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シルクロードのガラス―時空を超えた魅惑の輝き (MUSAEA JAPONICA)


シルクロードのガラス―時空を超えた魅惑の輝き (MUSAEA JAPONICA)

 ガラスの誕生から、こんにちまでの歴史をたどった本です。

 題名は、『シルクロードのガラス』ですが、ガラスが誕生し、発展したのは、ほとんどシルクロード沿いの地域です。事実上、ガラスの歴史の本となります。

 ただし、中世以降のヨーロッパのガラスについては、載っていません。ボヘミアのガラス、ヴェネツィアのガラスなどですね。
 載っているのは、古代エジプト、ローマ帝国、ビザンツ帝国(東ローマ帝国)、ササン朝ペルシア、イスラム世界、中国文明などのガラスです。

 ほぼ全ページに、カラーで、ガラス製品の写真が載っています。美しいです(^^)

 文章のほうも、手を抜かず、きちんと解説しています。
 「きちんとし過ぎて、難しい」と感じる人もいるかも知れません。
 でも、私は、好感を持ちました(^^)

 ガラスの歴史について、ひととおり知りたいなら、この本をお勧めします。
 ユーラシア大陸と、北アフリカの一部地域でのガラスの歴史は、これ一冊で、おおむね、わかります。

 以下に、この本の目次を書いておきますね。

はじめに
ガラス歴史年表
シルクロードのガラス地図
美の探求、そしてガラス

第1章 ガラスの開花
 〔ガラスの誕生〕 北メソポタミアのビーズ/ミュケナイのビーズ/
 エジプトの象嵌ガラス/コアガラス/メソポタミアのコアガラス/
 地中海のコアガラス/フェニキアの人頭ビーズ/
 目玉ビーズとペーストガラスビーズ/鋳造ガラス/リブ装飾碗/
 熱垂下法/ パテラ杯/千華文(ミルフィオリ)容器/モザイク板/
 人面装飾ビーズ/ 首飾り/装身具

第2章 ガラスの爆発
 〔産業としてのガラス生産〕 ゴールドバンドガラス/カットガラス/
 型吹きガラス/宙吹き瓶/片手付瓶/様々な装飾瓶/坏と碗/
 蓋付筒形小箱/ 二連瓶/様々なかたち/ランプ/ビザンツガラス

第3章 ガラス、西へ東へ
 〔ガラス、世界へ〕 突起文装飾碗/カット装飾ガラス碗/
 ササン朝のガラス

第4章 イスラームガラスの展開
 〔イスラームガラスとは〕 貼付装飾ガラス/カット装飾ガラス/
 透明カットガラス/型吹き装飾ガラス/エナメル彩装飾ガラス/
 メダイヨン/ ステンドガラス/イスラームの装身具

第5章 中国のガラス
 〔中国文明の中のガラス〕 戦国玉/動物形ガラス/
 明器(副葬用)のガラス

■コラム
 香油とギリシア文化
 古代ローマの食卓
 ガンダーラのガラス
 薔薇水瓶・コホル瓶

■コラム[ガラスの色]
 青色とガラス
 金色とガラス
 緑色とガラス
 無色とガラス
 黄色とガラス

ガラス工芸および古代ガラスの関連書
美術館紹介 平山郁夫シルクロード美術館



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