うつ病のお話③うつ病の前と後
②の続きです。
価値観の変化
その会社では、悩みながらもだんだんと自分の価値観が変わっていくのを感じた。「フルタイムで頑張らなきゃ」とか、そういうの。「イヤそんなん人によってキャパ違うから」って、あっさり思えるようになった。
Twitterを見るようになったり、多様性という時代の流れ、HSPが有名になったことなんかもあるのかな。
HSPに関しては、実は7年前くらいに知って自覚していたけれど、当時は驚きとともに気持ちが少し楽になっただけで、どうにもできないと思っていた。「この普通に生きられない感じはHSPだったんだ」と、心のなかでそっとお守りにしていた。
今は情報過多で、見ていると逆に自分違ったかな?となって疲れてしまう。もう心底どっちでもいいし、こだわりもないのだけど。
ただ(HSPに限らず)〇〇な人がいるんです、という発信が増えることで、「自分の生き方でいいじゃん」ってみんなが言える世の中に変わっていくんだろうな、とは感じている。
私も2年くらいかけて、自然とそう思えるようになった。時代の後押しがなければ、きっとこんな心境にはなれなかった。
じゃないと、こんな無職生活、何ヶ月も楽しく過ごせないと思う。
ずっと苦しいくらいなら、辞めよう
これまで自分も働いていたから、貯金という心の余裕があるのは確か。
でも。
お金のために…
どんなに嫌な人がいても、体や心がしんどくても、自分のことをめちゃくちゃキライになっても、辞めない。
何度も何度もやっぱり死にたいと思ったし、調子がよくなってはまた落ちてを繰り返す。
「自分は死んでると思え、なにも感じるな」と思いながら家を出る日もあった。
そんな働き方、全然幸せじゃない。
また同じように苦しむために、私は死ななかったんじゃないのに。
もっと違う景色を見てみたかったのに。
とりあえず適当に生き直すことなんて、ちっとも出来ていなかった。
結局派遣切りで、そこを辞めることすら自分で決められなかったけれど、これからは絶対にあんな働き方はしない、ということだけは決めた。
これからのこと
こんなどうしようもない私の、いまの夢。
「仕事が楽しい」「やりがいがある」って、思ってみたい。
夢というほど、大袈裟なものではないのかもしれないけど。
でも「自分なんかにできるかな」と思うようなこと、それを叶えたいと思うのが夢なのだとしたら、これが私にとって紛れもない夢。
今までは、生きてるだけで必死だった。でも今は、そんなことを考える余白が十分にある。
ここ数年は、仕事がしんどくてうつをぶり返しても、別に生きてるだけで苦行というわけじゃなかった。気の合う夫がいて、趣味もある。何も持たないまま、空っぽの人生をしんどいと思っていた時とはぜんぜん違うから。
いろんなことを楽しめるし、自己否定に走りすぎることもない。急に死にたくなったりもしない。
私のうつは、もう寛解しているのだと思う。
♢
最近思うのは、いろんな人たちの生きづらさの発信を見ていて、「自分もあの時に飛び込んでたらよかったな」ということ。
病んでるままじゃできない、だって自分がグラグラなのに…だけど、それでもやっている人が世の中にはたくさんいて、みんななんだか楽しそう。
そういうことがやりたいのか?と言われれば、たぶんそうなんだと思う。10年くらい、誰に言われなくても日記ブログ書いてたんだし。
今は、コロナのおさまらない世界を眺めながら、平熱の高い自分はどう生きていったらいいのか?など、穏やかに考える日々。
楽しんだもん勝ちの人生を、自らの手で、楽しく。
そんな生き方ができるように。