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畑で一番の美人さんはキャベツ  ロールキャベツ

どーも。都内一流ホテルで16年勤務した、フリーシェフ、僕です。
今回6353字でした!
レシピ制作のポリシーを作りました。もし気に入ってもらえたらご覧になってくださいね。

今日はロールキャベツを作ります。
あくまでもキャベツが主役の料理です。
『キャベツが畑の一番の美人』って、
何かの絵本で読んだ記憶があります。
キャベツってとても加工がしやすく美味しい食材です。
スープに入れてとろとろに煮込むと、上品な甘みが出てくれます。
中のひき肉はあくまでもキャベツの補助です。


勝手にリンク。新宿の老舗洋食屋さんです。
羽田空港にあるの知らなかった…!
洋食はかくあるべき、というレストランです。
もしこの記事を読んでいただいた方で行ったことがない方は
是非足を運んでください。
白いソースで煮た料理も美味しくいただけました。
また、本レシピーはアカシヤ様に倣ってロールキャベツを
『貫』と数えます。

THE材料) 10貫ほど

キャベツ 1玉

(ソフリット)
セロリ 10cmほど 
長ネギ 10cm 
玉ねぎ 半分
人参 半分
バター 10g

(タネ用)
ひき肉(今回は合い挽き) 350gほど
全卵 1個
パン粉 大匙1
トマトケチャップ 大匙2
ソース 大匙1
☆ソースは中濃、とんかつ、ウスター、リーペリンどれでも。
今回は中濃を使いました。

即席ブイヨン+水
☆キャベツ煮込むときに必要なブイヨンスープの
量を計ってください。キャベツの頭よりももう少し量多くです。

(浮き身)
ハムかベーコン 全部で120g

ほうれん草 0.5把
バター 25g
☆ほうれん草は浮き身です。省略可能。

(ブーケガルニ)
ローリエ 1枚
パセリ茎 1本
ニンニク 1片
粒胡椒 3粒ほど
丁子、クローブ (ホール) 3粒
お茶パック 1パック

勝手にS&B様にリンク。
クローブ含め、手に入るものだけでブーケガルニを作ってください。
今回クローブ使って二度と使わないのでしたら
わざわざ購入しなくても美味しくできます。
クローブは他にも紅茶や、フルーツの煮込みなんかでも美味しくできます。
肉のローストに臭みけしで使ったりもしますね。
こういったのが好きな方は是非揃えてください。
今回、クローブを3粒にしましたが、
クローブの香りが好きな方は5粒でもいいと思います。
しかし、クローブの香りは超強力です。
入れすぎるとクローブ『臭く』なります。
スパイスやハーブって、その香りや効能を楽しめないくらいきつく入れるとアウトです。

調味料)

胡椒
バター
オリーブオイル
(以下は必要であれば使います)
水かブイヨンスープ
トマトケチャップ
各種ソース

トマト缶 0.5缶(1缶400gほどの半分)
砂糖 小匙1
☆トマト風のスープになります

カレー粉 大匙2
バター 10g
☆カレー風味のスープになります。
これをオリエンタル風とも呼びます。


工程)
野菜をカットして、バターで炒めてソフリット(後述)に加工する、しっかり冷蔵庫で冷ます、キャベツの芯を取って熱湯に、葉が離れる程度まで茹でる、冷水(氷水だと尚可)に落とし、葉の大きいところと小さいところに分けて、水分を取る、
ボウルにタネの調味料を入れて、濃い目に塩コショウ、ひき肉を入れて粘りが出る程度まで混ぜる、ちょっと焼いて味見、ベーコンハムカットし、オリーブオイルで多少炒める、ここに巻いたキャベツを隙間がないように並べる、
水と即席(要は顆粒か固形)ブイヨンを入れて、ブーケガルニ作って鍋に入れる、落し蓋をして、火にかける、大体30分ほど、浮き身のほうれん草をカットして、バターソテー、皿に盛って、ロールキャベツを盛って、スープかけて、完成。

☆工程多そうに見えますが、そんなに多くないので手順を頭に入れてから臨んでください。
ロールキャベツを巻いてから冷凍して、1週間後とかに煮込んで食べる方法もあります。肉が生のまま冷凍すると傷みやすいので管理はしっかりやってください。
煮込んでから冷凍すると味が抜けた状態で冷凍することになります。でも保存性は高いですね。
では行きましょう。

ソフリットを作ります。なにそれ?
イタリアンの技法ですが、オリーブオイルに刻んだ玉ねぎを入れて炒めたものです。
べろっべろに煮込んで主材料に加えると素晴らしい味になります。
玉ねぎにはちょっとのニンニクを加えたり、バターで炒めたりする手法です。
ベーコンやパンチェッタを加えたり、マグロ(!!)など加える方法もあるようですね。
僕はマグロソフリット、知りませんでした。
とても大切な技法ですので、いつかこれだけで記事を作ります。

で、今回は玉ねぎ、人参、セロリ、長ネギ、で作ります。
この分量でしたらほかの材料なし、玉ねぎ1個(レシピ外)でも美味しくできます。
この材料を下処理して刻みます。包丁でもチョップマシーンでもいいですからね!
鍋にバターを入れて加熱します。
バターではなくオリーブオイルをバターと同量(レシピ外)
ニンニク1片(レシピ外)加えても美味しくできます。
バターが溶けたら強火で野菜を炒めます。
今回、この量で20分ちょい炒めました。
写真にはうまく映っていませんが
この時点で塩小さじ1ほど(レシピ記述なし)加えておきます。
塩を振って混ぜて全体から湯気が出たら中火より下にします。
弱火・とろ火ではないんです。
フランス料理の技法としてはシュエ suer という技法で、直訳で
(食材に)汗をかかせるように、
料理用語では水分や脂をじんわり出していく
事になります。
火加減の見本がないので火加減が難しいのですが
この技法で加熱した野菜にはとても強い甘みが出ます。
ちょっと水足しました(レシピー外)。
この分量であればコップ3分の1以下位の量を数回に分けて入れてください。
入れるタイミングは『水分が無くなってきたら』。
これが完成形です。
加熱し始めて20分位したら、一気に強火にして水分をガンガン飛ばします。
木ヘラで絶えずかき混ぜないと焦げます☆
ある程度水分が飛んでこんな色になったら完成です。
余談ですが、玉ねぎのあめ色ってこれよりももっともっと先の状態です。
粗熱が取れたら冷蔵庫で完全に冷ましてください。
キャベツ。英語ではcabbage。フランス語ではChou。
シュークリームのシューです。
見た目が似てるからとされています。似てるんですって。
芯を抜きます。裏の芯をちょっと抜いたところです。
写真の倍くらい深く切れ込みを入れてください。
撮り忘れた…。
ぐつぐつ煮えてるお湯にキャベツをドボン。
煮込むわけではなく、葉っぱを1枚づつ剥がすと考えてください。
でもある程度柔らかくしないと巻けません。
ホントはもっと大きい鍋でキャベツがかぶる位の鍋がいいんですけど
3分くらいしたら裏返す方法を取りました。
また、キャベツを半分にぶった切ってから煮込む方法もあります。
ちょっとはがれすぎますが、こっちの方が家庭では現実的であると考えます。
ある程度煮えたら(全部で5分ちょい)氷水にドボン。
キャベツの中身はアツアツのお湯なので火傷には注意してくださいね。
キャベツが冷めたら葉っぱが大きいものと小さいものを分けます。
今回は大きいサイズ、小さいサイズ、手のひらよりも小さいミニマムサイズ
に分けました。
ザルである程度水分をきっておきます。
タネを作ります。全卵を割り混ぜ、パン粉、トマトケチャップ、ソース、
塩コショウ適量を加えて混ぜます。
塩コショウは思ったよりも多く入れてください。
入れたらこの時点で混ぜておきます。
しっかり冷たくしたソフリットを加えてください。
万が一、ソフリットが冷めていなかったら
ここまで混ぜた時点でしっかり冷ましてください。
ひき肉に混ぜ物をしてタネを作るときは
しっかり冷たい状態で材料を混ぜると考えてください。
食中毒の原因にもなります。
ひき肉を加えてください。
手早くしっかりと確実に。
もし、エンボスグローブがあれば使って。
無ければ素手で。しっかり混ぜましょう。
レストランでは、ひき肉が入ったボウルに氷水で冷たくしながら混ぜる作業をします。
各種肉のテリーヌでも同じことをします。
通称、粘り気が出るまで。
写真の状態はまだまだ。
ハンバーグでもそうなんですが、この粘り気が出るまで捏ねることによって、
ジューシーになってくれますし、ハンバーグであれば割れを防げます。粘り気が出たら、
ここで『味見します』。
生での味見じゃないぞ。
このタネをちょっと焼いて味見します。塩気を見るのが目的です。
このタネはちょっとしょっぱいかな?位にしてください。
漬物レベルはダメ。
一度味見して、OKならそのまま、塩入れたら混ぜて終わり。
手順的にボウルごと冷蔵庫で休ませましょう。
ロールキャベツを煮込む鍋を用意してください。
この鍋で最後まで仕上げます。
オリーブオイルを鍋に入れて火にかけます。
熱くなるまで加熱してください。
カットしたハムかベーコン(ゴメン写真撮り忘れ。角切り)
を炒めます。今回のベーコンは完全に『スープの浮き身』
という扱いです。また、この塩気がキャベツから出た塩気を補ってくれます。
ハムベーコンが熱くなったらOKです。
火を消して放置してください。この後巻いたロールキャベツを並べます。
☆タネにハムベーコンを入れる方法もあります。後述。
茹でたキャベツにタネを入れて巻いていきます。
まな板にペーパーを敷いて、水分を取りながら作業をします。
キャベツの芯である固い部分を包丁で除去します。
切り離しても、厚さを半分にしても、細かく隠し包丁入れてもOKです。
大きい葉っぱに穴が開いていたので右側に小さいはっぱをのせて塞いでいます。
さらに、一度上から手で押し、葉っぱを潰して平らにします。
葉っぱにこの時点でごく少量塩を振る方法もあります。
キャベツ自体にも味が付きますね。
タネを乗せます。スプーンで同じくらいの量にして乗せていきます。
場所は写真より正直もっと下が良かった…。
芯がロールキャベツの中心になるようにしてください。
適当に巻いてください。
…というとあまりにも不親切です…。
春巻きなんかと巻き方は同じです。
(写真撮り忘れたのは内緒)
まず、芯があるタネを手前からぴったり葉っぱを被せ
左右をぴったり閉じて、手前からぴったり巻いていきます。
端っこを少し残して、余った左右を再度巻き込んで巻き込みます。
葉っぱの端は下にします。
ハムベーコンを炒めた鍋を用意してください。
出来たキャベツはこんな感じで鍋に隙間なく並べます。
今回やりませんでしたが、爪楊枝を真ん中に刺し、
ロールキャベツが崩れない方法もありますが、
あんま好きじゃないのでやりませんでした。
キャベツやタネが余ったら最後一個を巨大なロールキャベツにしちゃいましょう☆
ブーケガルニを作ります。
粒胡椒、クローブホールをお茶パックに入れて『何かで叩いて割ります』。
割ることによってスパイスの香りが広がりやすくなります。
ニンニク半割、パセリ茎、ローリエ(半分にちぎる)
全部お茶パックに入れてブーケガルニにしてください。
鍋にブーケガルニを加えて、ブイヨンスープを入れて火にかけます。
このブイヨンは鍋の大きさに依る所が大きいので分量出しません。
キャベツの頭が完全に隠れる程度としてください。
液体にロールキャベツが元気よく躍るようでしたら、ブイヨンが多いです。
落し蓋に重しをしてキャベツが躍らないようにする方法もあります。
ただ、この分量ですと、スープが足りなくなる可能性があります。
後ほどスープを足さないのであれば、重し付きの落し蓋をする方法が良いでしょう。

この時点でスープにちょっと塩と胡椒を振ってください。
ここに落し蓋をして30分くらい加熱。
この30分は沸いてから弱火にして30分です。
☆トマトとカレー風味は後述します。この時点で材料を加えてください。

30分経過したら味見してください。味気なかったら塩コショウ。
コクが無かったらケチャップかソース。
加えてから混ぜて沸かしたら完成です。
これは省略可です。
ほうれん草を浮き身にします。ほうれん草には泥がすごくあるので
まな板に乗せる前に水で洗います。
約1㎝幅にカットしたら流水で10分くらい泥を取ります。
根っこの赤いところを使うのでしたら流水の時間を倍にしてください。
炒めましょう。
ピンボケイエー。
バターを溶かして、この位の状態にしてください。
バター多くね?と思いますが、この位バター入れて焦がさないと
ほうれん草は美味しくないのです。
ほうれん草を入れて、塩コショウして、一度フライパンを振るとこの状態です。
しっかり中身を混ぜて、ほうれん草から水分が出てくるのでしっかり水分を飛ばすと
ほうれん草が柔らかくなります。
味見したら柔らかいほうれん草の美味しい味になっています。
今回はあまりしょっぱくしないのですが、
塩を振らないと仕上がりの味がぼけた状態になります。
ほうれん草が出来たら皿に盛りつけます。
ただ、炒め方が足りないと水分が出すぎます。
つまり、スープが薄くなりすぎます。
炒めたほうれん草を一度皿に置き水分を絞りながら
盛り付ける方法があります。
もし、何らかの理由でほうれん草炒めるのと
ロールキャベツを煮上がるのが同時に出来ないのであれば、
ほうれん草を炒めて、皿に取り置き、電子レンジチンする方法もあります。
そもそも、メイン食材ではない浮き身のほうれん草をスキップする方法すらあります。
僕は好きだから加えます。
では、お皿に盛り付けましょう。
ロールキャベツを盛って、その上からスープを注いでください。


おまけ。
☆レシピ外ですが、このハムベーコンをタネに入れる方法もあります。
炒めても炒めなくてもいいのですが、炒める場合は
仕上げる鍋で炒めて(鍋は洗わない)
ハムベーコンを取り除きソフリットと同じように冷まして、
挽肉に加えてキャベツに巻く。
鍋底にはハムベーコンの美味しい旨味がこびり付いているので、ちょっとブイヨン(か水。共にレシピ外)入れてなべ底をこそいでもいいでしょう。

☆トマト風味
スープを入れるときにトマト缶と砂糖小さじ1
を鍋に入れてからスープを入れてください。
砂糖を入れるとトマトの過剰な酸味が和らぎます。
トマトペースト少量(レシピ外)でも美味しくできます。

☆カレー粉
2パターンです。
1パターン目。
スープを入れてから大匙2のカレー粉を加える。
以上。

2パターン目。
キャベツ鍋にはスープを加えて沸かしておく。
バターでカレー粉を炒めてから、
キャベツ鍋のブイヨン200cc程で伸ばしてから入れる。

僕はパターン2の方が好きです。

と、いうことで
ロールキャベツが出来ました。
キャベツが躍りすぎないような量(=巻きが崩れないように)だと、
どうしてもスープの量が少なくなります。
煮込んで味見する前に鍋の容量ぎりぎりまでのスープ(レシピ外)
を加えて沸かし、味見する方法もあります。
家庭ですとこのやり方がいいと思います。

レストランだと、もっとでかくて平たい鍋で、
平たく並べてスープを多量に
仕込む方法を取ります。
後で足せば足すほど、スープの味に誤差が出ます。
その誤差を出さないようにするためですね。

繰り返しますが、この料理はキャベツが主役の料理です。
アレンジの方法として、デミグラスソースで煮たり、
フォンドボーで煮込む方法もあります。

フランス料理で、chou farci シューファルシ=詰め物をしたキャベツ 
という料理があります。
どこだったかで僕が食べたときには、ほとんど丸ごと(サイズ)
のキャベツに詰め物をして、
焼き色を付けてオーブンでゆっくり焼いて多めのソースで頂いたこともあります。もちろんカットしてもらってです。
美味しかったでーす。

と、いうことでロールキャベツでした。気に入ってもらえると幸いです。
読んでくださって、有難うございました。


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