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ミュンヘンの街並みが見せる良くも悪しくも「きわどい」ライン

先日ドイツのミュンヘンに行ってきて考えたことをまとめました。今回はエッセーの最後で述べるまとめを冒頭にコピペしておきます。以下がおおよそこのエッセーで言いたいことです。
『ミュンヘンが選んだ中心市街地の在り方は都市計画のタスクの一つであるエリアのキャラクタライズとしては間違ってはいません。西洋が長い時間をかけて培ってきた古典主義やルネサンスは、都市における理性や調和を表現するものとして中心地には相応しい正しい判断です。問題はその後の建築的思考が不足していたことで、都市計画の問題ではありません。まず僕の一つ目の反省は建築と都市計画を混同して評価していたことです。またミュンヘン中心市街地のあの白いルネサンスもこれからの人々の生活で彩られていくことを想定した抽象性だったのかもしれません。何度も言いますがそれがベストではないことは事実です。ですが都市のデザインには時間的な奥行きが伴います。ミュンヘンは戦後復興において、まだ若い芝生が定着するのを待っている時期なのかもしれません。養生がひと段落したら「時代の顔」となるような花や木を植えていくのかもしれませんし、それは都市を時間をかけて育てていくという責任感のある態度だと思います。将来の庭の姿を考慮に入れず、現状の下地としての芝生の養生の段階だけを見て良くない庭だと否定するのはあまりに浅薄です。もちろん本当にミュンヘンにそういう考えがあるのかは分かりません(笑)。単によいしょとデザインしてしまったのかもしれません。いずれにせよミュンヘンという若い都市は様々な示唆をもたらす実に「きわどい」ものだったわけです。都市をもっと包括的に見れるようになる必要があるという反省と気づきがミュンヘンでの旅で得られたことでした。』

ミュンヘン中心市街地の街並み

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