井崎英典さんの本から学んだ美味しいハンドドリップコーヒーの淹れ方
コーヒーの本を読んでハンドドリップの方法を変えてみたら、自分好みの味で淹れることができました。覚えておきたい手順をメモします。読んだ本は『理由がわかればもっとおいしい!コーヒーを楽しむ教科書』(井崎英典 2020 ナツメ社)。
ざっとまとめると、豆を粗く挽き、お湯と豆の量を決まった比率に基づいて決め、注湯は時間の経過を手がかりに4回で行うという方法です。
豆の挽き方
豆は粗めに挽きます。店で頼む場合は「中粗挽き」を注文します。本には挽き具合が写真で紹介されていました。
豆の量の決め方
お湯と豆の重さの割合を100:8にします。お湯、つまり作りたいコーヒーの量を200gにしたいのであれば、挽いた豆を16g用意します。
この際、豆の重さはスケールで計ります。豆用のスプーンは量がブレるので使いません。豆は焙煎度合いによって密度が変わります。スケールに豆を乗せて計ったあとで挽くのが正確です。
お湯の注ぎ方(200g抽出の場合)
4回に分けて注ぎます。
お湯の量は40g(20%)、40g(20%)、40g(20%)、80g(40%)。
注ぎ始めるタイミングは0:00、1:00、1:30、2:00です。
1湯目(0:00、攪拌あり)
40gのお湯を注ぎます。水流は細く。目的は粉全体をお湯に触れさせること。いわゆる蒸らしです。
攪拌をします。お湯を注ぎ終わったらドリッパーを水平に揺らし、お湯を回します。全ての粉をお湯に触れさせるためです。
2湯目(1:00)
1:00の時点で40gのお湯を注ぎます。水流は1湯目より太くします。1:30で次が来るので早く注湯するため。また、お湯を早く通すことで悪い味が出にくくなります。
3湯目(1:30)
1:30の時点で40gのお湯を注ぎます。2湯目と同じ要領で。
4湯目(2:00、攪拌あり)
2:00の時点で80gのお湯を注ぎます。水流は2、3湯目より更に太く。
攪拌をします。お湯を注ぎ終わったら、ドリッパーを水平に揺らしてお湯を動かします。蒸らしの時と同じ要領です。
全てのお湯を落としきったら完成。
抽出の成否を見る方法
抽出が終わったあとのドリッパー上の粉の様子から、良い抽出だったかどうかを見ることができます。
粉が平坦になっていれば成功。真ん中がへこんだすり鉢状になっていると失敗。
アイスコーヒーを淹れる場合
お湯の量と注湯の回数を変えます。
お湯はホットのときの60%に。のこり40%は氷をサーバーに入れておきます。
注湯の回数はホットの手順から3湯目を抜きます。その分、4湯目では全体の40%ではなく60%のお湯を一気に注ぐことになります。
感想
最後まで落としきる?
「え?」と思ったのが、最後4湯目をいつ終えるかについて。最後まで落としきるという考え方はなかなか聞きません。
多くのコーヒーノウハウでは、最後はお湯が落ちきる前にドリッパーを外すとされています。そうすることでエグみを避けることができるという理由で。自分もこれまでずっとそうしてきました。
著者の井崎さんは、2014年にワールドバリスタチャンピオンシップという大会でアジア人として初の優勝を成し遂げた人物。試す価値は当然あると思い、この手法を取り入れてみました。
美味しい
実際、淹れたコーヒーは自分好みの味で美味しかったです。店で飲むコーヒーのような味が出せました。
プロの手法なので当然「味の安定」を目指しています。この手法を繰り返せば、自分でも常に美味しい味を楽しめるということ。毎回毎回「今日は美味しい」「今日は失敗」と右往左往せずに済みます。
試してよかったです。
出典、書籍紹介
コーヒーの淹れ方のほか、コーヒーの味の決まり方や産地の話といった基礎知識、プロが気にしている専門知識や科学実験?に近いような話を、豊富な絵や図を交えて説明してくれる本です。
2020年発行で比較的新しいため、デザインも記述も読みやすいです。
コーヒーに興味関心がある全ての方におすすめ。
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