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2分の1成人式〜「学校の中のシマウマたち」をみて〜

「一人ひとりの生活背景はちがう」
「人は、誰一人同じではない」

 いま書き記したことを否定する人はいないと思います。だからこそ、多様性を前提に教育は進めなければならないのだと思います。
 それなのに、ある取組を前にすると

「それが大事なのはわかっているけれど…」

と言う声が聞こえてきます。そして、後に続くのは

「自分の生い立ちをふりかえって感謝の気持ちを伝えるって大事ですよね…」
「まわりの期待もあるし…」
「行事として定着していますし…」

といった言葉。さらに議論が進むと、

「そこまで配慮しないと駄目なのですか?」
「今までやってきたから大丈夫ですよ」
「何もできなくなります」

でしょうか。

2分の1成人式


 その行事の名前です。実施している小学校も多いのではないでしょうか。成人式が行われる20歳の半分を記念して、10歳となる4年生で行われるのが慣例のようです。
 その「2分の1成人式」に真正面から向き合った作品がyoutubeで公開されています。

 30分の短編映画の中に、子どもたちの声が濃縮されています。人権は全ての人に在り、お互いが権利を尊重し、公正・公平な市民として社会をつくる。そのために、私たち大人は子どもの声を聴くことに、もっと真摯にならなければなりません。
 子どもの権利は大事なのはわかっている「けれど…」、マイノリティを大切にしないといけないのはわかっている「けれど…」。「やっぱり」感謝は大事だし、「やっぱり」保護者が求めてるし。この「けれど…やっぱり」のロジックから抜け出さないと、

マイノリティが我慢すればいい!というメッセージを子どもたちに伝えることになりませんか?

そして、その子どもたちが大人になった時、また同じことをくり返すことになりませんか?

 いまの社会・学校に対する強いメッセージを感じ取れる映画でした。ぜひ、みなさんもみてほしいと思います。

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