コミュ力を勘違いしがちな若者を語る王騎

LINEを始めSNSが普及した昨今、就職氷河期以上のおっさんが学生だった頃と比べて、今の若者は他者とのコミュニケーション頻度が爆増しています。だとするとコミュ力お化けの若手人材が多数世に出て来て、おっさん達は早々に駆逐されそうですが、そうはなっていません。なぜだと思いますかァ?ンフフフフ
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コミュニケーション頻度が爆増したと言っても、若者の多くは「同世代限定」だからですよ。せいぜい親兄弟か友人とのやり取りが増えたというだけ。それは世代に関係なく、若者とはそういうものだから良いのです。問題なのは、悪戯に回数や頻度だけが爆増したために、当事者が勘違いしやすくなった事です。

それは話し相手に「自分の言葉が完璧に理解されている」という勘違いです。親兄弟や友人にしか通じない密度やテンポの言葉を使っている自覚がなく、それが社会でも通用すると思い込んでいる。社会に出て最初につまづくのは、このように狭い世界で自分のコミュ力を勘違いしてしまった方々なんですよ。

更に悲劇的なのは、そういう方ほど営業志望なんですよねェ。自分はコミュ力があると思い込んでいるのですから当然でしょう。そういう方は親だから友人だから「許されてきた」というだけなんです。それを社会に出て突如突きつけられるのも酷でしょうが、いつまでも気付かぬよりはマシかも知れません。

いいですか?これからそんな若者達の顧客となり得る氷河期世代以上のおっさんおばさんの青春にはスマホもSNSもなく。大きな玉ねぎの下でペンフレンドからポケベルが鳴らなくて、大体i-modeのまま社会人になりました。中高生は親の目を盗み家電で彼氏彼女と連絡を取り合い、エロ本は当然に紙媒体です(?)。

つまり、この哀しき就職氷河期以上の世代と、今の若者とで決定的に異なるのは、通ってきたコミュニケーションの"密度"なんですよ。「次いつ会えるのか、話せるかわからない青春」と、「スマホで比較的容易に繋がる、次もまた会える、ウザければブロックの青春」とのギャップは恐らく如何ともしがたい。

どちらが良い悪いではないのです。コミュニケーション頻度爆増の今の若者にも特有の悩みがある事でしょう。ですがこれだけは知っておいて下さい。かつてコミュニケーションの回数が叶わぬために密度に拘るしかなかった一定以上の世代にとって、皆さんの言葉は密度が低過ぎて響かない事が多いのだと。

つまり信じられないかも知れませんが、親兄弟や友人知人までは難なく通じていた皆さんの日本語が、社会に出た途端、全く通じなくなる可能性があるという事です。それは社会とは"全世代と付き合う場"の事だからです。また、実は同じ国内でも、通じる言葉・伝わる表現は人によって全く異なるからです。

そして付き合う世代や性別、国境を限定しない者こそがグローバル人材と呼ばれ、世界で最も大きな富を得られているという現実の、最初の入口に立っているのがこの問題なのだと。 まずは自分がコミュ障だと気付く事。そして目の前のその人に本当に伝わる言葉を探し続ける、この二つの覚悟を持つ事。

これを就職前に、いわゆる社会人になる前に知っているか知らないかだけでも、生涯年収にとんでもない差がつくと思いますよォ? ココココ


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