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初登壇イベント(Inner branding Days 2021‗注目企業のHRBPに聞く! 事業を成長させる戦略人事の役割とは )の振り返りをしてみた

DMMで人事をやっている大嶋です。

■自己紹介
新卒でITベンチャーに入社し、財務経理部で月次決算処理や税務申告、監査対応、会計システムリプレイスなどを経験。その後、合同会社DMM.comに転職し、評価制度運用やエンジニア採用担当を経て、HRBP組織を抱える人事戦略グループのマネージャーとして40人ほどの組織マネジメントを実施。事業フェーズの異なる事業部やグループ会社それぞれの事業成長の課題に対して、HRBP/採用/育成領域をメイン業務として日々邁進中。

人事歴3年を超えて初めて外部登壇イベントにお呼ばれしたので内省するためにも久しぶりにnoteを書いてみようと思います。

登壇依頼はこんな感じで来るのか

今回主催のglassy株式会社様とは直接的な繋がりはなく、私が以前HRNOTEさんで寄稿させていただいた記事を読んでお声がけいただいたとのことでした。

(定期的に外部発信していくことの重要性を改めて感じましたので、今回の投稿もそういった教訓から気持ちが熱いうちに書き記してしまえということで書き記していたりします。)

※お声がけいただいた際の実際のテキストはこんな感じでした。

(お声がけの意図)
経営において人事の重要さはいうまでもありません。ただ、昨今の大きな変化の中で企業は否応なく変化を求められています。新しい戦略を立て、そのための組織をつくり、実行のためのオペレーションを構築しなければならず、そこで働く人たちへの影響も少なくありません。そこで注目されているのがHRBPの存在です。これまでの人事の枠組みからはみ出し、より経営の視点をもった人事責任者によるHR施策が求められています。
こちらの記事を大変興味深く読ませていただきました。

■記事
DMMの躍進を裏で支える、変化に強い「事業ドリブン」な人事戦略

貴社の取組みを組織づくりに苦しむ多くの方々に貴社の取組みを知っていただければと考えております。
大嶋様であれば、真に必要なこれからの戦略人事について語っていただくに適任と思いお声がけをさせていただきました。

「真に必要なこれからの戦略人事について語っていただくに適任」に関しては、一気にハードル上がるなーと恐縮せずにはいられなかったですが、「組織づくりに苦しむ多くの方々に貴社の取組みを知っていただければ」という気持ちが勝り、挑戦してみようということで本件を受けてみようと思いました。

事前すり合わせでの驚きと事前準備

受けてみたはいいものの、イベントの詳細などはちゃんと把握しておらず、glassy株式会社様との事前すり合わせの中で、今回のイベントがパネルディスカッション且つ、スピーカーでご一緒するのが下記メンバーだと知りました。

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背筋がピンとしたのを覚えております。HRBPとして手探りながら進めていく中で参考にさせてもらっていた方々だったので、その中で一緒にイベントをさせてもらえることは非常に光栄であり、この中で埋もれずに意義ある発言ができるか不安もありました。

当日近くなると、登壇者メンバーで事前すり合わせをテキストでする機会があり、コーディネーターである菅原さんより、下記メッセージを頂戴しました。

最初に自己紹介をしていただいて、あとはトークテーマから3-4つピックアップして盛り上がれればと思っています。「これを話してみたい!」「他社のこれを聞いてみたい!」というものありますか?

●最初に運営側からいただいたもの
* HRBPが求められる背景とご自身が担う役割
* 従来のHRとの違いと、必要なスキル・マインドとは
* 事業解像度を高めるための工夫やとりくみ
* HRBPの目標設定と評価について
* HRBPを社内で活かす(受けいれてもらう)ために大切なこと
* HRBP人材を社内で育てていくために必要なこと

●他、よく聞かれるやつ
* HRBPはどういう体制でやっているか
* HRBP導入経緯と導入時の苦労・どう克服したか
* HRBP導入前後で変わったことは

個人的にはHRBP組織が組成されたタイミングとほぼ同時期に中途入社してることもあり、前後比較の会話は難しいかもなーと思いながら、テーマごとにどんなことを話そうか考えていました。

当日のイベントでは制限時間あり全部回答できなかったこともありますので、改めて頭の整理がてらかける範囲で文字に起こしてみようと思います。

HRBPが求められる背景とご自身が担う役割

この辺はHRNOTEにも書きましたので、詳細はそちらを見ていただけるとよいかと思います。

改めて(DMMにおいて)「HRBPが求められる背景」整理すると、

非連続な成長や衰退に耐えうる「柔軟な仕組みづくり」と、それを支える「バックオフィスの変化」が必要不可欠であり、人事においてその役割をHRBPと明確化することで、火中の栗や誰も拾わない案件を拾いやすくなり事業ボトルネックになりかねない課題解決スピードを上げられるため

ex) 新任部長の支援 / 事業買収・撤退時の社内各所との調整 / 個別事業に合わせた運用ルールの整備 など

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DMMの人事においては経営から求められてHRBPというチームを組成したわけではなく、組織が大きくなっていくにつれて全体調整ができて物事をいい感じに前に進められる人が足りていないから、我々が機能補完できる事はやってしまおう。という形で徐々に認められて組織が大きくなってきたところがあります。領域をはみ出しても段階的にあるべき姿に収束すればいいかなと考えており、多少いびつであってもコミットするのは常に事業成長なので、スタンスは人事というよりも、経営推進機能の一員として考えています。

そのような中で大嶋の役割は、HRBP組織と採用・育成・評価・労務など各チームがそれぞれ補完・指摘しあいながら、全体最適と個別最適の両輪を回せるようにしていくための人事マネジメントと、その他の経営推進機能部署と人事の連携を担っています。

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事業の状況に合わせて全面的な支援を行うこともあれば、干渉しすぎずに個別最適の中でコーポレート観点で必要なところのみルールを合わせていくなど柔軟に対応しなければならないことが多々発生するため、それらの判断や意思決定を経営ボードメンバーや従業員からの意見を吸い上げながら日々対応しているような状況です。

従来のHRとの違いと、必要なスキル・マインドとは

従来のHR経験がないので、今現状必要だと感じているスキル・マインドについてのみ回答します。

ひとえにHRBPといっても、個別マーケットを重要視すべき案件を担当する人もいれば、総合による全体価値の向上に主眼おくべき案件を担当する人もいます。ゆえに、置かれた状況にかかわらず、物事に対する水準感をよく理解し、より良くしていくことに対する目線の高さがあるかどうかが重要だと感じています。

そういう目線が持ちやすいという意味合いでは、事業側の経験者のほうが事業理解は早いと思いますが、人事の構造的理解や解決手段の手札を増やしておくことも必要なため、あらゆる領域に興味関心をもって学習し続けられる勤勉さが大切かなと思います。

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スキル的なところで行くと、上記背景もあり特定分野の知見・スキルというより「場数を踏んでいる」「いろいろな案件をハンズオンで対応してきた」など、幅広な実務の経験値を持った人のほうが、推進力と柔軟性が高いと感じることが多いです。あとは言わずもがな調整力・交渉力・営業力などコミュニケーション力が高いほうが成果は出しやすいと思います。

HRBPには、現場の事実を適切に理解してコミュニケーションを取ると同時に、トップの気持ちを動かすための工夫と、会社全体の幸せの実現に繋がる熱意も必須です。ゆえに心情を察する能力が高く、尚且つそれを言語化して「なるほど、これならやってみよう」と腹から思える根拠を提示してあげられる論理的思考性や資料化スキルも重要だと考えています。

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心情を察する能力に関しては、きわめて重要だと考えておりまして、HRBPがかかわることが多い経営幹部の方たちは自社のこれまでの歴史については当事者として熟知できていると自負していることが多いです。確かにそれは間違いないことではあるのですが、かつて起きた事象を自身の感覚として記憶しているだけということも多く、それの本当の因果について検証が不十分なことが多分にあります。

その際に無邪気に「それは間違っています」なんて言ってしまうと、「気に食わない」「メンツをつぶした」と、その後一緒に前に進めていきたいときに障壁になりかねない感情を想起させてしまうため、そういった機微な心情を察し、リスペクトありきでコミュニケーションをとっていくという姿勢も大切だと思います。


事業解像度を高めるための工夫やとりくみ

シンプルに現場に聞くのが一番です。それが難しければ、組織構造を変化させて情報収集ができる形を模索するのも一つの手です。(弊社の場合は経営企画メンバーに人事部兼務してもらったり、人事部メンバーが現場に兼務出向するような工夫などをしております)

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現場に聞くためのきっかけをどう作るかという点においては、何を等価交換ないしは付加価値を付けて返せるかなど、事前にちゃんと整理しておくことが重要です。「聞いて終わり」になると、信頼がガクンと下がるので要注意です。(社内向けのHRBP営業資料とかも導入時は作成して説明コストを下げる努力もしていました)

ただ、現状事業解像度が低すぎて、それすらイメージつかないということであれば、そもそも向いていないので潔く諦めるか、信頼を一時的に下げてでも急成長する覚悟をもって、誠実さと愛嬌を武器に現場に時間を投資してもらえる信頼を勝ち得るしかないと思います。

HRBPの目標設定と評価について

一律的な目標設定と評価は正直出来ないと思っておりまして、事業部の短期的なPL改善を目標におくべき時もあれば、一年後二年後の組織構造の最適化のために採用数字を追いかけるべき時もあります。個人的には、売上や利益につながる直接的な係数をいじれないのに、それがHRBPとしての評価に直結させられるのは腹落ちできないと思うタイプであるため、そこの係数設定までタッチできるようなHRBP以外は売上と紐づけしてみるようなことはしていないです。

担当する事業フェーズや組織規模によってHRBPそれぞれの目標設定は異なりますので、横ぐしでHRBPの組織マネジメントをする立場としては、それぞれのHRBPが抽象度の高い曖昧な課題設定に対して精度高いトライが出来ているか、トライの数は十分か、現場からの信用や新規相談案件の数はどのくらいあるのか、HRとして適切な判断ができているのかなどを、週次定例会や1on1などを通して測っていくようにしています。

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HRBPを社内で活かす(受けいれてもらう)ために大切なこと

HRBP云々を社内で語る前に、人事として問い合わせに迅速に対応したり、事務対応などを間違えることなく確実に処理するといった、当たり前の期待されている人事対応を遂行し続けるほうが大切です。
特に労務的な対応や社内手続きを遅延なく進めることが出来ないと、現場からの人事の信頼が落ちてしまい、HRBPや新規施策などをいくら提案しても聞く耳を持ってもらうことすらできない状態になってしまいます。よく「御用聞き」から始めるという言葉も聞きますが、まさにその通りだと思っており、「人事にわからないことを聞いたら、回答がちゃんと返ってくる」状況を作ることが重要だと考えています。

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その状況を作り上げるまでには一定の月数がかかることを念頭に置きつつ、社内規則や労働法の細かいインプットを強化し、具体のアドバイスやスキームの提案が出来るようになってくると、その積み重ねが人事の業務領域の幅を広げ、次第に「こんなことってお願いできたりするの?」や、「これってどうすればよい?」とビジネスパートナーとしての相談内容に発展していくと思います。

そこまでの信頼関係が構築出来ていれば、自然と人事の役割の変化が波及していくので、そのタイミングに合わせて、目指していきたいHRBP組織の在り方や、今後連携を進めていきたい領域などを腹を割って話せるようなインナーコミュニケーションの工夫を仕掛けていけると、その速度や範囲が広がりを見せ始めると思います。

HRBP人材を社内で育てていくために必要なこと

ここは、いまだ手探り状態で明確な答えを持っていないです。目標設定と評価のところでも触れましたが、事業フェーズ・組織規模によってHRBP像は十人十色でよいと思っていますし、個人としてHRBPを完全にやり切れていなくても組織として補完しあえているのであればそれでも良いと考えています。

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それゆえ、個人の能力よりも組織として総合力が高い状態にしていくことを意識し、多様なバックグラウンドを持った組織集団であるようにしています。個々人はそれぞれの強みを活かしていくことでHRBPとしての価値発揮が出来るとともに、自分に足りないところは他メンバーの専門性を間近で盗んでいけるので、強みの発揮と弱みの補完が常にできる環境・組織にしておくことが、HRBP人材を社内で育てていくためには必要なのかなと考えています。

HRBPはどういう体制でやっているか

弊社においては、人事部の中にHRBPGroupがありDMM全体を見渡した時の人事戦略設計や実行を担っております。その下層組織にHRBPTeamと採用/育成といった機能ごとの組織がぶら下がっております。HRBPTeamに関しては本部別に担当を振り分けるような形で仮想組織化し、基本的には本部最適化されたアプローチを実行しています。

HRBP導入経緯と導入時の苦労・どう克服したか

HRBP導入経緯は私がDMMに入社したタイミングとほぼ同時期に組成されたと聞いており、当時の導入経緯は分からないところもあるのですが、事業を急成長させるためにリソース不足を採用で補ってきたこともあり、成長が鈍化し、業務最適化を進めてきたタイミングで人員調整課題が顕在化してきていたことや、法人の統廃合に伴い人事部においても、新しい価値発揮をしていかないと過剰リソースを抱えた組織として、配置調整などをせざる得ない状況だったため、それら課題を解決するために人事起案で組織化されたと組織と聞いています。

そういった状況もあるため、現場からの認知度はほぼなく苦労話はいくつもあるのですが、ここには書ききれないボリュームかつ、書きにくいエピソードだったりするので、興味がある人がいれば別の機会でお話しさせていただきます。

HRBP導入前後で変わったことは

HRBP制を推進していった結果なのか、その他の因果関係があったかは定かではないですが、人事部内の変化と現場の変化と二つ変化があったかなと感じます。

まず、人事部においては現在アルバイトや派遣も含めると60人ほどの人事メンバーで3000名ほどの従業員を見ており、比較的機能ごとの専門分化が進んできていると感じております。その中で、コーポレート人事と事業部人事(HRBP)が別組織になってしまうと情報分断が起きたり、コングロマリットな企業においてガバナンス視点での統制が利かせにくくなってしまうこともあり、同じ人事部という箱の中で連携しながら業務をしているのが現状です。

HRBP制を推し進めていく中で、コーポレート人事と事業部人事(HRBP)がそれぞれどのような相互補完の在り方が価値貢献を最大化できるのか、個別事業に寄り添いながらもコーポレート観点で必要なルールとはなんなのか、そういった視点での議論が進むようになったので、局所最適が必要なタイミングと、全体最適が求められるタイミングで柔軟に意思決定の速度や強度を調整できる組織になってきたなと感じています。バランスが取れるようになってきたのかなと感じています。

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ベンチャーらしく攻めるところは最短で攻めて、守るべきところは大手企業並みの慎重さも併せ持つ、そんなDMMの経営戦略に合わせた人事組織になってきたのかなと思っています。

現場の変化で行くと、来年の3月でHRBP組織を任されて3年が経過するのですが、「BP」というワードが広く浸透してきたなという印象があり、PMI案件や新組織組成時の調整など、HRBPが介在価値を発揮しやすいタイミングを現場も理解してくれて、後手に回らずにスムーズに進行管理や調整ができる機会が増えてきました。直近では人事部所属ではなく事業付けや本部付けになってもらいたいといったオーダーも増えてきていたりするため、今の組織の在り方にこだわりすぎることなく、事業を推進していくうえで必要な最善な打ち手を自らが手段の1つになるような差配も含めて、俯瞰して組織配置の最適化を進めていきたいなと考えています。

その他

ラクスルの大原さんもイベント後に上記のような質問に対してのコメントを書いてくださっているので、ぜひ企業ごとの違いも見てもらえると企業フェーズごとの考え方の違いや共通項など、参考になるのではないかと思います。

当日の進行は事前すり合わせとは全然違うw

事前準備のパートでだいぶ長文になってしまいましたが、当日の進行の様子も共有できればと思います。

パネラー側から見るとこんな感じでした。全然経験がなかったものでして、生放送ってこんなかんじでやるんだーとミーハーっぽく内心はしゃいでいましたw ライトが想像以上にまぶしかったです。

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実際に配信が始まると、パネラーがそれぞれ前を向きながら自己紹介をしていったのですが、シーンとしている空間で前に誰もいない中で話すことの難しさを感じました。

ディスカッション時間になると、パネリストのほうを向きながら会話できるので多少話しやすかったですが、それでもなんとなく緊張感ある現場でした。ボロが出ないように一言一言慎重にコメントしたつもりだったのですが、あとから振り返ってみると菅原さんの問いに対してジャストミートするような回答が出来ていないところもあり、反省しております(悔しい)

とはいえ、無事に初イベントを乗り越えることが出来ました!!!!
(パチパチパチパチ)

無邪気にパネリストの皆様にお願いして記念に一枚撮らせてもらいましたw
※あごのラインをきれいに映るように修正しておいてと依頼されたのですが、技術力が足りず申し訳ございません。

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上記、主催のglassy株式会社様に事前に掲載確認したら、ちゃんとした写真いただけましたw

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質疑応答に答えられなかったので

人事の勉強ってどんなことを?

人事やるよ!ってなってから数か月は比較的余裕があったので、入社初期に人事の勉強と合わせて学びなおしたりインプットしたことを箇条書きすると下記のとおりです。
・制度設計の概念理解や、人事の基本的な知識強化
※人事部メンバーにおすすめの専門書籍を聞いて読み漁りました。
※法律系は体系的な学習だけだと実務イメージがわかないので、セミナーなども年間10~20万くらいはコストかけて初年度は学びました。
・DMMの歴史を自分で語れるトレーニング
※ネット記事をひたすら読む
※歴史を語れる人の面接や面談に同席し録音して丸コピ
・管理会計データの読み込みと仮説建て
※ビジネスが沢山ありすぎてサービス理解が追い付かなかったこともあり、ビジネスモデルを自分で絵に書いたりしながら、解像度を上げるトレーニングをしました
・従業員の給与データを基に決算賞与のシュミレーション
※全従業員の給与と評価データを確認して全体感を把握するついでに、変動係数を用意してコスト感に対しての瞬発力を上げようと思っていました
・本部毎の人件費構造の把握と、就業規則のつながり把握
管理会計データと給与データを見ていると、本部ごとで特徴が見えてきたので、手当項目や就業規則の報酬に関わるような項目がなぜこうなっているのかみてみました
・資料作成の基礎力向上
※経理出身でExcelと専門システムのみでほぼ仕事していたので、ドキュメントでの資料作成能力を上げる必要性があり、ほぼ毎週部長とチームリーダーに壁打ちして「てにをは」レベルで指摘してもらうようにしていました。
・データ分析・可視化についての基礎学習
※エンジニアとデザイナー出身メンバーが人事の中に多くいて、デザインやエンジニアの基礎学習のポイントを教えてくれたのは最高にラッキーでした。
・人事部長から話聞く
※背景や意思決定経緯も含めて理解できるので一番腹落ちしました
※無邪気に聞ける空気を作ってくれた部長に感謝しかない

各社さんのHRBPの組織規模を知りたいです。
どのくらいの事業規模とかがHRBPに適していると思いますか
皆さまの部署は何名ぐらいいらっしゃいますか?
皆さんはどういう組織にHRBPが必要だと思われますか?

HRBPの組織規模で行くと、3000人に対してマネジメント2名、プレイヤー10名ほどです。なので一人当たり平均で行くと300人くらいですが、バラつきがあり100人~500人くらいの振れ幅があります。

適切な事業規模はHRBPという役割に何を期待するのかによって変わるのかなと思っており、たとえとして適切か微妙ですが、、、サッカーだとトップ下やボランチ、バレーボールだとセッターのように、一定の集団において味方でボールを回しながら前に進めていくことが求められるような競技においては、HRBPがそれらの役割を担うことでよい結果に結びつくことがあるのかなと。ただ、サッカーは11人、バレーは6人のように人数規模では定義することは出来ず、人数規模と競技ルール、対戦相手との相性や、他メンバーの能力などいくつかの要素によってその有用性や必要性が変わってくるのかなと思っているので、一概に事業規模で判断しないほうが良いかなと考えています。

野球や柔道のように、団体戦のように見えるものの、実態としては個人と個人のぶつかり合いであったり、個人の能力によって結果が変わりやすい競技においてはむしろ邪魔になることもあるので、型に縛られずにコーポレート側に回ってマネージャーやトレーナー的な役割として支えていくような柔軟な考え方と役割の変更を都度していくのが良いかなと思います。

どういうキャリアを積みたくてHRBPになろうと思ったのか知りたいです
どんなキャリアの人がHRBPに携わって欲しいというのはありますか
どのような資質がある人がHRBP担当にむいているとお考えでしょうか?
HRBP担当者が持つべき能力で一番大切なものは何でしょうか?

当時の私のキャリア志向性としては、「なんでもやりたいけど、なんとなくバックオフィス全般できるようになりたい」みたいな意識があり、社長室に入社した背景があります。3日目に「人事やって」と言われた時は驚きましたが、バックオフィス全般の中に人事部門も含まれていたため、「とりあえずやれるだけやってみるか!」という気持ちで人事並びにHRBPとしてのキャリアをスタートさせました。

HRBPのスキルやマインドについては上述しているので、経験職種や業界的なところでいくと、人事とコンサルの両方を経験しているような人が比較的早期にパフォーマンスが発揮されるなーという印象を持っています。

あとは、「勘が良い」「センスが良い」「空気が読める」「なんとなくの当たりがつく」といった、瞬時に察して最適解を導き出すことが現場との対話を前に進めるうえでは重要なので、知識と経験値が豊富で抽象度が高い問いに対して具現化する力強い人と一緒に働きたいなと思っています。

人事の専門性も身に付けて、会社の事業も把握するとなると、面白そうなお仕事ですが、大変なことも多そう(汗)。なので登壇者の方々に仕事の醍醐味を聞いてみたいです。

この質問に対してはイベント時には「異動調整後の活躍の話を聞くと人事やっていてよかった~」的な話をさせていただいたのですが、問いとズレた回答になっていたので改めて回答すると、HRBPとしての仕事の醍醐味は、経営推進の一員として事業に近いところでHRをする中で、自分が考えた組織構造や変革のタイムライン、そのコミュニケーションストーリーがハマったときに味わい深さというか、手触り感のある納得感というか、やり切った感を感じられるのが醍醐味なのかなと思います。

HRBPとして他部署入り込んでいくとき、何らか拒否感も発生するような気がします。色々な方法もあるかと思いますが、特に有効だったというような方法があれば教えてください。

特に有効だったことはないですね。
リスペクトありきで現場と対話し、信頼を勝ち得て、人事としてというより個人としてパートナーとして認めてもらえるように、必要なことは何でもやるというスタンスを持つこと、粘り強く向き合うことが重要かなと思います。

今までやってきた中でご自身が「事業を成長させることができたなー」と実感したエピソードがあれば教えて欲しいです。

成長戦略とコスト削減戦略と大別した際に、人事から目に見えやすく肌触りがあるのはコスト削減のほうだったりします。一方で事業サイドからすると売上成長につながっていないため、あまり介在価値を実感してもらえないこともありますが、人件費効率の向上のために間接雇用比率をあげたり、人員数/要員構成/人件費を指標においた打ち手が半年後一年後にじわじわ事業リスクを軽減させているなと感じることがあるので、そういうときには事業成長に関与したなーと感じます。

経営目線と現場目線の両方に合わせていくことは、実現するのはけっこう大変そうですね。皆さまどのような工夫や気遣いがあるのでしょうか。

目線を両方に合わせる必要性は必ずしもないので、あくまでフラットに意見を吸い上げて事実と意見を切り分けで情報整理をしたうえで、最適な意思決定をしていくことが重要だと考えています。

そのために工夫しているところでいくと、ヒアリング対象のだれしもが、何かしらのバイアスがあるという前提で話を聞くということと、短いパワーワードやセンテンスのみが先行し誤解が生まれないようなビジネスライティングは意識するようにしています。

面談はどれぐらいの頻度で実施されているんですか?

案件ベースで都度都度会話していたりするので、部署によってバラつきがすごいあるのが実態です。ただ、リーダークラスだと半年から1年に一回、部長クラスだと月に一回は定期で話せるような時期を決めて運用しているので、安定しているような事業でも定期的な接点をもっていくような工夫はしております。

コーポレート人事とHRBPとの連携はどの様にされていますか?制度系はきっとコーポレート人事が設計していると思うので歯痒い面もあるのではと思ったりします。

少し上述しておりますが、あくまで人事部という同じ箱の中でグループが分かれているだけの建付けで組織運営しているため、関係性が分断されないようにしています。あとは、現場とのコミュニケーションチャンネルに最初からコーポレート人事を追加したり、逆も然りにしていくことで、自然とべき論ではなく建設的な議論に発展していくため、まず情報を揃えるというところを意識しています。

HRBPとして業務の割合をお聞きしたいです。採用業務◯◯%など

HRBP担当ごとにバラつきがあります。そもそもどんな業務があるのかに関しても体系化しにくいのですが、私個人は人事のマネージャーをやらせていただいているため、人事内と現場の向き合いの時間でいくと7割が人事で、3割が現場くらいになっております。

どのくらい先を見て採用をしたり配属したりしているのでしょうか

HRBPの採用の話かなと思いますが、この3年くらいは、いくら増やしても現場からのオーダーが増えて、人が足りない状況になっているため、随時いい人がいたら採用は続けています。

あとは、経営戦略会議などの情報も人事管掌役員から共有をうけたりするので、その情報をもとに緊急度と重要度に合わせて採用にかけるリソース調整をしているような状況です。

コロナを経験したからこそ、得たものは?
コロナ禍のオンボーディング例を教えていただきたいです
オンボーディングでどのようなことをしているのか具体的に教えていただけますでしょうか。何か特色を出してますでしょうか。
コロナ終息後も、続けたいことはありますか?
フルオンラインになると会社への帰属意識がさがりませんか

コロナ禍で入社したHRBPのオンボーディングは非常に難しいものがありました。現場との信頼関係をオフラインで構築しなければならないこともあり、既存で信頼構築出来ているメンバーとセットで常に顔合わせをしながら、徐々に信頼関係を築いてもらうようにしていました。

しかし、ここに関しては確実に顔を合わせて対話したほうが関係構築スピードが速いため、できるだけ物理的にも距離を縮めながら現場との関係構築は進めていきたいなと考えています。

特色あるようなオンボーディングは特にやっていないですが、人事の中ではパーソナリティを開示する機会を作っていくために、入社早期に過去の経験値からの学びとDMMに入ってからの気づきみたいなことを勉強会という形で実施したりしております。資料づくりやプレゼンを聞くとその人の得意不得意なども見えてくるので、上司としては仕事の振り方の参考にもなっています。

求められたものの成果を出せないと思った時、一番に誰に相談しているのですか

求められた成果を出せないと思ったときは、求められているステークホルダーにそのまま成果が出せない要因だと思っていることを素直に相談しに行きますね。行き詰まりを感じたタイミングで10分くらい考えたり調べたりしてアクションイメージもつかなかった場合は、そもそも私が適任ではない可能性もあるため、そこは強がらずにイメージがついていないことを伝えて、フィードバックを貰うように心がけています。

まとめ

書き出したら結構な文量になってしまいましたが、ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。

初登壇イベントの所感としては、イベントのために色々と思考を巡らせたり、振り返りをしようと刺激になったり、副次的な効果が結構あるのだなと感じました。

「組織づくりに苦しむ多くの方々に貴社の取組みを知っていただければ」という気持ちでイベントはお受けしたものの、せっかくなので私もインプットを増やしたいなと感じています。ここまで読んでくださった方はおそらく何かしら近しい職種や業界の方なのかなと思っておりまして、皆様の会社の組織づくりおけるケーススタディを共有してもらえる機会をいただけるとうれしいなと考えています。

コロナ自粛もまだまだ予断を許さない状況ですが、全国的にも収束傾向にあることともあり、年明けにでもオフ会ができればと思っております。イベントでは話せなかった裏側話を共有させてもらいながら、互いに精進できるとよいなと思っていますので、もしご興味ある方いましたら下記リンクから「参加」をぽちっとお願いします。

■HRBPイベント
《開催概要》
日時|2022年 1月 20日 (木曜日)⋅午後7:00~9:30(終了想定)
会場|DMM.comサテライトオフィス
   東京都港区六本木 ※詳細は参加者へご案内いたします
内容|①【LT】DMM.com HRBPによる人事課題
    ∟採用ピッチ資料公開
     組織課題大公開
   ②【セッション】組織課題のリアル
    ∟弊社2-3人で対談形式
   ③【座談会】ウチの課題はヨソも課題
    ∟対談メンバーを中心に2-3組座組
     DMMをケーススタディとして各社の課題も一緒に考えましょう

ご応募はこちら↓から
DMMのHRBPってなにやってるの?現役HRBPがリアルな裏側を語ります!

もちろん、弊社で一緒にHRBPをしてくれる仲間も絶賛募集中ですので、いつでもご連絡待っております!

■求人
合同会社DMM.com 組織管理本部 人事部 HR Business Partner

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