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36歳を迎えて

幼い頃、ひきこもりの経験が辛すぎて、生きる力を一度失しかけたが「俺はこの研究の為に生まれてきた」というアフリカ系の高校生研究者と出会い、その死生観いいな私も導入しようと決意したのが17歳中頃。がむしゃらに研究に生きていたら36歳になっていた。

12歳の頃に不登校ひきこもりになり3年半孤独になる
15歳の頃に電動車椅子の改造を始める
18歳の頃に人生の研究テーマを「人類の孤独の解消」に決め
21歳の頃、OriHimeを発表
24歳の時、研究室を株式会社にして独立
27歳の時、ALS患者さんらと視線入力装置OriHime eyeを製品化
30歳の時、寝たきりの親友と死別。寝たきり/ひきこもりでも働ける分身ロボットカフェを発表
33歳の時、分身ロボットカフェを常設化

平均耐用年数の半分を捧げてきた割に相変わらず人生は素人で孤独の問題は果てしない。自分はあとどれくらいできるだろう。


私には夢がある。

例え私が老後あるいは早くして寝たきりになっても、2度と孤独にならない世界だ。二度と天井を眺めつづけて日本語を失う事なく、笑い方を忘れる事もなく、学校や社会に復帰する事が難しいという事もない。
頸髄損傷やALSや、対人恐怖症や感覚過敏やひきこもり、あるいは家族の介護の為に外出できない人らが教室で席を並べられ、普通に町中やカフェなどですれ違い、意見交換をしたり友人になったりする事ができる社会だ。

寝たきりになった自分の身体を他人に世話してもらってもいいし、ロボットに世話をしてもらってもいいが、自分が操る分身ロボットで自分で自分を介護できる選択肢があってもいい。
自分のことが自分でやれて、誰かの人を助けに行く事ができる。誰かが遊びに来たくなる家をつくり、家族や友人が訪問してくれたとき、寝たきりの私は自分で玄関をあけ、部屋へ誘導し、準備していた料理で彼らを全力でもてなす。

あらゆる事を自動化し、何もしなくても生きていられるだけの未来をつくるのではなく、誰かに何かをしてもらえて、誰かの為に何かをしてあげられる。そんな老後を、誰の為でもなく自分の為に私は望むのだ。

( イラスト T: The New York Times Style Magazine with クイックオバケ氏)


不登校の頃、精神年齢の成長が同世代と比べて止まってしまっていたのは学校に行けていないからだと思っていたが、どうやらただの自分の特性だったらしい。大人になれず子どもっぽいまま、わがままに自分のやりたい研究テーマで研究所をつくり、多くの人の静止を聞かないまま多くの人を巻き込んできてしまった。失敗だらけでだいぶ多くの人に謝りもした気がするが、たぶんもう一生このままだ。ついてきてくれる人達本当ありがとう。

36歳は12年間ずっと言い続けてきた大きな挑戦の歳にしたい。
これからもよろしくお願いします。

2023.11.18
吉藤オリィ

<追伸>
誕生日なのでAmazonの欲しいものリストでも公開しようかと思ったんですが今一番欲しいモータは結構高いしオリィの自由研究部(β)で研究支援いただけるのが一番嬉しい。研究費は全て研究と若手の開発者の教育に投資し、配信で進捗を報告します。

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