積ん読予備軍

積ん読(積読と書く場合も)という言葉がある。買ったはいいがまだ手をつけておらず、積んだままの本という意味。ゲーム好きのあいだでは積みゲーという言葉もあるとか。

この積ん読というやつはある特徴を持っている。それは成長するということ。積まれた本が成長?そう、成長するのである。積ん読本Aの上に積ん読本Bが積まれ、さらにその上にはCが、さらにその上には……というように、積ん読はその高さを増していく。

床から1冊積ん読本の芽が出たらもう遅い。たけのこが成長するようなスピードで積まれた本は塔になり、それが連なれば山脈のようになる。1冊読み切るより先に、2冊3冊と新しい本を買うのだから当然といえば当然の現象だ。

さて、この積ん読には予備軍とも呼べる積ん読の下位に属する本たちがいる。積ん読予備軍である。積ん読予備軍とは、まだ買ってはいないけど、面白そう、気になる、読みたいと思って、買いたいリストに入れている本たちのこと。僕の場合はこの予備軍を読書管理アプリ「ブクログ」に入れて管理している(といっても読みたいリストに放り込んでいるだけ)。

この積ん読予備軍は、積ん読よりも成長速度が速い。なにしろブクログに気になる本を登録するだけで買わなくていいんだから、どんどん増える。増えすぎて困ったなと思いつつも、この積ん読予備軍を採集するのも楽しいのでやめられない。

採集する場所はいくつかある。まず、当然ながらリアル書店。ときどき本屋に行っては、どんな本が出ているか見に行って、気になる本を片っ端からブクログに登録する。

もうひとつはネット。TwitterやInstagramに流れてくる本から気になる本をチェックする。あるいはYouTube。最近は本の動画をメインに出すチャンネルが増えてきて、何人か見ている。

こうしてリアル、ネット双方で気になる本をブクログに追加していくもんだから、読みたい本がとんでもない量になってくる。はっきり言って一生のうちに読み終わる数ではない。

読めないのにそんなに登録してもしょうがないじゃないかという声も聞こえてきそうだが、それでもいいのだ。日々、知らなかった本を発見して「こんな本があった」「あんな本もある」と本のタイトルを採集することは、未知の世界がたくさんあることを教えてくれる。それだけでワクワクするし、僕にとっては十分意味のあることだ。

そんな言い訳を用意して、今日も積ん読予備軍を成長させる。

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