千葉県の2023年度子ども・学校関連予算ピックアップ！
こんにちは、「つながるふなばし」大沢たかのりです。
今回は千葉県の2023年予算のうち、子ども・学校関連の新規・拡大案件をピックアップして見ていきます！
なお、船橋市の子ども・学校関連予算については以下をご覧ください。
千葉県の子ども・学校関連予算のポイント
児童相談所の機能強化・新設（松戸市・印西市）！
小学校の算数・理科などに専門講師を配置！教員不足対策も！
「保育の質」改善に向けて調査や支援！
千葉県の子ども・学校関連予算
予算の大きい順に並べています。
【拡大】児童相談所の機能強化：9億8,689万円
児童虐待事案等に適切に対応するため、人員配置の強化や施設整備等により児童相談所の機能強化を図ります。
［主な事業］
１ 人員配置の強化
国が示す児童虐待防止対策体制総合強化プランや県の児童虐待防止緊急対策に対応するため、児童相談所の児童福祉司、児童心理司等を増員します。
２ 児童相談所の新設 754,124千円
児童相談所の管轄規模の適正化に向け、（仮称）印旛児童相談所と（仮称）東葛飾児童相談所を新設するため、実施設計等を進めるとともに、建設工事の着手に向けた債務負担行為を設定します。
３ 児童相談所の建替え 192,484千円
県有建物長寿命化計画に基づき、施設が老朽化している柏児童相談所と銚子児童相談所について、建替えに向けた設計を進めます。
４ ＩＣＴを活用した児童相談所業務改善事業 35,290千円
ＩＣＴを活用して児童相談所の業務の適正化及び効率化を図ります。令和５年度は、過去の類似事例を参照することで速やかな対応を可能とするため、児童相談所支援システムを改修し、高精度の検索機能を追加します。
５ 児童相談所職員確保に向けた広報業務強化事業【新規】 5,000 千円
児童相談所で従事する児童福祉司や児童心理司等の人材確保のため、新たに専用ホームページを開設するなど採用に向けた取組を強化します。
千葉県の児童相談所の機能強化・新設（松戸市・印西市）となります。
船橋市でも独自の児童相談所設置に向けて準備が進んでいますので、
ICT活用や、専門スタッフの採用ノウハウなど、千葉県の取り組みをうまく取り入れて児童相談所の機能を高めてほしいです。
参考リンク：
千葉県-ICTを活用した児童相談所の業務執行体制強化プラン策定業務について
【新規】小学校の専門的な教科指導の充実：4億 600万円
児童の学力及び学習意欲等の向上を図るため、県独自の専科教員等の配置を拡充するとともに、塾講師を活用した専科指導の研究モデル事業を行います。
［主な事業］
１ 非常勤講師の配置 257,807千円
算数及び理科について、学習指導の充実を図るため、専任の非常勤講師を配置します。
２ 技能教科専科指導員の配置 118,315千円
体育及び図画工作について、専門的な指導力を備えた外部指導者を配置します。
３ 塾講師を活用した専科指導の研究モデル事業【新規】 10,000千円
児童の学力や教員の指導力向上を図るため、塾講師を活用した算数の専科指導をモデル的に実施します。
小学校の算数や理科について専任講師を派遣したり塾講師を活用、体育と図工についても外部講師を配置することで、教育の質向上を図ります。
昔から小学校では担任の教員が全科目を教えることが当たり前でしたが、業務過多となっています。
外部人材の活用も含めて教育の質向上（と教員負担軽減）が進んでいくといいですね。
参考リンク：
文部科学省-義務教育9年間を見通した教科担任制の在り方について【関係資料】
【新規】部活動の地域移行に向けた環境整備事業：4,500万円
休日部活動の段階的な地域移行に向けて、受け皿となるスポーツ団体や文化芸術団体等の整備、指導者の確保等に関する実証事業を行います。
［負担割合］国 10/10
［主な事業］
１ 総括コーディネーターの配置 9,000 千円
市町村への助言や関係団体との連絡調整等を行う総括コーディネーターを教育事務所に配置します。
２ 市町村立中学校における実証事業 34,500 千円
地域移行に向けた体制整備や指導者の確保、関係団体との連携強化、参加費用負担への支援などに取り組みます。
３ 県立中学校における取組 500 千円
県立千葉中学校において、段階的な地域移行を進めます。
地域のスポーツクラブなどに部活動の機能を移す施策で、全額国の予算で実施することになります。
参考リンク：
スポーツ庁-運動部活動の地域移行について（令和４年７月）
【新規】教員不足解消に向けた緊急対策事業：4,000万円
深刻な教員不足の解消に向け、人材サービス会社等と連携し、教員志願者に訴求力の高い採用プロモーションを行います。また、抜本的な教員の確保対策を検討するため、千葉大学教育学部と共同でモデル事業を実施します。
さらに、働きやすい職場環境をつくり、教員の定着を図るため、民間のノウハウを活用した業務改善に取り組みます。
［事業内容］
・採用プロモーション
・千葉大学教育学部とのモデル事業
・学校の業務改善に向けた調査
教育不足対策施策で、採用プロモーションや千葉大学とのモデル事業、業務調査を実施します。
千葉県の教員不足は深刻で、小学校の教員は全国で最も不足（91名不足）しています。早急な対策を実施し、教育の質を担保する必要があります。
参考リンク：
文部科学省-「教師不足」に関する実態調査（令和４年１月）
【新規】保育の質の充実に向けた取組の推進：2,440万円
子どもの資質や能力を一層育むため、施設や保育士の確保といった保育の量の拡充にとどまらず、保育の質の充実に向けた取組を推進します。
［事業内容］
１ 自然保育推進事業 11,000千円
自然体験活動を通じて、子どもの主体性や創造性等を育む、「自然保育」に取り組む団体の活動を支援する認証制度を創設します。
２ 保育アドバイザー派遣事業 3,400千円
保育所における遊びを通じて、数量や図形への関心・感覚の育成につながるような視点を取り入れた活動の実践に向け、専門的な知見を有するアドバイザーを派遣します。
３ 保育の質の充実に向けた調査事業 10,000千円
県内における保育の状況等を調査・分析し、結果を踏まえ、今後の保育の質の充実に向けた取組を検討します。
社会問題となっている、保育士らによる子ども虐待事件などを受け、「保育の質」を改善するための施策となります。
県内の保育施設の状況調査や、自然保育への認証制度の創設、保育アドバイザーの派遣を通じて質向上を目指します。
調査結果を使い倒して、子どもたちの環境が改善されることを望みます！
参考リンク：
NHK-保育園児への虐待 「不適切保育」相次ぐ背景は？再発防止に向けて
【拡大】ヤングケアラー支援体制強化事業：2,145万円
ヤングケアラーに対する専門的な支援の体制を強化するため、福祉・介護・医療・教育等の関係機関職員への研修等を行うとともに、相談窓口や当事者同士が悩みを相談しやすい場を新たに設置します。
［主な事業］
１ 相談窓口の設置【新規】 7,537千円
社会福祉士、臨床心理士等が対応する相談窓口を設置し、ヤングケアラーに関するあらゆる相談を受け、適切な支援に繋げます。
２ ピアサポート・オンラインサロンの開催【新規】 9,486 千円
専門スタッフの同席のもと、当事者同士が集まって悩みや経験について相談・共有し、適切な支援に繋げる機会を設けます。また、より気軽に相談できるようオンラインによる相談等も実施します。
３ ヤングケアラー関係機関職員研修 2,429千円（R4 680千円）
日頃の業務の中で、ヤングケアラーの存在に気付けるようにするため、関係機関の職員に対する研修や講師派遣による出前講座を行います。
ヤングケアラー対策にオンラインも含めた相談窓口を整備し、関係する職員への研修も実施します。
船橋市でもヤングケアラー向けのコーディネーターを配置しSNS相談する事業が開始します。
制度の重複がないよう、うまく住み分けし協力することが求められます。
船橋市
【新規予算】ヤングケアラー支援事業費：149万円
ヤングケアラーを支援するためコーディネーターを配置し、 SNS相談等を実
施するほか、ホームヘルプサービスやミールサポートを実施する。また、ヤングケアラーについて周知啓発を図るため、調係機関に対する講習会や研修を実施する。
他県の例では、鳥取県では学生向けにヤングケラーLINE相談のポスターを作り広報しています。
参考リンク：
鳥取県：SNSを利用したヤングケアラーの支援
NHKの取材に対し、熊谷知事は「千葉県としては教育現場の能力や保育の質の強化に取り組み、『質』の部分で千葉県を選んでもらえるようにしたい」とコメントしています。
国の施策も活用しつつ、千葉県の教育・保育の質向上に期待します！
参考リンク：
NHK-子育て支援 保育の質や小学校教科指導充実 千葉県新年度予算案
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