場にエネルギーを

「場」にエネルギーを充てんする方法

日常のなかにも「場づくり」に関係した場面はたくさんあります。

ちょっとイメージしてみてください。

あるお宅に招かれ、玄関に入って靴を脱ぎました。
そこには、予めスリッパが置かれています。そのスリッパは、きっちりと揃えて置いてありました。

さて、あなたは、どんな印象を持つでしょうか?

「枯れている場」と「充ちている場」

きちんと揃えられたスリッパを見ると、それをそこに置いておいてくれた家の主の気持ち、心づかいを感じます。

これも「場づくりのチカラ」なのです。

スリッパが実際に、

「いらっしゃい! よく来たね! さぁ、なかへどうぞ!」

と言っているわけではありませんが、その家の主の
そういう気持ち、心づかい──エネルギーが伝わります。

「場」には人の「思い」が反映される

スリッパなんて何気なく足を入れるもの。いちいち、「どんな思いが込められてるだろう?」なんて考えませんよね。

「お、スリッパ揃ってる!」

なんて、いちいち思わないのが普通でしょう。

1.玄関で“きちんと丁寧に揃えられたスリッパ”を履いて、居間に入る。
2.玄関で“乱雑に放置されたスリッパ”を履いて、居間に入る。

同じ玄関でも、前者と後者では、印象が異なります。
そこに流れているエネルギーが、実際に異なるからです。

意識はしなくても、そこから感じています。

揃えた人の「思い」が知らないうちに伝わって、影響を与えます。

私たちは、どこかを訪れただけで、「居心地がいい」「背筋が伸びる」「「落ち着かない」など、その「場」の印象を得ます。

スリッパだけでなく、そこに布置された(あるいは放置された)あらゆるものがあなたに向かって、それぞれの言葉で話しかけているからです。

われわれは彼らの言葉を耳では聞かず、無意識に感じ取ります。

そして、あの場所は「なんとなく◯◯な感じがするな」と思うのです。

カタチだけ整えてもダメな理由

手がふさがっているときに横着をして、足でちょいちょいっとスリッパを揃えたりしますが、こういうのって、不思議と伝わります。

「あ! 足で揃えたな!」とはなかなか分かりませんが、きちんと揃えられたスリッパが放つエネルギーとは別物。

おもしろいので、試してみてください!

日常生活の「場づくり」で、一番わかりやすいのは、食事かもしれませんね。

だれかのことを思って作られた料理。。
別になんでもどうでもいいやと思って作られた料理。
材料や調理法が同じなら、まったく同じ…?

そんなことはないですよね。

細部に宿る「場づくり」の本質

述べてきたのは非常に微細な話ですが、同時に「場づくり」の本質に触れるものです。

「場づくり」とは、その場を司る人の内面と、それを「場」につなげていく表現の技術の総体です。これを、例えばNPOや市民活動の現場で応用するためには、やはり相応の知識、経験による体得が必要です。

・会議の場づくり(みんなの意志をひとつにするには?)
・イベントの場づくり(全員のエネルギーを現場につなげる)
・事務所の場づくり(日常的な場を)

挙げていけばまだまだたくさんあります。
(毎年やっている「場づくりクラス」では、それをじっくりお伝えしています。)

自分の内面と、外の世界のつながりを丁寧に見つめ、
つくっていくこと──それが「場づくり」です。


\あなたへのQuestion/
あなたが日常生活のなかでみつけた(実践している)「場づくり」には、どんな事例がありますか?

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長田英史(おさだてるちか)|プロフィール
NPO法人れんげ舎代表理事。「場づくりクラス」講師。まちだNPO法人連合会会長。
1972年、神奈川県茅ヶ崎市生まれ。和光大学経済学部経営学科卒業後、同大学人文学専攻科教育学専攻中退。教育学や心理学、運動論、身体論などを学ぶ。1990年、在学中にかかわった「子どもの居場所・あそび場づくり」の市民活動に学生ボランティアとして参加し、卒業後は就職せず、それを仕事にする。
いわゆる中間支援組織ではなく、自らも現場で活動する「プレイヤー」として、「場づくり」の哲学とノウハウを共有し続けている。
☆メルマガ「場づくりのチカラ」を無料配信中。 http://bazukuri.jp/


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