出会いと別れ

ボランティアをはじめて、これまでは出会うことのなかった方たちと出会うことになった。

入院をしている子
そのご家族
看護師さん
保育士さん

入院をしている子たち
これがまたみんな面白い。
新生児から中学生まで、小児科病棟はとても賑やか。
出会った時は4歳だった男の子が、ボランティアでマッサージをされるのをとても楽しみにしていた。
ママに行うボランティアのはずなのに、ママのマッサージが終わって部屋を出てしまった私を呼ぶ。
しかも大声で(笑)

「まっさーじのひーとーーー‼︎ぼくもしてくださぁぁぁーーーい‼︎泣」

見兼ねた師長さんから、その子も3分ほどマッサージしてもらえないかと言われ、タイミングがあえばその子に触れることにした。

今思えば、タッチセラピーの凄さを自分自身実感したのはその頃かもしれない(と、今思う)

その子は、病棟のなかでも一際目立つ子。
何故なら、点滴を引っ提げてウクレレを肩から流しの様に持ち、サングラス🕶️を着け病棟を歌いながら歩く。
もうそれだけで「映え」なのである(笑)


その後、5歳になり
「オレはもう5歳になったから、マッサージはやめる」と宣言された。
大人になったからマッサージはやめるというもの。
ま、まぁいいだろう。
普通は大人になるとマッサージの虜になるものだが、彼の場合は何かしら卒業しなくてはと思ったのだろう。

彼の最近の姿を知る機会があったのだが、実は彼は現在YouTuberになっており、ウクレレを弾いている。

ほんと、最高‼︎‼︎

是非ご覧頂きたい‼︎


そして別の出会いは…
病院で働かれている保育士のかこ先生。
密かに私はこの先生をスーパー保育士と呼んでいた。

私は娘を育てるにあたり、保育園に通わせ、沢山の素敵な保育士さんを知っている。
が、このかこ先生はズバ抜けて凄い。
本来、病院って静かにしなくていいはいけないんじゃないの???
と思うくらい、遠くの病室からかこ先生の声が聞こえる。
(もちろん時と場合で音量は変わるからね)

そして子どもだけじゃなくて、ご家族のことも、医療スタッフのことも皆んなを笑顔にできる。
そして何より寄り添い力が半端ない。
こんな人初めて。
これが私の印象。
私がボランティアをはじめて1年が経過した頃、かこ先生はご自身を待っててくれる場所が他にもあると、東京へ行かれた。
その時は本当に本当に寂しかったのを覚えてる。
私だけじゃなくて、関わって来られた皆さんがきっとそう思われたことだろう。

後にかこ先生が居ない病棟では、長期入院をされているご家族が、そのかこ先生のパワーを受け継ぎ、新しく入院されてきた子やそのご家族の力になられているように映っていた。

なんか、それも凄いことだと心が震えた。


あと、このボランティアをするにあたって避けられない別れが「死」

病気と戦って戦って、その後天使になっていた子たち。
私も数名の子や、そのご家族と関わらせていただいた。
ご家族から、子どもさんへの触れ方を教えて欲しいといわれ、優しく撫でるように触れるということの大切さを自分自身が確信へと繋がった。

例え意識が戻らないとしても
触れることで変化が見られることもあった。

ひとりのママから
「◯◯が亡くなる前、サオリさんに言われた様に触れていたんです。最期はとても穏やかに、気持ちよさそうに旅立っていきました。ありがとうございました。」という伝言を頂いた。


その子が亡くなったことは、ボランティアへ伺う途中の斎場に名前があったのを見つけていて、もしや…と思いながら病院へ。
到着してからその伝言を受け取った。

どんなに辛かったろう。
離したくなかっただろう。

考えても親御さんの心中をお察しすることくらいしかできなかったが、私がお伝えしていたことがお役にたてたと言うことも同時に受け取れた。

私は自分の為にとスタートしたボランティアが、続けていくうちに誰かのお役にたてているのだと実感ができた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?