近頃地震が多く、
遂に大地震が来るのではと
不安な日々を過ごしている。

棚の転倒防止を改めて確認したり、
扉が開いてしまわないように
食器棚にはストッパーを取り付けた。
食料の備蓄は大丈夫そう。
水はもう少し買っておきたい。

今日は停電になった時のために
モバイルバッテリーを買った。
PCの画面で見ても
どれも同じに見えるし、
いいものがどれなのか、
そもそも「いい」の基準さえもが
私の中で曖昧でさっぱりわからない。
高すぎず、安すぎず、レビューが悪すぎない
ほどほどのものをお試し気分で購入した。

新しいもの、便利なものは
日々増え続けていて、
それらを知ったり手に入れたりするのは
好きな方なのだけど、
「充電」という機能に特化したアイテムには
どうも楽しみを見出せず
最後はやっつけ感は否めなかった。

本当に世の中は便利だと思う。
例えば夕飯に食べたイカ飯。
生協で買った冷凍物だ。
入っている袋のまま皿に乗せ、
500Wのレンジで6分。
ほかほかしっとり
餅米もっちりのイカ飯ができあがった。
子どもらが食べやすいようにと
ナイフで切り分ければ、
切り口は音もなく反り返り、
冷めたイカを切った後の
落ち着いた実直な切り口とは異なる
暖かいイカ独特の旨味を目で楽しむことができた。

秋のはじめに食べたホタルイカの刺身も
同じく冷凍物だったけど美味しかった。
前の年までスーパーで買っては
今日のは上手い
今日のははずれだ
なんて言いながら食べていた。
それこそが醍醐味でもあるのだろうけど、
解凍すればぷりぷりで瑞々しいものが
口にできる感動を知ってしまったら
もう後戻りはできない。

冷凍なんて体に悪い、
添加物だらけと言われて育った世代だ。
なんとなく冷凍物は敬遠してきた。
しかし勇気を出して手を伸ばしてみれば
新しい世界が広がっていて、
料理は楽になり、
お弁当のおかずのバリエーションも増え、
いいこと尽くしだった。
なによりすごく美味しい。

冷凍についてならもっとずっと熱弁できるのだけど
やはりバッテリーに関してはそうもいかない。
そうもいかないのだけど
子が食べるイカ飯を横目に見つつ
バッテリーを買った、
バッテリーがよくわからないということを
酒を飲みながら熱弁してしまった。

結局行き着くところは同じなのだ。
わかってもわからなくても新しいものは面白い。
きっとまた私はなにかに感動しては熱く語るのだろう。

その時に美味しい食べ物と
美味しいお酒と
便利なアイテムが側にあれば
きっともっと話は弾むはず。

そしていつか必ず来るであろう大地震は
どうか家族全員が揃っている時であってほしい。