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ニホンミツバチの社会をさぐる


ニホンミツバチの社会をさぐる

 ミツバチにも、いろいろな種があることを、御存知でしょうか?
 本書は、日本に分布するニホンミツバチについて、解説した本です。

 一般的に、養蜂【ようほう】に使われるのは、セイヨウミツバチという種です。本来は、ヨーロッパに分布する種です。ニホンミツバチとは、種が違います。
 普通に食べられている蜂蜜は、セイヨウミツバチから採れる蜂蜜です。

 日本に、もともと分布するのは、ニホンミツバチです。なのに、なぜ、日本の養蜂でも、セイヨウミツバチが使われるのでしょうか?
 そもそも、ニホンミツバチとセイヨウミツバチとは、どう違うのでしょうか?
 ニホンミツバチからも、蜂蜜は採れるんでしょうか?

 こういった疑問に、本書が答えてくれます(^^)

 ニホンミツバチの社会は、知れば知るほど、面白いです。他種のミツバチへの関心も、広がります。ニホンミツバチを知るには、他種のミツバチも、知らなければならないからです。

 ニホンミツバチに限らず、ミツバチの仲間は、何万匹という個体が集まって、集団生活をします。それだけの集団を維持するのは、大変なことです。
 ミツバチの社会には、集団生活をうまく維持する工夫が、詰まっています。そこが面白いんですね。

 例えば、巣の中が暑くなりすぎると、ニホンミツバチも、セイヨウミツバチも、たくさんの働き蜂が、出入り口に出てきます。そして、みんなで翅【はね】を動かして、風を起こします。そうやって、巣の中を冷やすんですね。

 こんな方法を、小さなハチが知っているだけで、びっくりです。
 さらに、興味深いことに、ニホンミツバチとセイヨウミツバチとでは、この風の起こし方が、違うことがわかってきました。
 その違いについても、本書で解説されています(^^)

 以下に、本書の目次を書いておきますね。

はじめに

I ニホンミツバチというハチ
 1 ニホンミツバチと世界のミツバチ
 2 固有の野生種か、家畜か
 3 たくみに見つける営巣場所
 4 伝統巣箱と近代巣箱
 5 趣味養蜂のすすめ
 6 煙いらずの蜂群管理

II 女王蜂と雄蜂【おすばち】
 7 王台先端にあらわれる繭【まゆ】
 8 変成王台と働き蜂産卵
 9 交尾飛行時刻と交尾場所
 10 女王蜂の人工授精
 11 雄蜂巣房の蓋にある小さな穴

III 働き蜂
 12 分蜂群【ぶんぽうぐん】が集結するのは、幹か、枝か
 13 ランに誘引されるハチ
 14 巣板を刺激すると敏感に反応
 15 巣門での扇風は送風か、排気か
 16 働き蜂の特異な翅音【はねおと】
 17 病気や害敵に強い
 18 スズメバチの防御は発熱で

IV 生産物と花粉媒介
 19 まろやかな風味のハチミツ
 20 ローヤルゼリーの採取は困難
 21 プロポリスは集めない
 22 期待できるポリネーター



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