健康と運動の科学:明日から自慢できる運動の真実とは?
ハイライト
・超大規模研究で示された、みんなやったことある運動とは?
・生活習慣病の代表選手、糖尿病のリスクも下がっちゃう
・交通事故のリスク考えたら外に出ないのが一番じゃね? ←★間違いです★
運動しなくちゃ!90%以上がそう思っているけど...
2017年の調査によると、90%以上のヒトが運動の必要性を感じていることが明らかになっています。一方、まったく運動していないヒトが41%もいます。
これは女性限定の調査ですが、男性だって自分の思うように運動ができていないヒトは多いですよね?
だれだって、運動しなくちゃいけないことなんて分かってるんです。
運動の絶対的な効果は、『健康を維持する』効果。だれだって、不健康よりは健康な自分でいたいものです。しかし、仕事や家事に追われ、フリーな時間はYoutubeやNetflix、テレビなど様々なエンターテイメントに時間を費やす私たち。わざわざ外にでて運動しよう!と思っても、なかなかできません。
面倒な気持ちよりも、さらに重要なことがあります。それは、
”運動に、具体的にどのくらいの効果があるのか、わからない”
ことです。
せっかく頑張って運動したところで、本当に自分の為になっているのかよくわからない。そんな状況で頑張ることができますか?
そんなん”砂漠にハダカで放り出されて、隠した飴玉を見つけてこい!”といわれるようなモノ。
今回は、科学的な手法で検証されている、”誰でもやったことがある運動”の知られざる健康メリットを”具体的に” ”数値”を使ってご紹介します。
運動を続ける方法はいろいろ調べたら見つかると思いますが、意外と運動の効果を”数値”をつかって説明しているところは少ないですから、ここでしか知ることのできない情報をGETしていってください!
死亡率を下げる、誰でもできるカンタンな運動っていったいナニ?
それは”ウォーキング”と”サイクリング”です。
2014年に行われた研究では、28万人のウォーキングデータ+18.7万人のサイクリングデータを分析しています。この超ビッグデータを用いた分析結果によると、
ウォーキング:死亡率を11%程度下げる
サイクリング:死亡率を10%程度下げる
*普通のペースで週に2.5時間くらい行った場合。
ということが示されています。私たちに身近なこの2つの運動は、ほぼ確実に私たちの死亡率を減少させることができるといえます。
さぁ運動しよう!と考えると、ジムに行ったり、運動サークルに入ったりして、特別な運動をしたいと思うのは当然です。しかし、私たちにとって一番身近なこれらの運動が、”最も根拠のある健康な運動”であることを忘れてはいけません。
ウォーキングについては↑のnoteでいろいろ紹介しているので、
今回は特に”サイクリング”の効果に注目してご紹介していきます!
サイクリングが持つたくさんの重病予防効果とは!?
■心臓病予防
2016年には、846,487人もの参加者を4年も追跡した調査が行われました。
この調査では、サイクリングと心臓病の関係がテストされました。その内容は、心臓病のリスクは週に1度もサイクリングをしない人に比べて、どのくらい減少するか?というものです。
心臓病のリスクは、
週に平均30分のサイクリング → 約20%心臓病リスク減少
週に平均100分のサイクリング → 約23%心臓病リスク減少
週に平均340分のサイクリング → 約22% 心臓病リスク減少
この通り、サイクリングにより心臓病リスクが圧倒的に減少することが示されました。週に30分ならめちゃくちゃ余裕です。誰でもできます。だって、週に1日外にでて帰ってくるだけで30分ですからね(笑)
とはいえ、週に100分程度することが理想ではありますから、週2~3回に分けてやるのが一番良いでしょう!
■糖尿病
2016年に行われた、52,513人の参加者による研究では、サイクリングによって糖尿病のリスクが減らせるかどうかがテストされました。
糖尿病というと、ピンとこない人もいるかもしれませんが、糖尿病は、脳卒中や心筋梗塞、大動脈解離などの致死的疾患や、認知症など様々な疾患を引き起こす極悪疾患です。その糖尿病になるリスクをサイクリングで減らせれば、間違いなく健康へと一歩近づくことができます。
サイクリングの時間と糖尿病の関係:
1週間にまったくサイクリングをしない人に比べて、
1~60分 :糖尿病リスク13%↓
61~150分 :糖尿病リスク17%↓
151分~300分 :糖尿病リスク20%↓
300分以上 :糖尿病リスク20%↓
これは、差が少ないように見えるかもしれませんが、糖尿病は食生活と遺伝でほとんど決まってしまうことを知っておきましょう。食事は好きなものを食べて、遺伝なんか関係なく過ごしたいなら、とりあえず自転車には乗っておいて間違いない!というのがこの結果です。
初期コスト1万以下で始められて、ツラい我慢も必要ないサイクリングは糖尿病防止プランとしても全然アリですよ♪
自転車に乗ったら交通事故とか危なくない?
サイクリングが健康にいいのは分かった。というか、最初からわかってた。というヒトがほとんどでしょう。そして、こう言うと思います。”外に出て自転車に乗ったらリスクもあるし、結局やってもやらなくても一緒だよ。”
都市部なら、排気ガスなどの影響を受けるかもしれません。さらに、道路を走るワケですから交通事故のリスクだってあります。その辺考えても、健康のメリットが勝つの?というのはかなり大事なポイントですよね?
でも、交通事故や大気汚染物質によるリスクについても、
既に結論は出ています。
ユトレヒト大学というオランダで最も優秀な大学が行った2010年の研究では、50万人の参加者を対象にした研究が行われています。この研究では、大気汚染と交通事故による寿命の減少と、運動による寿命の増加日数が計算されました。
寿命への影響は、
・運動による効果:3~14か”月”寿命が延びる
・大気汚染の効果:0.8~40”日”寿命が減る
・交通事故の効果:5~9”日”寿命が減る
という結果。注目すべきは大気汚染と交通事故による寿命のデメリットは”日”単位なのに対して、運動による寿命のメリットは”月”単位だということ。
つまり、圧倒的に運動によるメリットの方が大きいのです。
そういったことを断言する医療従事者は少ないので、やはり運動は重要だということを、実際に数値で知っておくことは大切だと思います。
まとめ
運動するかしないかは100%あなたの自由です。
運動しても、病気にかかることはありますし、早死にする可能性だってあります。それは事実です。
しかし大切なのは、死ぬ直前に”これだけ頑張ったんだから、満足だった”といえるかどうかです。人生の最後、”運動しとけばよかった...”と後悔するのだけはやめましょう。
私が対応させていただいている患者さんも、運動すればいいのはわかってるけど・・・と、なかなか一歩踏み出すことができていない人が多いです。そんな人が、いよいよ本格的に歩けなくなると、もうどうすることもできなくなってしまいます。介護や寝たきり。そんな状態では、自分の意志だけで問題を解決するのは不可能になります。
人生、変えられるのは、今だけですよ。
オススメ記事
----- おしまい -----
このnoteは、世界中の論文を読み漁ることが趣味の私が、普段の生活や健康、美容などについて、根拠に基づいた意思決定をするための知識を提供していくnoteです。
それ、もう根拠あるよ?
ということで無駄に悩む必要はありません。
アナタの時間を、もっと楽しいことや自分の興味のあることに使うための情報を集めて書いていきます!
【ツイッターについて】
ツイッター(https://twitter.com/hagakun_yakuzai)にて投稿の更新情報などを発信しています。フォローしておけば、僕の記事を逃さず読む事ができます。
連絡・相談等もツイッターまでお願いします。
【サポート・スキ・フォロー・コメントについて】
全部、大募集してます!僕のnote続けるモチベーションはこの4つだけ!
♡をタップすると今日の運勢が占えるようになってます!
帰りがてら押して行ってもらえると嬉しいです。
引用
Kelly, Paul, et al. "Systematic review and meta-analysis of reduction in all-cause mortality from walking and cycling and shape of dose response relationship." International journal of behavioral nutrition and physical activity 11.1 (2014): 132.
Blond, Kim, et al. "Prospective study of bicycling and risk of coronary heart disease in Danish men and women." Circulation 134.18 (2016): 1409-1411.
Rasmussen, Martin G., et al. "Associations between recreational and commuter cycling, changes in cycling, and type 2 diabetes risk: a cohort study of Danish men and women." PLoS medicine 13.7 (2016): e1002076.
私の記事は、ほとんどが無料です。 それは、情報を皆さんに正しく、広く知っていただくため。 質の高い情報発信を続けていけるよう、 サポートで応援をお願いします。