたら

Yねえさんの住む銀座は東京駅から歩ける距離なのか!20分歩けば電車賃がかからないぞ!

早朝の柳通りを、銀座をてくてく

そして私の東京の拠点へ到着!

可愛いお部屋をいただきました☺️✨

そしてお昼からはYねえさん主催の女子会。

ヴィオラ弾き、フルート吹き、クラシック音楽を愛する女子が集まる…会費3500円の素朴な会。
私が事前に蟹をお取り寄せして、私とねえさんは割り勘で黒龍の差し入れをしました。

みんなの差し入れで華やかな食卓に!

会費3500円とは思えない豪勢な会になりました。

500円を会場費で、蟹を手配した私に3000円と会費を精算した結果、黒龍代を引いても8940円に所持金が増え…

いやいや、蟹代を先払いしたやつを会費で回収して、今回の所持金に入れてしまっては無一文スタートで投げ銭で旅をする基本ルールが崩れてしまうので、帰れなくなった場合の保険に8500円は別にしますね!

所持金440円-

東京のお友達とコロナ禍を経ての再会。とても嬉しく楽しく美味しいひととき!

さてさて、一度寝て回復してから路上ハープ弾き語りライブAppearをスタートしますね!

13日はばたんきゅー。

12月14日は銀座四丁目からスタート!

おはようございます!
12時スタートになってしまいました。

銀座6丁目にYSL前に移動

銀座は2ヶ所にAppearしました✨

話しかけてくださる方も多く、こないだInstagramも開設したのですが、TwitterもInstagramもお持ちでない方が多く、YouTubeと名刺を求めるお声が多くて…音楽活動するなら情報発信をちゃんと考えなきゃあ…となりました。

銀座にTwitter民がひとりもいない不思議…
リアルタイムの情報はいつもTwitterなのに…

投げ銭は合計2220円いただきました。
所持金2660円に増えました…!

銀座ナインのミスドにて、糖分補給、水分補給

お手洗いにも寄るの大事、あ、そうそう。

玄関に湯たんぽ忘れたんですよね。 せっかく準備したのに…使い捨てカイロを握りしめながら移動。

ドーナツと地下鉄切符を買い、現在所持金2315円

次の街は六本木。 20代は麻布十番の民でしたので土地勘がある強み! 久しぶりに港区女子になってきます。

六本木ヒルズ前でAppear

私が所属していた芸能事務所は西麻布にあり、私は麻布十番に住んでいたので20代は六本木に来ることも多く(普通に商店街をぬけてスーパーに買い出しとかに六本木ヒルズに行く、最寄りだから…)

ただただ懐かしい街。
全然変わんないな、六本木。

えと、話は変わりますが…私高校生ぐらいから好きな男性のタイプは室伏広治さんて毎回答えてるんですが、

六本木→麻布十番でAppearしていたら

ご本人がいきなり目の前にご降臨したので
「大好きです☺️💕」って思わず口から出ました。

この世に思い残すことは何もないです。

ニコニコ手をふってくださる…
ファン対応の神さよ…日本の至宝…

そして麻布十番は懐かしい…ボエム前

そして、麻布十番で歌っていたらギターを持ったおじさんが話しかけてくださる。私が路上ライブ始めて1ヶ月と答えると

「夜に六本木の○○でやってごらん、君ミュージシャンとしてやってけると思う。僕は25年ストリートミュージシャンで食べてるんだけど…」と色々ご指南くださいました。

予定通りに目黒駅へ移動

今日は銀座→六本木→麻布十番→目黒という計画で動いていましたが、25年ストリートミュージシャンで生きてきた方が言うのだから夜に再度六本木に行ってみようかと思いつつ。

銀座に帰って、Yねえさんが準備してくださったお鍋をいただきます。

白子おいしすぎる…!

そして夜10時、Yねえさんと一緒に夜の六本木に再度繰り出しました…!

スカイツリーより東京タワーが好き!

可愛い東京タワーをみながら、本日最後のAppearは六本木交差点付近で。平日でも賑やかな街!1時間ほど路上ライブを行い、終電間際の電車に揺られて銀座へ帰宅。

ところで、道中…細かい計算とかをもうやめてしまいましたが、多分麻布十番→目黒、目黒→銀座、銀座→六本木、六本木→銀座に帰るの計730円が交通費。途中水を買ったので130円。

その経費を差し引いた上で

投げ銭箱には11950円と1米ドルと10台湾ドル入ってます。

え…ほんまに…?

細かい計算はしていませんが、昼のAppearで6500円まで増えてるのは確認していましたが、夜の六本木は時給6000円近くあったことになります。

昼間に「僕はね、1番で10万稼いだことが3回あるし25年ミュージシャンで食べてきたよ!君も頑張ってね」
と、おじさんが教えてくれた路上ライブの数々のアドバイスは本当じゃった。正確には…商業的に音楽で食べていくのは可能との証明だった。

夜の六本木Appearの後、Yねえさんとも話した。勿論誰かに聞いてもらえて喜んでもらえて、結果食べていけるのはシンプルで嬉しい。

問題は「ウケの良さ」を無意識に意識してしまい、問題は、表現したいもの、芸術が引きずられないか。同じ懸念を話した。

これは常に、同じ問題を抱えている。フルート吹きがカルメンファンタジーをコンサート演目に入れ、オペラ界がカルメンと椿姫でシーズンを回し、パリの路上ヴァイオリニストがツィゴネルワイゼンを弾き、アコーディオン弾きはピアフの楽曲をメトロでぶん回す。仕事だからだ。

私は擦り切れた感情を提供したくないから、擦り切れたまま仕事で仕方なく歌いたくない。常にその感動を新鮮に保つ表現をしていたいと思っている。路上を始めるずっと前、20になったばかりのころ、正確に言えば劇団四季のミュージカルで1日2回同じ演目を機械のように同じ動きで演じることを要求された頃に感じたことだ。あれは歩き出す足、歩数まで決まっている。商業ミュージカルは大好きで素晴らしいが、私には合わないと思って劇団四季から逃げた大きな理由だ。「ミュージカルの世界では君の才能はちっとも小さくない。今はまだ早いがグリザベラもカルロッタも、君の未来は劇団四季にあるよ。」と、目をかけてくれた浅利慶太先生には申し訳なく思っている。

自由に表現したくて、今まで生きてきた。

まあ、今もっと合わない謎の正社員で胃に穴を開けてるのを思えば、ミュージカル俳優のが遥かに適職だったのだけれど、四季の同期や仲間と話してても、どっちにしろコロナ禍での無職は避けられなかっただろうと思うので、まあ過去のことはどっちでもいい。後悔は無い。

実はおじさんが教えてくれた路上ミュージシャンで食べてゆく方法は場所以外にも色々あった。

・お客さんの年齢を見て、その人が思春期であった時の曲をやる
・関西弁が聞こえたら六甲おろしをやる
・海外の人には、その人が知ってそうな曲をやりその国の言葉でありがとうを言う
・クリスマスソングや上を向いて歩こうなどは鉄板

つまり、私のAppearと路上ライブで食べてゆく方法のアドバイスは全く違う。

ドヴォルザークをチェコ語で歌っていて、チェコ語がわかる人に出会えていないのは残念だけれど、ルサルカを知らない誰かの心を震わせられたらいいなって、命を燃やしたくてAppearに生きてるんだと思う。私の好きな音楽をやりたくて、表現に全力を尽くしたくて、全てから自由になるために路上を選んでいるのだから、きっと路上ミュージシャンのセオリー内で生きようとしたら本末転倒なのだ。

しかし、今回のコンセプトは無一文から音楽で稼いで旅を続けること。今回の旅だけじゃない、きっと人生を賭けた音楽の旅を無一文から初めて続けてゆく転機だった。会社員が休みの日に外に出てハープを弾き語る10月22日からのAppearが、この12月12日に無一文から始まるハープ弾き語りで今後の人生を生きていく旅になった。

現在-11950円と1米ドルと10台湾ドル

さて、最終日15日が最終日!

Appear東京編後半へ続く!


ハープと世界を周り、歌い続けます。いつかお会いできますように!