佐藤志敦@推し活翻訳家

翻訳は推し活。はじめまして、佐藤志敦です。外国の児童書が好きすぎて、自分のために訳すと…

佐藤志敦@推し活翻訳家

翻訳は推し活。はじめまして、佐藤志敦です。外国の児童書が好きすぎて、自分のために訳すというディープな趣味にひたっていたら、なんとホントに本になりました。まさに推し活冥利。でも、お気に入りの作品は尽きない…ということで、月に1,2回、ゆるーく未訳の児童書などを紹介していきます。

最近の記事

4冊目。The Ocean at the End of the Lane、勝手に邦題「オーシャン」

原題:The Ocean at the End of the Lane 原作者:Neil Gaiman 勝手に邦題:オーシャン 概要と感想 父の葬儀のために故郷の町へ戻った私は、式の後、あてもなく車を走らせるうち、引き寄せられるようにヘムストック農場にたどり着く。そこにはかつて、レティという名の少女が、母親や祖母と暮らしていた。私は、母屋の裏手にある池のほとりで、忘れていた記憶を取り戻す。レティは、その池を「大きな海(オーシャン)」と呼んでいた。 記憶は7歳の誕生

    • 3冊目。The Girl Who Speaks Bear、勝手に邦題「くまのヤンカと雪の森」

      原題:The Girl Who Speaks Bear 原作者:Sophie Anderson 勝手に邦題:くまのヤンカと雪の森 概要と感想 雪の森のそばの村に暮らすヤンカは、12歳とは思えない大きな体で力も強い。村のみんなは親しみをこめて「くまのヤンカ」と呼ぶけれど、小さなころ、クマのほら穴の前で拾われたことを知っている人はそんなにいない。生まれた場所も、本当の両親もわからず、村には居場所がないと感じるヤンカが心を許すのは、育ての親のマモチュカ、幼なじみのサーシャ、

      • 2冊目。Wildoak、勝手に邦題「雪ヒョウに出会った森」

        原題:Wildoak 原作者:C. C. Harrington 勝手に邦題:雪ヒョウに出会った森 概要と感想 物語の舞台は1963年のイギリス。マギーは小さなペットたちを大切にする心優しい女の子ですが、学校では、吃音のせいでつらい日々を送っています。今日も先生にあてられたとき、みんなの前でうまく話せないのが怖すぎて、手に鉛筆をつきたてて保健室に逃げこんでしまいました。動物や虫と話すときは、すんなり言葉が出てくるのに……。そう、小さなころ、ロンドン動物園でトラにすらすらと話

        • 1冊目。Rooftoppers、勝手に邦題「屋根の上のソフィー」

          原題:Rooftoppers 原作者:Katherine Rundell 勝手に邦題:屋根の上のソフィー 概略と感想 冒頭は大型客船沈没の場面。チェロのケースに乗ってイギリス海峡を漂っていた赤ん坊は、同じ船の乗客で学者のチャールズに救われ、ソフィーと名づけられてロンドンで成長します。シェイクスピアとクラシック音楽をこよなく愛するチャールズとの暮らしはちょっと風変わりで、児童保護協会のお目付け役ミス・エリオットの評価はすこぶる低いですが、家が片づいていなくたって幸せに暮らせ

        4冊目。The Ocean at the End of the Lane、勝手に邦題「オーシャン」