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成果物ができることはクリエイティブの成果ではないなって考えた話

アル開発室っていうオンラインサロンがあります。マンガサイト「アル」の開発の裏側が読めるサロンなんですが、けんすうさんの毎日の投稿がとても勉強になっていて、自分もサロンのおかげで具体的に変われたなーっていう部分がありました。

2021年2月3日の開発室投稿にこんな記事がありました。

↑こちらクリックしたら全部読めたよ。

一言でいうと、clubhouseがはやってて、そっちでフォロワー増やしやすいけど、すぐに成果がでるそっちの数字を追うことに夢中になって、本業がおろそかにならないといいよね、みたいな感じです。

流行りのclubhouse、とりあえず招待だけはしてもらったのですが、たぶん自分は二度とログインすることないかもしれません。ラジオ的に雑談を聞いているっていうのが、自分にはあまり向いていないからです。あと、自分はスタートアップ研究とかする人じゃないので、最新のものを使いこなせてても自分の本業に対して役に立たないからですね。(誰かの考察を読んで学ぶくらいで十分)

私の場合、雑談を聞いてると自分で考えることができなくなります。もちろん、優秀な人たちの雑談から得られることは大きいと思うんですが、それは書籍やオンラインサロン、有料noteとかでも得られるので、雑談から精度高く吸収するよりも、パッケージ化されたものから吸収するほうが、自分にとっては楽だろうなぁって思っています。(雑談から吸収できるのって優秀な人だけじゃない、、)

成果を感じることの危険性

新しいサービスが始まって、すぐにフォロワーが増えたり、有名人と話せたりするみたいなことが起こると、成果が出ているって思ってしまうかもしれません。Twitterやnoteでフォロワー増やすの大変なのに、clubhouseですぐにフォロワーが増えるなら、clubhouseをがんばりたくなるかもしれません。

早く出る成果を求めたくなるっていうのは、クリエイティブの場合だと「アウトプット」かなぁって思うんですね。

たとえば、noteを1本書くのって早いと20分くらいなので、完成するのがめっちゃ早いんですね。

自分の場合の最短工数をかかる時間順に並べてみると(かかってる時はすごく時間かかってます、あくまで最短の場合)

1)note1記事:20分
2)カラーマンガ4ページ:2時間
3)ドローイング作品:3時間
4)ドローイングをデジタル化した作品:3日
5)キャンバスに描かれた30×40センチくらいの作品:実働1日(実際は乾燥時間がかかるので4日くらい)
6)インスタレーション作品:実働3か月(企画構想1年以上)
※インスタレーションっていうのは大型のアート作品のことです。

みたいな感じです。

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アウトプットの喜びを感じられるのって、私の場合は「公開」された時なんですね。なので、noteとか公開できると「仕事できたな!」って気持ちになります。

公開までが短い方が、自分にとって「成果」を感じられる機会が多いんですね。簡単にいうと、満足度が高いんです。20分くらいで書けてPVが1万近くいったりすると、すごくうきうきします。そこまで読まれてなくても、よかったですコメントとか入るとそれだけでうきうきします。なので、1から順に自分のうきうき度が高いことになります。

でも、アーティストとして次のチャンスを運んできてくれたものは何かというと、圧倒的にインスタレーションなんですね。つまり、時間をかけてつくりこんだもののほうが、自分がたどりつきたいことに近づけてくれたってことなんです。

ただ、その「次のチャンス」自体も、インスタレーションを公開してすぐに得られるわけではなく、その後、自分で次のチャンスにつなげようと模索しまくってようやく掴んでくる感じです。でも、成果物として「写真」が残るので、それがその後もずーっと使えるポートフォリオになってくれる感じです。

公開して反応をもらえるのってやっぱり嬉しいので、すぐに得られる成果を取りにいきたくなってしまうんですよね。それが時間がかかるほうの成果をつくる時間を圧迫してないかは考えないといけません。次のチャンスを引っ張ってくれるのはそっちだから。

実際、今の自分は、アート企画を毎月2本つくるっていう自分で決めたルーチンですら、おろそかになってきています。noteの記事やマンガも、かかる時間が短いとはいえ、ネタを考える必要があるので、アートのことを考えるべき時間がそっちに取られているということです。

2:8の法則っていうのがあって、収入の8割は2割の仕事がもってきてくれるってよく言いますよね。自分の場合は圧倒的にアートなので、そっちにちゃんと時間と思考を割いてやらないといけないです。

でも、けんすうさんのアル開発室投稿にあったように、他のことをやる理由もロジカルにつけられてしまうのです。
noteを通じてファンづくりができる、文章でアウトプットすることで思考の整理ができる、マンガを描くことによって感情の動きに敏感になれる、物語をつくるのがうまくなる、、、

ほんとかよ!

長く続けてきましたっていうのは、クリエイティブの質を保証するものではないんですね。誰かから依頼がくる、お金を払ってでも頼みたいと思ってくれる人がいるかどうか、その人数が多いかどうか、が質だと思っています。つまりは、自分の創作物で生み出される喜びの総量がクリエイティブの質、ですかね。

長く書いているからといって「書ける」わけではないです。それは自分が5年以上物語を書き続けていて、何にもなっていないからよく分かります笑。でも、やりつづけていると、それだけで「できてる」ような気もしてしまうし、すぐにアウトプットできると数人の読者さんから反応もいただけたりするので、そっちに時間をかけたくなってしまう気持ちも分かるんです。

「ちょっとずつ」の時間が、思ったより多くの本業、自分が叶えたい夢の時間を奪っているかもしれないなと。たとえば、ちょっとずつでもマンガのストーリーを考える時間を取ることによって、心理学でいうカラーバス効果のように、脳は「マンガのストーリーを考える」方向にシフトしてしまいます。

それで本当にいいんだっけっていうのを、ちゃんと考えないといけないなと思ったのでした。

今の自分にとってアートが主軸であることは間違いないので、ほかのやりたいことたちも、そちらに寄せてアートを支える活動の一つにできるといいかなと思いました。

すぐにできるアウトプットに目がくらんでしまうことってよくあるので、定期的に思い出して気をつけるようにするぞ!って考えた決意表明でした。

注意喚起もしてくれるオンラインサロン「アル開発室」。情報はちゃんと凝縮されてるところから取るのが自分にはあってるなーって思っています!


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