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大月書店通信*第144号(2021/1/28)

「大月書店通信」第144号をお届けいたします。

「赤ちゃんはどうやって生まれるの?」と子どもに聞かれたらどう答えますか?

この数年で再び関心が高まっている性教育。思春期からで十分では? と思いがちですが、ユネスコの「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」では、就学前から性教育を始めるべきとされています。

でも、どこから伝えていいのか、いつ伝えればいいのか。難しいですよね。

今月刊行のようこそ!あかちゃん――せかいじゅうの家族のはじまりのおはなしは、英国で5~7歳以上の子ども向けに作られた絵本です。男女の体の違いから始まり、性交・受精・妊娠のプロセスから出産までを、ぼやかすことなく科学的に説明しています。

性や家族の多様性に最大限配慮された描写も特色です。自然出産だけではなく、人工授精や帝王切開もひとつの生まれ方として描かれます。同性カップルやひとり親、養子縁組、障害のある親も描かれ、肌の色やファッションも多種多様。

家族にはいろいろな形があり、それぞれが素敵なんだ。そんなメッセージが本全体で表現されています。

多様性と人権を尊重した性のありかたを、大人も一緒に考える手がかりになれば嬉しいです。

【新刊案内】『ようこそ!あかちゃん』ほか1月の新刊

1月の新刊です。お近くの書店にてお求めください。

●生命のふしぎと性のたいせつさを伝える絵本
ようこそ!あかちゃん――せかいじゅうの家族のはじまりのおはなし
レイチェル・グリーナー[著] クレア・オーウェン[絵]
艮 香織、浦野匡子[訳] 2,200円(税別)

子どもに尋ねられても、もうはぐらかさない、ぼやかさない! 受精から妊娠の経過、出産まで、科学的な説明と人権・多様性をふまえた描写で、低学年から手渡せる。性教育の国際スタンダードを反映した、英国発の最新絵本。

●古くから人気の動物・植物の文様を紹介
日本の伝統文様をさがそう 2 動物園・公園で楽しむ文様
熊谷博人[文・絵] 3,000円(税別)

古くから動物や植物は人気の文様。祈りをこめて描かれた動物文様は、次第に生き生きと楽しい文様も作られ、季節感を表す植物文様はオシャレだと好まれました。あなたが文様職人だったら動物園や公園に行ってどんな文様を作る?

●特集=“コロナ後”のあるべき社会を考える
季刊 自治と分権』冬号 no. 82 1,000円(税別)

●首長インタビュー(影山剛士 静岡県湖西市長)●“コロナ後”の地域医療
はどうあるべきか(邉見公雄 全国公私病院連盟会長)●敗戦処理・菅短命政権の新自由主義的強権政治(二宮厚美 神戸大学名誉教授)ほか

●特集=部活動の今、これから
月刊 クレスコ』2月号 no.239 500円(税別)

部活動の過熱による子どもの疲労、教師の長時間労働などが問題となり、文科省は土日の部活動を地域に移す方針を出した。子どもの成長・発達を大事にする自主的な部活動のあり方を、学校と地域で一緒に考えるための特集。

【イベント】『地球が燃えている』刊行記念オンライン企画

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★ 『地球が燃えている』刊行記念オンライン・イベント ★
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11月新刊『地球が燃えている――気候崩壊から人類を救うグリーン・ニューディールの提言』(ナオミ・クライン著)の刊行記念オンライン・トークイベントです。

「気候危機とコロナ後の世界を考える」

日時:2021年2月7日(日)15:00~
ゲスト:
市原あかね(金沢大学教授 エコロジー経済学)
中野真紀子(『地球が燃えている』共訳者/デモクラシーナウ・ジャパン代表)
司会:松岡 等(北陸中日新聞 記者)

参加費:500円(税込)★Zoom配信(見逃し配信あり)
主催:石引パブリック(金沢市)

☆詳細・お申し込み・お問い合わせは以下のリンクからお願いいたします。

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★ 斎藤幸平さんを迎えた『地球が燃えている』刊行記念イベント報告 ★
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1月21日に開催された『地球が燃えている』刊行記念オンラインイベント「私たちに必要なのはシステムチェンジだ ~斎藤幸平さんと考える、気候危機を生んだシステムから脱却後の世界像」(FoE Japan主催)には、なんと600名超の方に参加をいただきました!

近著『人新世の「資本論」』が16万部を突破、NHK『100分 de 名著』で資本論の指南役を務めるなど注目の論客・斎藤幸平さんと、気候問題に取り組む若いNGOスタッフの皆さんのあいだで熱いディスカッションが繰り広げられました。

内容の概略と斎藤さんのスライド資料がFoE Japanのブログに掲載されましたので、当日聞けなかった方もぜひお読みください。

【お知らせ】「気候変動と資本主義を考えるブックフェア」展開中!

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★ 「気候変動と資本主義を考えるブックフェア」引き続き展開中! ★
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大月書店・堀之内出版 共催のブックフェア。以下の店舗で新たに展開いただいています。

☆くまざわ書店ペリエ千葉本店(1月15日~)
☆くまざわ書店八王子店(1月20日~)
☆横浜国立大学生協書籍部(2月1日~予定)

*開催店舗募集中!

ブックフェアの詳細は以下のリンクをご参照ください。

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★ NHK「100分 de 名著」資本論が話題に。国民文庫でチャレンジを! ★
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NHK「100分 de 名著」、1月はマルクス『資本論』が全4回で解説され、大きな話題となりました。

スタジオに並べられていた、小社の真っ赤な国民文庫版『資本論』は、講師の斎藤幸平さん(大阪市立大学)からも「最良の翻訳」との推薦をいただいています。

資本主義批判と社会変革の思想家として、今なお魅力を放ちつづけるマルクス。関心をお持ちになった方は、ぜひ『資本論』をお読みください。

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★ 追悼 半藤一利さん ★
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作家の半藤一利さんが1月12日に逝去されました。小社からは、ご自身の戦争体験を描いた絵本『焼けあとのちかい』を2019年に刊行させていただきました。心よりお悔やみ申し上げます。

☆1月30日(土)23時~
NHK Eテレ「ETV特集」にて、半藤一利さんが特集されるそうです。

【編集後記】

アジア太平洋戦争がいかに始まり敗戦にいたったのか、半藤一利さんが数々の著作で昭和史を解明してこられた原点には、中学2年生のときに東京大空襲で九死に一生をえた体験がありました。その体験をまとめたのが絵本『焼けあとのちかい』です。「戦争だけは『絶対に』はじめてはいけない」という言葉で本書を結んだ半藤さん。半藤さんのメッセージを多くの方々に受け取っていただきたいです。心よりご冥福をお祈りいたします。(子)

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