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笑うカイチュウ―寄生虫博士奮闘記


笑うカイチュウ―寄生虫博士奮闘記

 寄生虫博士として有名な、藤田紘一郎さんの著書です。
 カイチュウをはじめとした、寄生虫についてのエッセイ集です。

 とにかく、面白いです(^^)
 知られざる寄生虫の生態や、それに関わる人間模様が、具体的に書かれています。
 笑いながら、寄生虫についての知識が付きます。楽しめるうえに、お得な本ですね(^^)

 藤田さんは、「日本人にアレルギーが増えたのは、寄生虫が減ったからだ」という自説を展開してらっしゃいます。
 その言い方は、少なくとも、本書の段階では、押しつけがましくありません。読んでいるうちに、「そうかもなあ」と思えてきます(笑) 一理はある考えだと思います。

 以下に、本書の目次を書いておきますね。

はじめに

第一章 カイチュウ復活、知らぬ医師
 カイチュウの卵とじ
 美人に絞め殺されたカイチュウ
 有機栽培野菜によるカイチュウの復活
 医者の知らない病気の正体
 たかがカイチュウ、されどカイチュウ
 カイチュウの駆虫デー
 僕の仇名は「明星のイモ」
 糞便検査はなぜ消えたか
 手洗い知らないお母さん

第二章 寄生虫が語る僕たちへの教訓
 サルの花粉症と寄生虫感染
 アトピー性皮膚炎や花粉症が増えた理由
 寄生虫とヒトとの共生の妙
 子孫を残すためだけに生きるカイチュウ
 寄生虫の異常な性行動
 抱き合っていないと育たない?
 寄生虫の求愛行動と恋愛感情
 セックスだけに生きる結末
 トイレ考古学の先駆けになった寄生虫卵
 寄生虫卵が語る古代人の食生活

第三章 ペットかわいや寄生虫は怖い
 失明をおこすイヌ・ネコカイチュウ症
 僕はドロボーではない!
 砂場を黄害から守れ
 テレビ『近未来研究所』
 お役所はたいへんだ
 火つけ役はだれだ
 データを読むむずかしさ
 くせ者の人畜共通寄生虫病
 イヌに癒してもらう日々
 ペットは心のお医者さん
 など

第四章 家庭より、やはり野におけ野生動物
 甘党アライグマの襲撃
 恐ろしいアライグマのカイチュウ
 エキノコックスとキタキツネ
 礼文島の野ネズミ退治と毛皮収益
 キタキツネは増えすぎたか
 自然保護か風土病の撲滅か
 輸入ザルと爬虫類の汚染度は
 すべてのサルは赤痢アメーバをもっている

第五章 食のタブー忘れたグルメの罠
 精力剤「ドジョウの躍り食い」
 ガッコウチュウの複雑な生活史
 ライギョの刺身と奇病
 自ら寄生虫病の患者になった先人の迫力
 「動くコブ」に悩む人
 強壮剤「ヘビの生血のワイン割り」
 一四年間にへそから首に移動したオデキ
 ぜんそくに効く「ナメクジの丸飲み」
 カニしてくださいお飾り料理
 「おぼろ汁」を知ってるかい
 など

あとがき
文庫版あとがき
解説 小さきものの側から  平田オリザ



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