中山道600km自転車旅ハネムーン(DAY9・一番うれしい里帰り)
こんにちは。アラサー女のOtamaです。
私達夫婦は2021年4月30日から5月8日にハネムーンチャレンジをしました。
自宅から目と鼻の先の「蕨宿(埼玉県)」からオットの生まれ故郷「京都」を結ぶ「中山道(約600km)」を自転車で駆け抜るというものです。
トラブルありケンカあり愛情ありの濃密な9日間。
それでは、しゅっぱ~つ!
中山道600km自転車旅ハネムーン(DAY8・言葉と食べ物はアイデンティティ)の続きです。
I. 雰囲気が似ている
6:00 起床。
実はこの日、滋賀県内の中山道沿いにオットの友人が住んでいるので会おうという話になっていたのてすが、その友人に私達の現在地を伝えると、もう自宅を通り過ぎてしまっているいう。
そのため、その友人が近江八幡に車で会いに来てくれることになりました。
7:30
ホテルのレストランで和食朝食をいただいていると、60代後半くらいのスタッフの男性が私達に声をかけてくれます。
彼は昨夕、私達のチェックイン時にカウンターで対応してくれた方で、夕食を食べに行った「鉄板どころ 吉田」を紹介してくれた方でもあります。
その彼が言います。
「君達良い夫婦だね。雰囲気が似ているよ。」
続けて、
「奥さんは一見性格キツそう(?!)だけど、二人の会話を聞いていたら優しい人だと分かる。いい嫁さんを見つけたね。」
(あの時は私をベタ褒めして下さりありがとうございました。)
雑談を続けると、その男性とレストランで食膳をしている女性は地元が近江八幡で、しかも同じ小学校に通っていたのだそうです。その女性いわく、
「この人(男性)の実家は良い家で、車で送り迎えをされるんだよ。当時、そんな子どもは他にはいなくてすごく珍しかったんだよ。」
とおっしゃいました。
男性は照れくさそうにその話を聞いていました。
II. その娘(こ)は誰?
9:00
オットの友人がホテルに到着したと連絡があったので、準備をして入口に向かいます。
友人とオットは、お互いの姿が目に入るなりテンションが急上昇。
オットは走って友人のもとに駆け付け、二人は小さくジャンプをして再会を喜びます。
そしてオットは軽くハグをするように友人の腕をポンポンと叩きます。
一方私は面食らいます。オットの友人って・・・女の子なの!!?
どこかゆっくりできるところに入って話そうということになり、彼女いわく近江八幡と言えば「ラ コリーナ近江八幡」ということなので、彼女は車で、私達は自転車で向かって再集合しました。
9:30
「ラ コリーナ近江八幡」到着。
彼女は先に着いて、自転車置き場で待っていてくれました。
「・・・ところで、お二人の関係は?」
おそるおそる私が聞いてみると彼女は、
「もー!説明しておいてよ!」と言って呆れた顔でオットを振り返ります。
大学時代のクラスメイトでした。
仲良しグループのメンバーだそうです。
良い人そうなのがすぐに分かったので私もホッと安心しました。
さて、ラ コリーナ近江八幡に入ると、そこはまるでジブリのような世界が広がっていました。
大きな三角屋根が特徴の長屋の屋根には苔が生えています。
この苔がきちんと育つように、一定の時間に水が天井から流れるそうです。
店内に入るとクラブハリエのバームクーヘンやたねやのどら焼きなどが購入できるメインショップがあります。
今夜はオットの実家に泊まるのでお土産を購入しました。
10:00
メインショップにあるカフェでは名物のバームクーヘンを頂きました。
二人の大学時代の思い出話を聞いたり、オットの近況報告などを話し、とても楽しい時間を過ごしました。
III. ウィリアム・メレル・ヴォーリズ
オットの友人いわく、滋賀県民なら全員知っているという方が「ウィリアム・メリル・ヴォ―リズ」だそうです。
彼は建築家であり、事業家でありそしてキリスト教の伝道者でもあります。
彼の建築物は全国各地に数多く残りますが、例えば「神戸女学院」「山の上ホテル」「大丸心斎橋店」などをあげておきましょう。
また誰もが知っている「メンソレータム」を日本に持ち込んだのも彼です。
彼は近江八幡に住み、様々な功績を残しました。
オットの友人と別れた後、せっかくなのでヴォーリズゆかりの地を見て回りました。
まずは「ヴォーリズ記念病院」へ。
ここはラ コリーナ近江八幡の隣にあり、ヴォーリズが創立した病院です。
そしてヴォーリズ学園を抜けて旧宅へ。
ここは彼が後半生に過ごした自邸です。
彼の建築物や志が今でも大切に受け継がれており、彼が地元の方々にとても愛されていたことがよく分かりました。
IV. 一番うれしい里帰り
12:00
さあいよいよ、京都・三条大橋に向けて出発です!
大学時代、滋賀県のキャンパスに通っていたオットは「ここ来たことある。」「通学でこの駅使ってた。」という場所を通過し、京都に近づいているという実感がわいてきました。
琵琶湖を越え、大津市内に入るとついに・・・
「京都まであと13km」
この案内標識をどれほど待ち望んだことか・・・
しかしオットが言います。
「あ、もう一つ上りがあるからね。」
ここまで来ても簡単にはゴールはさせてくれないのですね・・神様・・。
もう自転車で駆け上がる力がありませんので私は歩いて進みます。
オットは見慣れた土地に来て元気が出たのか自転車に乗ったまま前に進み、時々振り返っては「頑張れー!頑張れー!」と私を励まします。
そしてついに・・・ついに・・・
喜びも束の間オットが言います。
「一回下ってもう一回上るねん。」
くー!さっきの言い方は一回だけの上りだと思ったぞ・・・
最後の最後「日岡峠」を越えます。
そして峠を下りきり、ついに中心部に入ります。
生まれ育った故郷の町並みを見て、オットはつぶやきます。
「京都に着いてこんなにうれしい気持ちになったの初めてや。
今までで一番うれしい里帰りや・・・」
15:30
三条大橋の前の交差点で赤信号にかかります。
右手に見えるのがゴールの三条大橋です。
オットと二人でソワソワ、ソワソワ・・・
私達の前にいる若い男性二人は振り返り、いぶかしげに私達を見ます。
そして・・・
信号は・・・「青」に・・・!!
ゴールの三条大橋、到着ーーーーーーー!!!
インカメで二人で記念撮影。
そしてオットは様々な思いを巡らせ、鴨川のほとりを眺めます。
この9日間、トラブルに振り回され、大粒の雨に打たれ、大粒の涙を流し、夫婦の絆が深まり、行く先々で素晴らしい方々との出会いがあり、応援して頂き、絶景に囲まれ、美味しい食べ物を頂き・・・
「サイコーなハネムーンでした!」
各地でお世話になった方々本当にありがとうございました。
そしてここまでお付き合いいただいた読者の皆様ありがとうございました。
V. エピローグ
オットの実家に直行する前に、9日間動き続けてくれた体を労わろうということでマッサージ「日吉堂」へ。
90分コースでたっぷりと施術してもらいました。
マッサージを受けるとき、私はなるべくスタッフの方とは会話をせずにただ気持ちよさを感じていたい派なのですが、オットは「今のツボはどこに効くんですか?」「どこの筋肉が張っていますか?」など質問攻めです。
スタッフの方も知識が豊富で、たくさん説明してくれました。
施術が終わると信じられないくらい体が軽くなりました。
実はこの翌日、多少の疲労と体の痛みは残っていたものの想像以上の回復をしました。これは間違いなくこのマッサージのおかげでしょう。
そしてオットの実家に向かうと、お義母さんが自宅近くまで出て来て私達を待っていてくれていました。自宅に着くとお義父さんと、大阪から駆けつけてくれた義理兄さんファミリーも出てきてくれ、家族写真を撮りました。
その後は最高級肉のすきやきと「完走おめでとう」のプレートが付いたチョコレートケーキとともにみんなでお祝いしました。
本日の移動距離50km
(「武佐宿」滋賀県近江八幡市~「三条大橋」京都府京都市)
これにて、、、完!
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