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映画「落下の解剖学」感想 カンヌ国際映画祭×観客の多さ×長いストーリー

カンヌ国際映画祭

第76回カンヌ国際映画祭で最高賞・パルムドールを受賞した傑作。夫が不審な転落死。他殺の可能性は低いようだったが、血痕の位置、怪しい妻、発言が変わる息子。それらから、彼を殺害した容疑で法廷に立たされた妻。法定では話が進むにつれて、夫婦の秘密が開示されていき、怪しい妻の言動、弁護士の発言、夫婦が隠していた事実など様々な要因で話が進んでいく。ラストは息子の発言で物語は終わりに向かう。サスペンスとして、事件発生、そして法廷での激しい弁論と見逃せない映画である。

観客の多さ

観ていた映画館ではほぼ満席だった。1日前から座席は半数以上埋まっており、人気というより話題性の高さを感じさせた。男女が同じぐらいの比率で座っており、年齢層も様々。若い人もいて、意外に幅は広い人が観ているなという印象である。人気のアニメでもなく、事件性を問うサスペンスもの。コナンで慣れているのか、サスペンスは人気が取れるのかもしれない。

ストーリーの長さ

個人的だが、映画が長く感じた。面白いとは思うが、サスペンスとして真犯人はいなく、夫婦の悲しい結末と事実が分かるだけだ。精神的にダメージを追った息子が可哀想であり、それでも裁判を欠席しないのは純粋にすごいと感じた。両親が殺し合うほど仲が悪かったのか、事故なのか、自殺なのか。劇中でもそのようなイメージが出てくるが息子の精神には驚いた。ただ、裁判シーンが長く、科学的な考察よりも、検事や弁護士、妻の主観的な話で裁判が進むので、思っていたサスペンスとは違いヤキモキした。証拠はあるが決定的ではなく、主観で事実を追求するシーンが長く、いつ話がすすむのか、かなり困惑する。真犯人がいるのかもしくは事故なのかさっぱり分からない。まわりを観ると、体勢を変えたり、ポップコーンを食べる頻度が増したりと、ストレスが溜まっていそうに観えたし、わたしも足の痺れや居心地の悪さを感じ始めていた。

法廷シーンで主観で話が進み、出口が見えないとここまでキツイのかと。物語はある程度筋道がないと退屈になる。夫婦の問題が話の肝だからこそ、主観的な話をしないと事件は逆に解決しないのかもしれない。

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